あなたの職場に、誰からも好かれ、尊敬されている人はいませんか? また、職場で評価される若手に共通する要素として、上司や先輩から可愛がられていることが挙げられます。いずれにしても、成功者になるためには、周囲の人からサポートしてもらうことが不可欠なのです。

『自分を安売りするのは“いますぐ”やめなさい。』の著者である岡崎かつひろさんは「人を惹きつけるためには、気遣いと心遣いが大切」と言います。

気遣いとは、相手が求めていることや細かい変化などに気が付いて、それに応じたアクションを起こすこと。心遣いは気遣いに似ていますが、そこからさらに一歩進んで、状況を見て臨機応変に対応を変えること。相手の立場で考えて判断する必要がある分、心遣いのほうがより高度なテクニックですから、気遣いだけでなく心遣いもできる人ほど周囲の人から好かれ、重宝されるのです。

魅力ある成功者に近づくため、以下の人を惹きつけるコミュニケーション術を参考にしてみてください。

人を惹きつける5つのコミュニケーション術

■1:人(環境)のせいにしない

言い訳ではなく、改善点を考えましょう。
言い訳ではなく、改善点を考えましょう。

何か失敗をしたり、都合の悪いことがあったりすると、ついつい言い訳をしてしまうものですよね。しかし、魅力ある人は決して言い訳をしません。

「人や環境のせいにせず、自分に矢印を向けて考えると、いくらでも改善点が見つかる」と岡崎さんは言います。

「例えば、仕事がうまくいかないのは上司のせいではなく、上司に催促のメールをしなかったから。あるいは伝え方に問題があったとも考えられます。また、遅刻した理由を聞かれて『電車が遅れたから』と答える人がいますが、魅力ある人なら、そんなギリギリな行動計画を立てません。

とはいえ、遅刻(失敗)をすること自体はさほど問題ではありません。いちばん問題なのは、数分の遅刻が許されると思っている意識の低さなのです」(岡崎さん)

いつも人や環境のせいにして言い訳ばかりしていると、その失敗の改善点を見つけられず、同じ失敗を繰り返してしまう恐れもあります。人を惹きつける魅力ある人になるために、まず言い訳をやめることから始めてみてはいかがでしょうか。

■2:人に華をもたせる

仕事がうまくいっているときは、自分のおかげと考えてしまうものですよね。逆にうまくいかないときは、人のせいにしてしまいがち……。ですが、魅力ある人になるためには、自分よりも人を立てることが大事です。

「『実るほど頭が下がる稲穂かな』という言葉もあるように、うまくいっているときこそ、周りに感謝し、周りを立てることを心がけましょう。たしかに『私のおかげでうまくいっているんだ』と言いたい気持ちはわかりますが、あなたの活躍の陰で、いろいろな人が動いていてくれたはずです。

うまくいったとき、その理由を聞かれたら、『○○さんや△△さんのおかげで』と、人に華をもたせるようにしてみましょう。人を立てている人を見ると、相手は『この人は人間ができているな』と思うはず。すると、結果的に自分が立てられることになります」(岡崎さん)

なんでも自分の手柄にする上司は、部下から嫌われるのが世の常。上に立つ人ほど、謙虚さを忘れずにいたいものですね。

■3:もらうばかりでなく先に与える

欲しがらず、与えることを意識することでプラスに。
欲しがらず、与えることを意識することでプラスに。

誰かと一緒に食事をするとき、「おごってくれるなら行く」と言う人と、「おごってあげるから行こう」と言う人のどちらと行きたいと思いますか? よほどのことがない限り、「おごってくれるなら」という人と一緒に食事したいとは思わないでしょう。

「与える者に人は集まり、欲しがる者から人は離れます。人生は究極の『先出しジャンケン』です。負けてもいいから先に出し続けると、必ずあとからプラスになって返ってきます。

例えば、『周りに元気になってもらえるように、まずは自分が元気に過ごそう』『理解してもらうことよりも、まず自分から理解しにいこう』『愛されることよりも自分が愛していこう』というように、先出しで与えていく人は魅力的なのです」(岡崎さん)

先に与えるといっても、それは物やお金に限ったことではありません。むしろ、いくら与えても減ることがない無形のものを与える人のほうがより素敵ですよね。与えるときは、常に自分から先出しを意識しましょう。

■4:身も心もオープン

コミュニケーションは、話す側と聞く側によって成り立ちます。岡崎さんによると「人は自分がされたことをする、つまり自分がしっかり話を聞いていたら相手もしっかり聞いてくれるし、適当に聞いていたら適当に聞かれる」のだとか。

「話を聞くときに大事なのは、身も心もオープンであること。ここで言う『身』とは、体の姿勢です。腕組みや足組みは、心理学的には心の防御姿勢だと言われ、話を受け入れたくないときにしがちな仕草なので、注意しましょう。

次に『心』とは気持ちのもちようのこと。人は話を聞きながら反論処理していたり、聞きたいところだけ聞いていたりしてしまうもの。しかし、思っていることは相手に伝わるものなので、話を聞いているときはオープンな気持ちで、100%そのまま聞くことが大事です」(岡崎さん)

クセで腕組みや足組みをしてしまうという方は、もしかすると周りの人から話しにくい人と思われているかもしれませんので、意識的に矯正してみましょう。

■5:わかりやすくリアクションする

リアクションは愛を表現する大事な手段。
リアクションは愛を表現する大事な手段。

あなたが話をしているとき、笑顔で頷きながら聞いてもらえると「この人は話しやすいな」と感じるはずです。しかし、それができている人は、意外に少ないのではないでしょうか。

「相手の話を聞くときは、わかりやすくリアクションすることも大切。ただ、ほとんどの人はリアクションが薄い傾向があるので、上手に話を聞くためには、普段の倍くらいをイメージしましょう。ポイントは『しっかりと頷くこと』と『口元と目元を意識して笑顔でいること』です。

リアクションとは相手への愛。相手を大事にしていることを表現する大事な手段だと考えてください」(岡崎さん)

話す側の人によい印象をもたれるには、リアクションや表情のわかりやすさを意識しましょう。慣れないうちは、自分では少し大袈裟に思えるくらいがちょうどいいかもしれません。


普段あたり前のようにやっているコミュニケーションですが、いざ意識して変えようとしても、なかなかクセが抜けず、うまくいかないこともあるでしょう。そんなときは、あなたが話しやすいと感じる相手のふるまいを参考にするとよいかもしれませんね。

岡崎かつひろさん
経営者・起業家
(おかざき かつひろ)株式会社DW代表取締役、ほか2社を有する傍ら、ビジネストレーニング事業や業務コンサルティング、飲食店経営などを展開。講演会は累積動員人数10万人を超える。著書に『言いなりの人生は“いますぐ”やめなさい。』『憂鬱な毎日は“いますぐ”やめなさい。』(共にきずな出版)がある。http://okazakikatsuhiro.com/
この記事の執筆者
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WRITING :
上原 純
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