注目のロングコートは、ドレスやカジュアルといったスタイルを限定して楽しむより、タイドアップ、あるいはノータイの着こなしで、よりハードボイルドな男らしさを表現したい。コートは、ヴィンテージ調の風合いを備えた味わい深い生地で、ゆったりとしたシルエットが必須である。

ブラウン系の落ち着いたグラデーションでクールに着こなす

スーツ¥340,000・シャツ¥49,000・タイ¥25,000(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン) 靴¥135,000(J.M.WESTON 青山店)
スーツ¥340,000・シャツ¥49,000・タイ¥25,000(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン) 靴¥135,000(J.M.WESTON 青山店)

コート、スーツ、タイなど、合わせるアイテムは、ブラウン系に絞り込み、繊細な色調のグラデーションをつくり上げることで、寡黙な男のたたずまいを演出できる。ヴィンテージ調の生地を使ったダブルコートに、素材感とデザインをなじませた、ウールフランネルのダブルスーツをコーディネートする。デザインの統一感を生かし、むだのない着こなしで洒落たい。胸元は、白シャツとジャカードのタイでクールなVゾーンを表現すれば、ハードボイルドな雰囲気がにじみ出す。

1980年代を彷彿させる生地感のロングコート

大きなピークドラペルをデザインし、ゴージラインの高いダブル6ボタンのエレガントなスタイル。背面には、クラシックなバックベルトを施す。起毛感のあるヴィンテージ調の生地使いが絶妙だ。着丈は、サイズ50で100㎝。¥285,000(イザイアナポリ 東京ミッドタウン)
大きなピークドラペルをデザインし、ゴージラインの高いダブル6ボタンのエレガントなスタイル。背面には、クラシックなバックベルトを施す。起毛感のあるヴィンテージ調の生地使いが絶妙だ。着丈は、サイズ50で100㎝。¥285,000(イザイアナポリ 東京ミッドタウン)

色彩のコントラストでコートをツヤっぽく際立たせる着こなし

ジャケット¥190,000・ヴェスト¥44,000(エリオポールメンズ代官山〈ベルヴェスト〉) ニット¥38,000(クルチアーニ東京ミッドタウン店) パンツ¥58,000(カルーゾ プレスルーム) スカーフ¥14,000(トレメッツォ〈ベヴィラクア〉) 靴¥90,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈クロケット&ジョーンズ〉)
ジャケット¥190,000・ヴェスト¥44,000(エリオポールメンズ代官山〈ベルヴェスト〉) ニット¥38,000(クルチアーニ東京ミッドタウン店) パンツ¥58,000(カルーゾ プレスルーム) スカーフ¥14,000(トレメッツォ〈ベヴィラクア〉) 靴¥90,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈クロケット&ジョーンズ〉)

アイテムの色数を抑えるのがクールなスタイルの演出法となる。さらに、大胆な色彩のコントラストを効かせるのがポイントだ。コート、ジャケット、ヴェストの深い色味に対して、白いパンツで鮮やかな組み合わせをつくると、上品かつ、キザな雰囲気がにじみ出す。コートの柄を生かすために、ジャケットとヴェストは、共地のアンサンブルを選ぶ。インナーは白のタートルニット。白のパンツを合わせて鮮やかに。

無骨な表情のバルマカーンコート

1970年代の幾何学模様を彷彿させる織り柄の生地を使った、比翼仕立ての巧みなデザイン。ラグランスリーブのゆったりとしたシルエットが、ハードボイルドな男らしさを引き出すポイントとなる。着丈は、サイズ48で102㎝。¥95,000(トレメッツォ〈タリアトーレ〉)
1970年代の幾何学模様を彷彿させる織り柄の生地を使った、比翼仕立ての巧みなデザイン。ラグランスリーブのゆったりとしたシルエットが、ハードボイルドな男らしさを引き出すポイントとなる。着丈は、サイズ48で102㎝。¥95,000(トレメッツォ〈タリアトーレ〉)

どちらの着こなしも、むだなデザインを省いた男らしくシンプルなアイテム選びが重要。足元は、存在感のある靴を合わせ、気の利いた風味を加えることで、よりハードボイルドな着こなしが完成するのだ。

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年秋号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
BY :
MEN'S Precious2016年秋号〝ハードボイルド〞アイテムに回帰せよより
ヴィットリオ矢部のニックネームを持つ本誌エグゼクティブファッションエディター矢部克已。ファション、グルメ、アートなどすべてに精通する当代きってのイタリア快楽主義者。イタリア在住の経験を生かし、現地の工房やテーラー取材をはじめ、大学でイタリアファッションの講師を勤めるなど活躍は多岐にわたる。 “ヴィスコンティ”のペンを愛用。Twitterでは毎年開催されるピッティ・ウォモのレポートを配信。合わせてチェックされたし!
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クレジット :
撮影/唐澤光也(パイルドライバー/静物) スタイリスト/村上忠正 構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)