多様化していく「働き方」への向き合い方を、賢者がアドバイス
激しく変化していく現代社会のなかで、勇敢に、しなやかに、キャリアを重ねてきた大人の女性たち。より生き生きと、自分らしさを発揮しながらこれから先10年、15年と働き続けていきたいと願う私たちの前には、どんな未来が待ち受けているのでしょうか?
今回は、人材業界歴20年のプロフェッショナルに、これからのキャリア形成がどうなっていくのか、お話を伺いました。
「働き方の自由度はますます上がり、複数の専門性をもつマルチな人が増えていく」
雑誌『Precious』が創刊された15年前、日本に「キャリアカウンセリング」の概念も浸透していなかった時代に資格を取った島谷さんは、「働き方の変化は加速する」と予測。
「学歴やキャリアの高さ、いわゆる"ハイスペック"は、もう武器にはなりません。同じ業界の中でよりよい条件を求めて会社を変えていくスライド転職ができない時代になっていくと思います。
求められるのは"これまで何をやってきたか"ではなく、"これから何をやりたいか"。ひとつの分野で長く働き10まで極めるよりも、8くらいで2〜3年のサイクルで別の分野に挑み、複数の専門性をもつ人材へ。働き方は変化しています」
積み重ねた経験を多方面へ発信することで、仕事はますます広く、おもしろくなっていきます。広報、マーケティング、営業などを業務委託で請け負うフリーランスにも注目。
「アメリカでは、働いている人の35%はフリーランスで仕事を受けているというデータがあるほど。スキルや人脈をどんどんつなぎ、新規事業を次々と渡り歩く、そんな働き方をする人が日本でも増えています」
仕事のAI化が進むなか、コミュニケーション能力はますます重要に。
「子育てや介護によるブランクがあっても、それは必ずその人の厚みとなって、未来につながります。また、できないこと、苦手なことをさらけ出せるというのも、ヒューマンスキルのひとつ。完璧な女性よりも弱みを見せられる女性のほうが親しみをもてますよね」。
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- EDIT :
- 樋口 澪(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材・文 :
- 大庭典子、剣持亜弥(HATSU)