雑誌『Precious』2010年4月号から7年間にわたって続いた長寿連載「グルメ探偵がゆく」では、名店の名皿を探し続けた「グルメ探偵」たち。

連載終了から早2年、「令和」という新しい時代を迎え、ついに再結集する運びに。すでに厳選された「平成」のアーカイブをさらに厳選。そして「令和」元年の今だからこそ行きたい新店も、もちろん追加で取材。大人が本当に楽しめるレストランだけ、ジャンルごとにご紹介します。

第4回目のジャンルは「パスタ」。

そこに名店がある限り、食いしん坊たちの「グルメ道」探求は永遠に続くのです。

みんな大好き! 季節を味わう「パスタ」の名皿

E(ミーハー編集者) パスタは麺だけでも種類が多彩で、具との組み合わせによって、無限の可能性が広がりますよね。

I(レストランジャーナリスト) ソースも忘れちゃいけない。

T(食べすぎ系ライター) 確かに。しかも、昆布出汁を使う「チェンチ」のような和っぽいものまであって、日本ならではのアレンジの仕方もされています。

I それから温度もおいしさの鍵を握ってるからね。'90年代にイタリアの奇才、グァルティエロ・マルケージさんが考案した冷製パスタって実はぬるかったんだけど、日本ではキンキンに冷やして新しいおいしさに進化しているの。

E 「クラッティーニ」や「リストランテ ヤギ」のパスタは暑くなる時期にぴったり。

T クラシックから独創的なものまであるのも楽しいですね。

■1:野菜イタリアンの名手ならでは!滋味深い百合根の風味が生きる一品「チェンチ」

「足赤エビと百合根のニョッキ」コース¥12,000の一品(11~翌3月ごろの提供予定、予約時に確認を)
「足赤エビと百合根のニョッキ」コース¥12,000の一品(11~翌3月ごろの提供予定、予約時に確認を)

京都で人気のこちら。オーナーシェフ、坂本健さんの巧みな野菜使いが話題。「足赤エビと百合根のニョッキ」は鶏と昆布の出汁を使ったソースが、ホクホクした百合根と瀬戸内海産の足赤エビの自然な甘みを引き出します。

問い合わせ先

  • チェンチ 
  • 営業時間/12:00~13:00(L.O.)、18:00~20:00(L.O.)
  • 定休日/月曜、日曜不定休
  • 料金/コース昼¥6,000~、夜¥12,000~
  • TEL:075-708-5307
  • 住所/京都府京都市左京区聖護院円頓美町44-7

■2:初夏の訪れを教えてくれる!日本パスタ界が生んだ傑作「クラッティーニ」

「冷たい桃のスパゲッティーニ」¥2,000(6~9月の提供予定)
「冷たい桃のスパゲッティーニ」¥2,000(6~9月の提供予定)

オーナーシェフ、倉谷義成さんはイチゴやブドウなど、年間を通してフルーツを使ったパスタを提供しています。なかでもダントツ人気、爽やかな「冷たい桃のスパゲッティーニ」には冷たい白ワインがよく似合います。

問い合わせ先

  • クラッティーニ 
  • 営業時間/11:30~14:00(L.O.)、18:30~ 22:00(L.O.)
  • 定休日/月曜夜・日曜・第3月曜(6~9月、12月は月曜夜も営業)
  • 料金/コース昼¥1,852~、夜¥8,800~
  • TEL:03-6278-7339
  • 住所/東京都中央区銀座3-12-19 楽心ビルB1

■3:モダンな盛り付けも素敵! 海の宝石箱のような贅沢パスタ「リストランテ ヤギ」

「アカザエビとカラスミの冷製スパゲッティーニ」コースの一品、昼はプラス¥1,000(4~8月ごろの提供予定、2日前までに要予約)
「アカザエビとカラスミの冷製スパゲッティーニ」コースの一品、昼はプラス¥1,000(4~8月ごろの提供予定、2日前までに要予約)

フィレンツェの3ツ星エノテーカ・ピンキオーリでも腕を磨いたオーナーシェフ、八木康介さんがつくる「アカザエビとカラスミの冷製スパゲッティーニ」はガスパチョ風スープがベースの芸術的なひと皿。

問い合わせ先

  • リストランテ ヤギ 
  • 営業時間/12:00~13:30(L.O.)、18:00~22:00(L.O.)
  • 定休日/水曜
  • 料金/コース昼¥2,593~、夜¥8,149~ ※要予約
  • TEL:03-6809-0434
  • 住所/東京都渋谷区鉢山町15-2 プラザ1000代官山B1

■4:火を入れることで生まれる空豆の完熟した甘みにクラクラ! 「メログラーノ」

「空豆のカペレッティ」夜コース¥9,000のパスタとして選べる(4~5月の提供予定、3日前までに要予約)
「空豆のカペレッティ」夜コース¥9,000のパスタとして選べる(4~5月の提供予定、3日前までに要予約)

郷土料理をベースに独創性を加えたイタリアンをつくるのはオーナーシェフ、後藤祐司さん。「空豆のカペレッティ」は空豆とともにペコリーノチーズ、豚頬肉の塩漬けなどを詰めたなめらかな食感のラビオリが主役。

問い合わせ先

  • メログラーノ 
  • 営業時間/平日18:00~23:00(L.O.) 土祝12:00~13:30(L.O.)、18:00~23:00(L.O.)
  • 定休日/日曜
  • 料金/コース昼¥4,000~、夜¥9,000
  • TEL:03-6459-3625
  • 住所/東京都渋谷区広尾5-1-30 1F

■5:ハマグリのうま味をたっぷり吸った1本、1本の麺がご馳走「オステリア・トット」

「ハマグリとチェリートマトのリングイネ」¥1,700(5~7月末の夜に提供予定、2日前までに要予約)
「ハマグリとチェリートマトのリングイネ」¥1,700(5~7月末の夜に提供予定、2日前までに要予約)

「パスタ料理の主役、麺をおいしくするための具を選んでいます」というシェフ、根本岳さん。ハマグリのエキス、チェリートマトの甘酸っぱさにリングイネの小麦粉の風味が見事にマッチして、うっとりするようなハーモニーに。

問い合わせ先

  • オステリア・トット 
  • 営業時間/12:00~14:00(L.O.)、18:00~23:00(L.O.)
  • 定休日/日曜・祝日
  • 料金/昼¥880~、夜パスタ¥1,400~
  • TEL:03-6438-9947
  • 住所/東京都港区西麻布1-8-16 ライラックビルB1

■6:しっかりしたうま味を身上とする隠れ家のような北イタリア料理店「ヴォーロ・コズィ」

「ポレンタとタレッジョチーズのラビオリ」¥3,519~コースの一品(予約時に確認を)
「ポレンタとタレッジョチーズのラビオリ」¥3,519~コースの一品(予約時に確認を)

北イタリアの郷土料理を標榜するオーナーシェフ、西口大輔さんの手にかかれば、「ポレンタとタレッジョチーズのラビオリ」のような伝統的なパスタも、濃厚なコクをもち合わせながら、エレガントな仕上がりに。

問い合わせ先

  • ヴォーロ・コズィ 
  • 営業時間/12:00~13:00(L.O.)、18:00~20:00(L.O.) ※要予約
  • 定休日/火曜昼・月曜 
  • 料金/コース昼¥3,519~、夜¥4,630~
  • TEL:03-5319-3351
  • 住所/東京都文京区白山4-37-22

※掲載した商品はすべて税抜です。

PHOTO :
田中 雅、馬場敬子、ハリー中西、福地彰子
EDIT&WRITING :
寺尾妙子、遠藤智子(Precious)
監修 :
犬養裕美子