今年、にわかに復活したのがストライプのネクタイだ。アイビーファッションや、高校生の制服などでもなじみのある柄のため、織り柄が緻密なネクタイが主流の昨今はあまり注目されていなかった。
ところが、半年に1度イタリア・フィレンツェで行われ、紳士服のトレンドを作り出すメンズファッション展示会・ピッティ・ウォモでは、会場を行き交う紳士たちが一様にストライプのネクタイ(レジメンタルタイ)を着用し始めている。カジュアル指向の昨今だが、タイドアップのエレガンスを楽しみたい紳士に取って、若やいだイメージを作れるストライプのネクタイ、特にイギリスを発祥とするレジメンタルタイは最適なのだ。
ここでは、紳士服の基本であるイギリス式の着こなしに必要な、ネクタイのバリエーションを紹介したい。今年の再注目株はもちろんレジメンタルタイ。コレを1本新調しておけば、タイドアップが必要なときにも迷わない。何年も着ているスーツやジャケットが、新鮮なコーデになって蘇る。旬のネクタイこそ、最もコスパの高いおしゃれアイテムなのだ。
ここでは、イギリス式Vゾーンを例に取り、レジメンタルタイ以外のVゾーンのつくりかたもまとめて解説する。
イギリス式Vゾーンは、常にエレガントである必要がある。色鮮やかで大胆な柄のタイやスカーフを使いつつも、ストライプのタイを使うことで、完成されたVゾーンに仕上がる。ジャケット別にVゾーンコーデのポイントを紹介する。
メンズファッションの本家となるイギリスは、正統的なスタイルを表現する。一方で、1960年代に起こった、ピーコック革命に象徴されるような色鮮やかな着こなしも取り入れる。「正統でありながら大胆」。そんなキーワードがイギリスのコーディネートのポイントになる。正統派のネイビーのスーツやジャケットを主体に、色鮮やかでゴージャスな柄をデザインしたVゾーンを演出することで、最も注目されている、エレガントなブリティッシュスタイルを見事に表現できる。
イギリス発祥の、本家本元のアイテムを合わせることが、イギリス式Vゾーンの要諦である。
タイは、レジメンタルストライプを選びたい。英国連隊旗を起源にもつレジメンタルは、かつて、自身の所属を表す、紳士にとって重要なドレスコードでもあったのだ。
次に注目のタイは、ペイズリー。イギリス的な着こなしには、小さな柄から大きな柄まで、さらにビビッドな色でもVゾーンが決まる。
そんな2種類のタイを基本にして合わせるシャツは、ストライプやクレリックが王道のスタイルをつくる。はっきりとしたロンドンストライプのシャツ、白い襟と白いカフスのクレリックシャツが必須。
ギンガムチェックのシャツにも注目を。ストライプのタイと合わせれば、トレンドのブリティッシュスタイルが完成する。
ジャケット別Vゾーンテク
■ネイビージャケットの場合
■グレージャケットの場合
■ツイードジャケットの場合
いかがだろうか? 今すぐ買うならまずは今年流のレジメンタルタイ。その上で、イギリス式Vゾーンの特徴を理解して、さまざまなバリエーションネクタイで、Vゾーンコーデを楽しんでいただきたい。
※価格は2012年冬号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
- BY :
- MEN'S Precious2012年冬号「お洒落3大国、英仏伊シャツ×ネクタイのお洒落対決」より
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- クレジット :
- 撮影/川口賢典(アナーキック エージェンシー/人物)、小池紀行(パイルドライバー/静物) スタイリスト/梶谷早織 ヘア&メーク/MASAYUKI(the VOICE) モデル/Cuba 構成・文/矢部克已