パンツのすそ丈と靴のトップライン(はき口)までの距離感は、流行に左右されにくいメンズファッションの中でも、時代の流れに敏感なポイントだ。70年代のようなグランジファッションならば、地面を引きずるほどのロング丈も流行として許容されるだろうが、テーラードジャケットやスーツが基本のジェントルマンスタイルとは次元の違う話。パンツのすそ丈は、ほんの1cm違うだけで見た目ががらっと変わってしまう。すその長さこそ、流行に敏感な紳士が気を使うべき箇所なのである。ここでは南イタリアのプーリア州に本拠を構えるパンツ専業ブランド、ベルウィッチのパンツを例に、現代的で最も格好よく見えるすそ丈について解説しよう。
ずばり、靴のトップライン(はき口)からパンツのすそまでの間隔は4㎝がベストである! もちろん、すその長さは好みが反映されるため、より短いすそ丈でも軽快であり、長めでもエレガントに映る。だから、どうしても自分はもう少し長めががよい、もしくは短めがよいとかの好みは貫きたいもの。ただし、パンツのすそが靴に触れクッションができるすそ丈は、現代的でないので避けるべし。ひと昔前のパンツは、ほとんどがワンクッションをつくっていたので、特に中高年のスーツスタイルには注意が必要だ。今もかなりのビジネスマンが丈の長すぎるパンツをはいている・・・。
すそ丈はこの写真を基準に!「ペグトップ」パンツをはくとこうなる
細いすそ幅のパンツには、軽やかなローファーを合わせ、短めのすそ丈で ゆったりとしたシルエットでも、ひざから下はシャープなラインを描くのが、パンツのトレンド。そのため、すそ丈は写真のように比較的短めに設定すると、軽快かつお洒落なスタイルになる。
いかがだろうか、靴の上でワンクッションを作るすそ丈は、現代ではNG。それを守るだけでも、ビジネススタイルはぐっとスマートになること請け合いだ。
※価格はすべて税抜です。※価格は2016年春号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
- BY :
- MEN'S Precious2016年春号「靴合わせから、パンツ丈、トップス選びまで詳細解説!主役顔「リラックス・パンツ」登場! 」より
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- クレジット :
- 撮影/小池紀行(パイルドライバー) スタイリスト/武内雅英(code) 構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)