一線を画すハイジュエリー、鎖モチーフの「アンシェヌモン・リーブル」

エルメスの新作ハイジュエリーのテーマは、「造形のジュエリー」。まず貴石を見つけ、その貴石に合わせたデザインを構築していくほかのハイジュエリー・メゾンとは一線を画します。

そして、コレクション「アンシェヌモン・リーブル」のモチーフは鎖です。

鎖は馬具のメゾンとして創業したエルメスのルーツを語るうえで大切なモチーフ。エルメスのジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクター、ピエール・アルディはイマジネーションを膨らませ、鎖の魅力をさまざまな形で表現します。

造形の美を追求したアダージュは大きな鎖モチーフにブリリアントカットの合計110.56カラットのダイヤモンドをパヴェ状にセッティング。エルゴノミックな人体にぴったり寄り添うように設計。「Adage Hermès(アダージュ)」¥101,240,000/参考価格【ホワイトゴールド×ピンクゴールド×ダイヤモンド】©️Kalim Sadli
ボリュームのある鎖をつなぎ合わせたリズミカルなデザイン。チタンを使用することで大きさに対して軽さを実現。97.48カラットものブラウンダイヤモンドをセッティング。「Hermès Fusion(フュージョン)」¥75,650,000【ピンクゴールド×チタン×ブラウンダイヤモンド 】©️Kalim Sadli
ペアシェイプ、クッションカット、オーバルカットと3つの異なるカッティングのダイヤモンドを組み合わせ、ダイヤモンドの輝きを最大限まで引き出し、アシンメトリーなデザインによりアーティスティックなピースを完成。「Hermès Petit Jeté(プティ ジュテ)」¥63,120,000【ホワイトゴールド×ダイヤモンド】©️Kalim Sadli

ジュエリー部門ジェネラルマネージャー、ローランス・ルレさんにインタビュー

このコレクションの披露にあたり、ジュエリー部門のジェネラルマネージャー、ローランス・ルレさんが来日しました。彼女はオーケストラの指揮者のような存在。ディレクションを決定し、アトリエなど各部署をまとめています。

ローランス・ルレさんは、フォーブル・サントノーレ店のマネージャーを経て、2009年ジュエリー部門のジェネラルマネージャーに就任。©️Studio Res Fleurs

「ジュエリー・コレクションは、毎回、エルメスの伝統を取り上げ、違う視点でつくっています。ピエール・アルディは5回目となる『アンシェヌモン・リーブル』をクリエートしましたが、より深くエルメスの原点に迫ったものになっていると思います。

彼は鎖をさまざまに表現し、鎖の伝統を解き放つとともに、ヴァンドーム広場のハイジュエリーのコード(決まり)の伝統をも解き放ちました。メゾンの伝統を守りつつも刷新し、常に新しい未来の伝統をつくり続けているのがエルメスなのです」

エルメスの根幹はクリエーションだと語るルレさん。

「エルメスではクリエーションこそが神聖なのです。エルメスはマーケティングの会社ではありませんからね。コンテンポラリーな視点をもつクリエーターであるアルディに可能性を与え、彼がつくるコレクションがエルメスの未来のヴィジョンを表現します」

特にエルメスのジュエリーの特徴は“フォルム”だといいます。この造形へのこだわりこそが、ヴァンドーム広場のほかのジュエラーとの違いを生み出しています。根底にジュエリーへの考え方の違いがあるからなのでしょう。

「ジュエリーは人生のパートナーです。かつてフランス貴族が紋章入りのジュエリーを持っていたように、つける人のアイデンティティーです。また、ある日はパンクなものを、また別の日はクラシックなものとその日の気分を表すものでもありますね」

ジュエリーは男性が女性に買い与えるという文化が根強くありましたが、最近は社会的、経済的に女性の地位が向上したため、女性が自分で自分に購入する傾向が見られます。

「とても喜ばしいことです。世界中を旅していますが、数年来、女性が社会的責任を取るようになっているムーヴメントを感じていました。エルメスの女性というのは乗馬するスポーツ好きで活動的で、でも同時にシックな女性。エルメスは現代のこのムーヴメントを見越していたヴィジョネア(先見性がある人)だったわけです」


まさに現代の女性にぴったりな「アンシェヌモン・リーブル」。

この個性的なジュエリーを身につければ、毎日をより溌剌と過ごせるに違いありません。

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この記事の執筆者
某女性誌編集者を経て2003年に渡仏。東京とパリを行き来しながら、食、旅、デザイン、モード、ビューティなどの広い分野を手掛ける。趣味は“料理”と“健康”と“ワイン”。2013年南仏プロヴァンスのシャンブル・ドットのインテリアと暮らし方を取り上げた『憧れのプロヴァンス流インテリアスタイル』(講談社刊)の著者として、2016年から年1回、英語版東京シティガイドブック『Tokyo Now』(igrecca inc.刊)を主幹として上梓。