新作時計を追いかけるのも良いが、時計趣味が高じると、やはりヴィンテージやアンティークモデルが気になり始めるものだ。ただし、ある程度の鑑識眼を身につけてからでないと、良いものを手に入れることは難しい。そこで、名門時計ブランドが力を入れて始めているのが、デザインは発売当初のままに、中身は最新技術を奢った復刻モデル。ここでは代表的な人気ブランド、オメガ、ジラール・ペルゴ、ロレックス、モンブランから紹介したい。古いモデルのたたずまいは、ときに新作時計よりも魅力的だ。洗練とは無縁、機能だけを求めた無骨さが妙に男心をくすぐる。そんなヴィンテージモデルの魅力を最新の機能で享受できるのが復刻版。かつて憧れ、手が届かなかったあの時計も、今なら手に入るかもしれない。
幻のオリジナルモデルを忠実に再現
オメガ『オメガ1957トリロジー レイルマスター マスター クロノメーター 60周年リミテッド エディション』
オメガにとって1957年は、特別な意味を持つ年だ。『シーマスター300』『レイルマスター』『スピードマスター』の3モデルが誕生したのがこの年。60周年のアニバーサリーイヤーとして、3モデルそれぞれの復刻モデルが発売される。当時のモデルを忠実に再現した時計たちは、現代の時計とはひと味違うクラシカルな魅力にあふれている。
自動巻きで復活を遂げた名門のスポーツウォッチ
ジラール・ペルゴ『ロレアート 38㎜』
今でこそ珍しくないラグジュアリースポーツウォッチの先駆けといわれるのが、1975年に発表されたジラール・ペルゴの『ロレアート』。当時、クオーツウォッチとして発売されていたモデルが自動巻きムーブメントを搭載して復活した。タフネスとエレガンスの両方を感じさせるデザインは、今見ても新鮮。スポーツウォッチの新しい定番になりそうだ。
初代から受け継いだ赤文字のモデル名
ロレックス『オイスター パーペチュアル シードゥエラー』
1967年に製造された『オイスター パーペチュアル シードゥエラー』。当時、画期的だったヘリウム排出バルブを搭載したこの時計は、水深1220mという驚異的な防水性能を持ち、多くのプロダイバーに愛用されてきた。初代が登場してから50年目となる年に発表された新モデルは、さらに機能性がアップ。文字盤の赤いモデル名が伝説を受け継ぐ後継モデルの証だ。
名工房ミネルバの伝統を今に受け継ぐ
モンブラン『モンブラン1858 オートマティック デュアルタイム』
モンブランは、2007年に吸収したスイスの名工房ミネルバのアーカイブを掘り起こし、1930年代の初代ミネルバのミリタリークロノグラフをモチーフとしたモデルを発表した。腕時計としては珍しいブロンズのベゼルやコニャックカラーのアンティーク風ストラップを採用した時計は、新作でありながらノスタルジックな雰囲気に仕上がっている。
リヴィング・レジェンドを讚えるリミテッドモデル
タグ・ホイヤー『オウタヴィア ホイヤー02 クロノグラフ ジャック・ホイヤー リミテッドエディション』
1966年に発売されたレーシングウォッチの名作『オウタヴィア』を復刻。創業家4代目で『タグ・ホイヤーカレラ』や『モナコ』、『オウタヴィア』など、今もブランドの中核をなす時計を生み出した時計界のリヴィング・レジェンド、ジャック・ホイヤーに捧げる記念モデルが誕生した。ヴィンテージのホイヤーロゴがオールドファンにはたまらない。
いかがだろう、気になる1本が見つかっただろうか? 名門時計ブランドの復刻モデルの魅力は、オールドスタイルであるがゆえに、ジェントルマンのファッションによくなじむことである。年代物のアンティークモデルと、今回紹介した復刻モデルを、共に愛用する時計好きも多い。ヴィンテージスタイルの時計モこそ成熟した男性にふさわしい。この機会に是非購入を考えてみてはいかがだろう?
※価格は税抜きです。※価格は2017年夏号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious 2017年夏号
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- クレジット :
- 撮影/武田正彦(静物)、唐澤光也(静物/パイルドライバー)、川田有二(人物)スタイリスト/大西陽一(RESPECT) ヘア&メーク/星 隆士(SIGNO) モデル/Trayko レイアウト/澤田 翔(H.D.O.) 構成/川上康介、岡村佳代