バラクータ『G9』を着たスティーブ・マックイーンが「LIFE」誌の表紙を飾ったのは1963年。一躍ファッションアイコンとなったブルゾンはいまもなお世界中の伊達男から愛され続けている。その名品を題材に、メンズプレシャスエディター2名の着こなしを紹介する。
スティーブ・マックイーンに心酔するメンズプレシャスエグゼクティブファッションエディター・矢部克己のテーマは「都会で楽しむマリンなマックイーン」。ネイビーの『G9』にホワイトデニムを合わせてマリンな雰囲気を演出。インナーには「LIFE」誌の伝説の表紙よろしく、Vネックニットに白のボタンダウンシャツをコーディネートした。
実は英国好きでもあった業界No.1のイタリア通、
矢部克已が提案するコーディネート
「80年以上の歴史を持つスポーツブルゾンをいかに現代的に着こなすか。行き着いた答えがエレガントさとスポーティさをあわせ持つホワイトデニムでした。濃紺の『G9』に合わせれば、マリンなカラーコーディネートも手伝ってスタイリッシュなイメージが強まります」。ちなみにニットやブーツでベージュを取り入れたのは、上品さを演出するためだけでなく、「LIFE」誌でマックイーンが着ていたベージュ系の『G9』にちなんだものとか。見た目はクリーンだが、こだわりは実に濃厚なのだ。
メンズプレシャスファッションディレクターの山下英介は白シャツとナロータイに『G9』をはおり、パンツにはグルカ風のワイドパンツを選択。
1930年代のロンドンのスタイルを意識した、クラシックかつモダンな着こなしを提案した。
変態と言われた服エンスー、
山下英介が提案するコーディネート
「最近、1930年代の英国スタイルが気になっていた私。そこで同じ年代に誕生したバラクータの『G9』を使って、ブリティッシュなスタイリングにチャレンジしました。インドで手刺しゅうが施されたナロー幅のネクタイ、襟幅の狭いシャツ、そしてブラウンのハットが当時の英国的なムードを生み出します」。パンツは自身も偏愛するグルカパンツ風のデザインやワイドなシルエットを持つグレーのウールパンツ。足元にはボルドーのマロノ ブラニクのシューズを合わせてモダンさを加えるあたりが、ファッション変態との異名をとる山下の面目躍如である。
上品クリーンにまとめるもよし、ディープな英国スタイルを楽しむもよし。着こなしを選ばない懐の深さこそが『G9』が時代を超えて愛され続ける理由だ。
※価格はすべて税抜です。※価格は2016年秋号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN’S Precious2016年秋号 英国「名品」アウター着こなしバトルより
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- クレジット :
- 撮影/渡辺修身 スタイリスト/河又雅俊 文/押条良太