女性にとってベージュ口紅は、トレンチコートのような存在。時や場所を選ばない究極のベーシックとして、だれもが口紅ワードローブに備えているのではないでしょうか。
ところが「最近、ベージュの口紅が似合わなくなった」という声を耳にします。年齢とともに肌色がくすみ、顔立ちの立体感がなくなるためか、「顔色や表情が沈んで見える」という理由で、ベージュ離れしてしまう人も少なくないようです。
しかし、ベージュという色は私たちが思う以上に万能。その人の個性を際立たせ、輝かせてみせる特別な才能があります。同じベージュでも、輪郭がぼやけて見えるパールやラメ入りは避けてクリーミィなタイプにするとか、質感を変えるだけで『映えるベージュ』に出合える可能性が。
トレンチコートのデザインがそうであるように、ベージュ口紅もまたその時代のトレンドやテクノロジーによって進化しています。秋冬の新色も加わり、洗練カラーが豊富にそろう今こそ、運命のベージュと新たな出合いを果たしてください。
今回は、大人の女性が本当に似合う「クリーミィ・ベージュ口紅」を厳選してご紹介いたします。
本命「クリーミィ・ベージュ口紅」8選
■1:アプリコットのニュアンスが若見えの秘密!永遠のスタンダードにしたいクリーミィ・ベージュ。シャネル「ルージュ ココ 402」
ナチュラルでいてエレガント。マニッシュな印象もありながらフェミニンが香り立つ。捉えがたい魅力をもったベージュは、マドモアゼル シャネルが愛する色のひとつであり、格別なこだわりをもってあらゆるクリエイションに取り入れた色でもあります。それゆえシャネルには心惹かれるベージュ口紅が多数存在し、だれもが似合う一本と必ずや出合えるはず。
それでも迷ってしまったなら、手に取りたいのは『ルージュ ココ』の402。肌色になじむトーン、なのにつけたとたんにハッと息を呑むほど生き生きした表情を生み出すのは、ベージュにひそんだアプリコット色の効果。光を溶かし込んだようなクリーミィな質感もベージュにフレッシュな印象を加えています。
光と潤いを内包した質感が生き生きとした表情を生む
唇に溶け込むようになじむ、クリーミィで明るいアプリコット・ベージュ。色の上に光のフィルムを1枚かけたような透明感あふれる質感が、肌色を冴えた印象に、顔立ちを若々しく見せてくれる。
■2:花びらの感触を最新フォーミュラで再現。先鋭のローズ・ベージュでヒロインに!ディオール「ルージュ ディオール ウルトラ バーム 808、ルージュ ディオール ウルトラ リキッド 808」
ベージュ口紅の世界は広く、トーンも質感もバリエーションも豊か。永遠に変わらぬ魅力をもった王道ベージュはおさえて当然、加えて最新のフォーミュラでそのシーズンの気分やトレンドを盛り込んだ先鋭ベージュも見逃せません。
トップトレンドを生み出し続ける「ディオール」からは、バラの花びらのやわらかな感触を可視化した新リップが2タイプ登場しました。ピーター・フィリップスこだわりのルミナスマットを実現する『ルージュ ディオール ウルトラ バーム』とムースのような『ルージュ ディオール ウルトラ リキッド』。
出色は華やかな赤にも負けない存在感とシックなベージュの個性が絶妙に溶け合うローズ・ベージュ。仕事でも会食でも注目を集めるヒロインベージュを味方につけて。
バラの花びらを模したフワッと軽い、快適なつけ心地
上の「ウルトラ バーム」、白いCDのロゴは上質なオイルを用いたケア成分。唇のバリアを強化しながら、花びらのようにやわらかなマット感が一日中続く先進の処方。下の「ウルトラ リキッド」は、ベタつかず、サラッとフワッと軽やかなフィット感なのに驚く。潤いのムースで唇を覆うようなソフトマットは大人の世代にぴったりです。
■3・4:エフォートレスに、センシュアルに自分の個性をアピールするベージュをフランス女性のようにまとって。ランコム「ラプソリュ ルージュ R 204」(左)、ゲラン「ルージュ ジェ 017」(右)
パリジェンヌの口紅ワードローブは、赤とベージュが中心。恋愛至上主義の彼女たちにとって赤は勝負色、そしてベージュは本来の自分を、唯一無二の個性と魅力を表現するための色と位置づけているのです。ベージュにこだわり、洗練された一本を見極める審美眼をもったフランス女性が支持するブランドといえば「ゲラン」と「ランコム」。
ランコムの『ラプソリュ ルージュ R』204は、トレンチコートを思わせる王道ベージュがエフォートレスなムード。ゲランの『ルージュジェ』017は、シックなカラーが知性を表しながらも、シルキーな光沢がたまらなくセンシュアル。どちらもリッチなテクスチャーが唇を立体的に見せ、地味顔どころか、その人自身の存在感を際立たせます。
つややかな王道ベージュつけたての鮮度が長もち。ランコム「ラプソリュ ルージュ R 204」
ルビーのような深い輝きを閉じ込めた最新のフォーミュラ。濃密でいて軽やかな艶が驚くほど長もちして色沈みがないから、いつまでもベージュが美しく発色。
ぷるんと量感アップでベージュも肌映え。ゲラン「ルージュ ジェ 017」
ヒアルロン酸、ホホバオイル等、さすが「ゲラン」と思わせるリッチなトリートメント効果。唇がボリュームアップするからベージュも立体的に肌映えして見える。
■5・6・7:繊細なベージュで肌色まできれいに見せるのは日本発信ブランドの得意技!クレ・ド・ポー ボーテ「ルージュアレーブルn 1」(上)、コスメデコルテ「ザ ルージュ ベルベット BR302」(左)、カネボウ化粧品「センサイ ザ リップスティック N 15」(右)
「私にベージュは似合わない」と思い込んでいる人は、色黒やくすみといった肌色との相性を気にしていることが多いようです。確かにベージュのようなニュアンスカラーは唇と肌の境界が曖昧になって、肌色が黄ばんで見えたり、顔立ちがぼやけて見えることも。
そこで試してほしいのは、肌映え効果まで考えて色彩設計を行っている日本発信ブランドの口紅です。注目すべきはベージュという繊細な色を、唇の上にくっきりと美しく表現することに長けたテクノロジー。また、唇の輪郭を飛ばしてしまうパールやラメを含まない、こっくりとクリーミィなタイプなら、唇の縦ジワも目立たないのでおすすめ。年齢を考えて色の冒険を控えていた人にもメイクの楽しさを思い出させてくれるでしょう。
唇ばかりか、肌の見え方まで計算している天才リップ。クレ・ド・ポー ボーテ「ルージュアレーブルn 1」
洗練の極みというべきセピア調のベージュ。唇が花びらのようにふっくら際立ち、肌色まで冴えて色白に見えるのは、光で発色や質感をコントロールする技術のおかげ。
赤みの強いベージュが大人女性の味方に。コスメデコルテ ザ ルージュ ベルベット BR302
表面はマットで、内側に光沢を秘めたベルベットタイプのテクスチャー。ほどよく赤みを含んだウッディなベージュは、唇と顔色の両方を明るく生き生きと見せる。
加齢が気になる唇でも繊細ベージュを美しく再現。カネボウ化粧品 センサイ ザ リップスティック N 15
上品で奥行きを感じさせるシルクのような光沢が、ベージュの持ち味であるデリケートな美しさを増幅。唇の縦ジワや曖昧な輪郭といったエイジングサインもカバー。
■8:高濃度な発色のベージュは唇の形を端正に整え、顔立ちまで凛とした印象に変える。エスティ ローダー「ピュア カラー デザイア リップスティック 101」
ナチュラルで、シックで、悪目立ちしないところがベージュの魅力ですが、目立たなすぎて口紅としては地味、物足りないという声も確かにあります。だけどそれが理由でベージュ口紅という、おしゃれで知的な女性を演出する「飛び道具」をワードローブに加えていないとしたら、あまりに残念。
たとえば進化系リップの『ピュア カラー デザイア リップスティック』は、カラーピグメントが高濃度で配合されているため、肌なじみのいいベージュ系でもくっきり発色。唇の輪郭まで凛として際立って見せるから、クールな色のイメージと相まって、フェースラインまで引き締まった印象に。リッチで濃密なテクスチャーが唇をプランプアップするのも大人顔には大きなアドバンテージです。
鮮やかさとなめらかさ。美しさが夕方まで続く
最新技術がかなえた、鮮やかで美しい発色。つけたての色と潤い、クリーミィな質感が夕方まで続くロングラスティング効果も。自信に満ちあふれた大人ベージュは、プレゼンの日や大切な人との会食にも。
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次回は、唇が若見えするベージュ口紅の塗り方をお届けいたします。お楽しみに!
※掲載した商品はすべて税抜です。
問い合わせ先
- シャネル(カスタマーケア) TEL:0120-525-519
- パルファン・クリスチャン・ディオール TEL:03-3239-0618
- ランコム TEL:03-6911-8151
- ゲラン TEL:0120-140-677
- クレ・ド・ポー ボーテお客さま窓口 TEL:0120-86-1982
- コスメデコルテ TEL:0120-763-325
- カネボウ化粧品 TEL:0120-518-520
- エスティ ローダー TEL:0570-003-770
- TASAKI TEL:0120-111-446
- PHOTO :
- 戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー/静物)、鈴木 宏(人物)
- STYLIST :
- 小林 綾
- HAIR MAKE :
- 尾花ケイコ
- MODEL :
- 真樹麗子(Precious専属)
- WRITING :
- 松澤章子
- EDIT&WRITING :
- 荒川千佳子、五十嵐享子(Precious)