注目のロングコートは、ドレスやカジュアルといったスタイルを限定して楽しむより、タイドアップ、あるいはノータイの着こなしで、よりハードボイルドな男らしさを表現したい。コートは、ヴィンテージ調の風合いを備えた味わい深い生地で、ゆったりとしたシルエットが必須である。
ブラウン系の落ち着いたグラデーションでクールに着こなす
コート、スーツ、タイなど、合わせるアイテムは、ブラウン系に絞り込み、繊細な色調のグラデーションをつくり上げることで、寡黙な男のたたずまいを演出できる。ヴィンテージ調の生地を使ったダブルコートに、素材感とデザインをなじませた、ウールフランネルのダブルスーツをコーディネートする。デザインの統一感を生かし、むだのない着こなしで洒落たい。胸元は、白シャツとジャカードのタイでクールなVゾーンを表現すれば、ハードボイルドな雰囲気がにじみ出す。
1980年代を彷彿させる生地感のロングコート
色彩のコントラストでコートをツヤっぽく際立たせる着こなし
アイテムの色数を抑えるのがクールなスタイルの演出法となる。さらに、大胆な色彩のコントラストを効かせるのがポイントだ。コート、ジャケット、ヴェストの深い色味に対して、白いパンツで鮮やかな組み合わせをつくると、上品かつ、キザな雰囲気がにじみ出す。コートの柄を生かすために、ジャケットとヴェストは、共地のアンサンブルを選ぶ。インナーは白のタートルニット。白のパンツを合わせて鮮やかに。
無骨な表情のバルマカーンコート
どちらの着こなしも、むだなデザインを省いた男らしくシンプルなアイテム選びが重要。足元は、存在感のある靴を合わせ、気の利いた風味を加えることで、よりハードボイルドな着こなしが完成するのだ。
※価格はすべて税抜です。※価格は2016年秋号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
- BY :
- MEN'S Precious2016年秋号〝ハードボイルド〞アイテムに回帰せよより
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- クレジット :
- 撮影/唐澤光也(パイルドライバー/静物) スタイリスト/村上忠正 構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)