普段の歩き方や所作に自信はありますか? もしかしたら、自分の知らないところで“おばさん”と思われてしまっているかも!

「骨盤腸整ウォーキング」を提唱する、一般社団法人 日本姿勢改善ウォーキング協会 代表理事 山﨑美歩呼(やまさき みほこ)さんは、レッスンでぽっこりお腹や猫背などを改善する歩き方を教えながら、「エレガントな振り返り方や歩き方」も教えているそう。

「人間の本能は、動きが綺麗なものに翻弄されるもの。顔かたちの美しさよりも動きの美しさが魅力になるのです、『7秒ルール』といわれ、人は7秒で人を判断します。第一印象がその後に人間関係にも大きく影響を与えます。だからこそ、美しい歩き方と所作はエレガントな女性には外せない必須アイテムです」(山﨑さん)

そこで今回は、エレガントな振り返り方や歩き方を教えていただきました。

これはやめよう!残念すぎる歩き方とみっともない所作

まずは山﨑さんに、一般の女性たちを見ていて、気になる歩き方と所作を指摘していただきました。

残念すぎる歩き方

・膝を曲げながら歩く
・左右の足の出し方がバラバラ
・膝から下を外に蹴り出すような歩き方
・内股で歩く
・頭の位置が悪く、上半身が揺れる

残念すぎる歩き方例
残念すぎる歩き方例

みっともない所作
・ワキを空けて腕を横に広げながら歩く
・猫背で手が前に出ている
・振り向くときに肩と足の動きが同時(ゴリラターン)
・指先にまったく意識をもたない
・振り向くと足がよろける(足さばきが悪い)

どれも気づかないうちにやってしまっていそうな歩き方と所作ですね!

エレガントな歩き方のポイント

心当たりがあれば、ぜひエレガントな歩き方から習得していきましょう。山﨑さんがレッスンで教えている、「エレガントな歩き方」のポイントを教えていただきました。

「エレガントとは自分の周りの空気自体を自分色にしてしまうような動きのことです。私は空間ごと連れて歩くことだと捉えています」

頭は骨盤の真上に
頭は骨盤の真上に

・歩くときの足さばきは“左右の足の隙間を見せない”。
・肩は「巻き肩」にならないように、肋骨(ろっこつ)を立てて肩の位置を少し後ろにすることを意識。このとき背中に力を入れない。
・胸を張るのではなく肋骨を引き上げることが大切。
・頭の位置は骨盤の真上にする。
・腕は後ろに振るようにする。

ヒール歩きのポイント

ちなみに、ヒールで歩くときにもポイントがあるそうです。

・足先は少し外を向け、かかとで1本の線をとらえるようにして歩く。
・前に出す足の膝はなるべく曲げない。
・膝と膝の隙間は前から見えないようにする。
・頭が鎖骨より前に出ないようにする。

エレガントな振り返り方のポイント

続いては、エレガントな振り返り方を教えていただきましょう!

・目線を下に下げない。
・足の隙間は見せない。(足は少しクロスする)
・頭の位置は骨盤の上に。
・口角を上げて笑顔をつくる。
・先に振り向く方向の肩を回して体全体を動かしてから、足を動かす。(肩と足を同時に動かさない)
・スピードはゆっくりと。(上級者は、頭と体の回るタイミングをずらすとセクシーに振り返ることができる)
・指は優しくネイルを乾かしたり、ティッシュを取ったりするような仕草を心がけるとよい。

ぽっこりお腹や猫背などを改善するコツ

山﨑さんによると、ぽっこりお腹や猫背など、悪い姿勢を改善する歩き方のコツもあるのだそう。こちらも気になりますよね。

「猫背とぽっこりお腹は悪い姿勢からくるものです。まずは立ち方を改めることが引き締まった体と美しい歩き方の基本です」

立ち方

・壁を背に立ち、かかと・お尻・肩甲骨・後頭部を一直線にそろえて立つ。
・肩は耳の真下より、ほんの少し後ろにもってくる意識をもつ。

<立ち方のよい例>

よい立ち方(正面)
よい立ち方(正面)
よい立ち方(横)
よい立ち方(横)
よい立ち方(後ろ)
よい立ち方(後ろ)

<立ち方の悪い例>

悪い立ち方(正面)
悪い立ち方(正面)
悪い立ち方(横)
悪い立ち方(横)
悪い立ち方(内股)
悪い立ち方(内股)

歩き方

悪い姿勢を改善する歩き方
悪い姿勢を改善する歩き方

・頭の位置は骨盤の上に

「猫背だと、どうしても頭が前に出がちです。頭が骨盤の真上にあり、骨盤で運んでいくイメージで歩くと“老け歩き”から脱することができます」

・左右の足幅くらいの平均台の上を歩くイメージで

「右足と左足をくっつけて立った幅からはみ出さないように足を運んでいきましょう。左右の足幅くらいの板の上、ちょっと広めの平均台の上を歩くイメージをもち、その幅からはみ出ないように歩くと安定して美しく歩けます」

・かかとから着地して歩く

「“老け歩き”は、たいていの場合、すり足のように左右の足がほとんど地面についている状態で、歩いている最中に片足で全身を支える時間がほとんどありません。実は、この片足で全身を支える時間をきちんとつくると、体幹を使うことになるので、体が安定してくるのです。

すり足にならないように、かかとから着地して、いつもより少し歩幅を広げて歩くと、ぽっこりお腹も猫背もいずれ自然と解消できるでしょう」

おばさん化は後ろから忍び寄る!?

最後に、山﨑さんに、おばさん化しないためのポイントを教えていただきました!

「“おばさん”は後ろから忍び寄ります。顔は毎日のように鏡で見ていますが、後ろ姿は自分では見ないですよね。でも、実は他人が知っている残念な後ろ姿がおばさんの始まり。

猫背は特におばさん化を加速する恐ろしいものなのです。なぜなら、猫背にすると横から見たとき、胸の高さも下がるので老けて見えるというわけです。おばさんを脱したければ猫背をやめることが第一ですよ」

早速、普段の歩き方や所作に取り入れたくなってきませんか? まずは自宅で練習してみましょう!

山﨑美歩呼さん
一般社団法人 日本姿勢改善ウォーキング協会 代表理事
(やまさき みほこ)筋肉と骨格、体の動きなど理学療法の観点からウォーキングを研究。ウォーキングに骨盤と腸の関係を加味した独自のプログラム「骨盤腸整ウォーキング」を開始。ウォーキングレッスンとインストラクター養成を行う。博多阪急、下関大丸、大阪 ポーラ他でイベントを開催。レッスンでは年間延べ7,000人にレクチャー。FMコミテンにてラジオパーソナリティーを担当(月1~2回)。また、倫理法人会での講話が好評で、毎月全国各地で講話を務めている。http://walking-fukuoka.com/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
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