「本物の家具」がもつ魅力を味方につけてもらうために、インテリアエディター「D」が厳選した大人のためのインテリアアイテムをご紹介する連載。
身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。第15回はインパクトのある照明アイテムがそろうブランド、トム・ディクソン「ベル テーブル ライト ブラック ラージ」です。
インテリアを引き締める「ベル テーブル ライト ブラック ラージ」
乳白色のカバーを透過して広がる優しい光が、艶のあるベースに映り込む間接照明の「ベルライト ラージ」。一見シンプルに見える形状ですが、サイズがすこし大きめなことで、ひとつあるだけでもインテリアがピリリとしまり、コンテンポラリーアートのような効果があります。
光沢のある黒い塗装は、まるで漆のような質感。バウハウスデザインのインテリアにも、モダンな和の空間にもしっくりと合います。個人的には、質感と幾何学的なシルエットにそこはかとなくジャパネスクな印象をもちました。
ブラックの存在感が苦手な方には、鏡面仕上げのシルバーもオススメです。シェードに周囲の風景が映し出されることで空間に溶け込みつつ、アクセントを加える効果があります。
ひとりで持ち運べて、お手入れも簡単なベル テーブル ライト ブラック ラージ
照明は安定感もとても大事です。とはいえ、重すぎても自由に配置換えできませんよね?
こちらは6.5キロ程度ですので、女性ひとりでも簡単に持ち運びできます。購入した際に注意したいのは、電球が付属していないこと。調光機能を活用したいので、光源は白熱球になります。家電量販店で、口径E26(一般的なサイズです)の40W白熱球をご購入ください。
手づくり感とコンテンポラリーのバランスが魅力。イギリスブランド「トム・ディクソン」
2002年に、イギリスで創業されたトム・ディクソン。デザイナー本人の名前をブランド名にしている通り、トム自身のクリエイティビティーがブランドの世界観をつくり出しています。独特の「手づくり感」が残るデザインは、世界中のものづくりの現場に自ら足を運び、その工程を生かしているからこそ。
市場に合わせて商品開発をするのではなく、ものづくりの現場から発想を得て発信するスタイルで、時代を牽引し続ける稀有なブランドのひとつです。
素材の特徴を生かし、ラグジュアリーな空間を仕立てる魔法使いみたいなデザイナー、トム・ディクソン
チェルシー・アートスクールを6か月で中退したあと、ミュージシャンとして活動。事故によって破損したバイクの修理をきっかけに得た溶接の技術を使って、廃材を用い自ら手を動かして独学でデザインを学びました。
そのデザインは英国的なクラシカルな側面をもちながらも奇抜でユニークです。2000年に大英勲章を受勲、2014年にはデザイナー・オブ・イヤーに選出され、代表作のひとつ「Sチェア」は、MoMAのパーマネントコレクションに選ばれるなど、世界中で高い評価を得ています。
イギリスのライフスタイルブランド「HABITA」のディレクターを経て、2002年に自身の名前をブランド名にした「トム・ディクソン」を創立。最近では、商業施設の内装や建築デザインのプロジェクトを多数手がけ、空間構築の分野においても活動を広げています。
問い合わせ先
- TOM DIXON SHOP (トム・ディクソン ショップ)
- 営業時間/11:00〜19:00
- 定休日/水曜
- TEL:03-5778-3282
- 住所/東京都渋谷区渋谷2-1-13
- TEXT :
- 土橋陽子さん インテリアエディター
公式サイト:YOKODOBASHI.COM