昔からあらゆるブランドのデザインソース……皮肉っぽく言うとネタ元になってきた、1930〜40年代の英国製ミリタリーウエア。
大英帝国華やかなりし頃に開発されたそれらは、他国製に比べるとコストのかけ方が桁外れ。生地といいディテールといい圧倒的にこだわり抜いているから、格好いいのはあたりまえなのだ。
しかし、せっかくそんな素敵な遺産があるのに、現代の英国ブランドときたら、コピーされるのを漫然と眺めているだけ。ずっと歯がゆく思っていたのだけれど、ようやく「グレンフェル」が気づいたようだ。
その最新作となるエアフォースコートは、生地はもちろん複雑な縫製の仕様、贅を尽くした副資材や裏地にいたるまで、本物中の本物! もともと英国軍にコートを納入していたメーカーだけはある。本家が本気を出したら、敵う者はどこにもいないのだ。
アウターで差がつく、ビジネススタイル
グレンフェルの『HELVELLYN』のライニングをベグ アンド コーのウール地で別注した「ビームス」限定の一着。本体は、撥水性に優れた高密度のコットンギャバジン、フード裏には、シープシェアリング(羊の刈り毛)を採用。色は、オリーブのみの展開だ。※2016年秋号掲載時の情報です。
※価格はすべて税抜です。
- TEXT :
- 山下英介 MEN'S Preciousファッションディレクター
- BY :
- MEN’S Precious2016年秋号 紳士の心を昂ぶらせる「英国名品」のすべてより
- クレジット :
- 撮影/戸田嘉昭・唐澤光也・小池紀行(パイルドライバー/静物) スタイリスト/武内雅英(code) 文/山下英介