知っているモネも知らないモネもたっぷりと決定版モネ展、満を持しての開催です
’20年に開催される予定が、コロナ禍によって延期。6年越し、待ちに待ったモネ展が実現します。「モネ没後100年」という記念の年に、オルセー美術館の重要なモネ・コレクションが一挙来日。その贅沢すぎる機会をぞんぶんに楽しむべく、担当学芸員の賀川さんに、改めてモネの魅力をうかがいます!
【今月のオススメ】モネ没後100年 クロード・モネ ― 風景への問いかけ
「モネが描くと人物がいても風景画のように見えます。ほかにも今回が日本初出品の『昼食』など、同時代の印象派の画家との共通点を見出せる作品にも注目してください」(賀川さん)
日本初出品作。「画業初期の作品。街を描いた風景画ですが、旗が風にはためいているなど動くものが入り込んでいるところに、すでにモネらしさが表れています」(賀川さん)
19世紀フランス美術史を中心に勉強をしてきたなかで感じているのは、その時代の、特に印象派の画家たちは、絵具の使い方がとてもうまい、ということ。画塾などで絵の基礎をきちんと学んできているので、画材の扱いが非常にしっかりしているんです。だから、今見てもすごくみずみずしく、きれい。実際、20世紀の作品のなかには、絵具の使い方が適切でないために、すでに劣化してしまっているものがあるほどです。筆の運びひとつを見ても、印象派の画家は非常に技術が高い。色数が少なくても、筆の使い方を変えることで描きわけができている。同じ青でも、そこが空なのか水なのか、が、ちゃんと見てわかるんですね。
なかでも、いちばん「うまい」と感心するのが、モネです。何気ない風景画のなかに、非常に高い技術が発揮されている。このことは、実際に作品の前に立って、近づいたり離れたりしながら観ることで実感できます。例えば水の表現で、極端なハイライトが、少しずつ離れながら見ていくうちに、あるところでふっと、キラキラと輝く水面になる。あるいは、いくつもの独立した絵具の塊が、混ざってひとつの色になる。モネが、この世界の光や色をどうとらえ、どう表現しようとしていたのかが伝わってきます。
今回の展覧会では、世界で最も重要で網羅的なモネ・コレクションをもつオルセー美術館から、その半数以上の41点が来日します。国内の美術館や個人所蔵の名品も集結します。展示室でぜひ、モネの風景画の革新性を体験していただきたいと思います。(談)
<information>モネ没後100年 クロード・モネ ― 風景への問いかけ
モネの作品41点を含むオルセー美術館所蔵の約90点に、日本国内の所蔵作品を加えた合計約140点で、たゆまぬ探求により革新され続けたモネの風景画の魅力に迫る。モネ没後100年となる’26年は、フランスを中心に世界各地で国際的な祝賀プログラムが予定されており、本展はその幕開けを飾る展覧会として位置づけられている。
会期/2026年2月7日(土)〜5月24日(日)
会場/アーティゾン美術館
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- EDIT :
- 剣持亜弥、喜多容子(Precious)

















