日本を代表する老舗ファッションブランド「ニューヨーカー」が、1964年の創立から2019年に55周年を迎えた。やはりブランドを語る上で欠かせないのが『ブレザー』であるが、スタイリストという立場からすると、そのデザインには少し物足りなさを感じることもある。

実にわがままな話ではあるが、ブランドを代表するアイコンモデルだからこそ、55年という長い年月をかけて培ってきた技術や歴史を感じつつも自分なりに現代的にアレンジを加えたいと考える。そこで今回、スタイリストとしての視点から「ニューヨーカー」が提供しているパターンオーダーサービスで『ブレザー』をつくったのでご覧いただきたい。ここではオーダー例を含め『ブレザー』の着こなしについても提案。『ブレザー』が、今よりもさらに身近なものに感じるはずだ。

「ニューヨーカー」のパターンオーダーで『ブレザー』を自分好みにカスタマイズ!

左/ブレザー¥00,000〜※パターンオーダー価格・右/ブレザー¥63,000(ダイドーフォワード〈ニューヨーカー〉)※左は今回のパターンオーダーで作った日本ファブリックメーカー「ICHITEKI」のキャメルヘアーを100%使用したブレザー。右はオーダーサンプル。
左/ブレザー¥83,000〜※パターンオーダー価格・右/ブレザー¥63,000(ダイドーフォワード〈ニューヨーカー〉)※左は今回のパターンオーダーで作った日本ファブリックメーカー「ICHITEKI」のキャメルヘアーを100%使用したブレザー。右は既製品のオーダーサンプル。

ふたつの『ブレザー』を並べてみるとその違いは歴然だ。『ブレザー』の顔である前身頃は、ラペル、背裏の仕様、ポケットの型など様々な箇所をオーダーできる。加えてボタン数や使用するボタンの種類なども、もちろんオーダー可能。ジャケットの型はシングルだけでなくダブルを含め、全10種類から選択可能。

ジャケットの肝となる袖口も自分好みに!

袖口だけでなく、袖裏の生地もオーダーできるのでさりげなくアイデンティティを盛り込みたい。
袖口は、本切羽(※オプション)、ミシン切羽、袖重ねボタンの3種類から選ぶことが可能。今回のオーダーでは本切羽を選択し、トラッドな印象のあるボルドーのストライプ生地を袖裏に選択した。※オプションは別途各¥3,000+税で選べる。

袖口だけでなく、袖裏の生地もオーダーできるのでアイデンティティを盛り込めるのがパターンオーダーならではの魅力!袖捲りしてこだわりポイントをさりげなく見せるのもパターンオーダーをしたからこその楽しみ方だ。

後ろ身頃であるベント部分も自由にできる!

男の後ろ姿をどう見せるかは、ベントが重要な役割を担っている。
男の後ろ姿をどう見せるかは、ベントが重要な役割を担っている。職業柄、人から見られることも意識し、ベント部分にもこだわった。

後ろの裾部分であるベントは、ノーベント、センターベント、サイドベンツの3種類から選択可能。今回のオーダーでは、よりクラシカルな印象の強いサイドベンツを選択した。

ビジネスで着るならこう着こなす!

ブレザー¥63,000・シャツ¥13,000・タイ¥9,500・パンツ¥23,000・ベルト¥13,000(ダイドーフォワード〈ニューヨーカー〉)その他/参考商品※ブレザーはオーダーサンプルを使用。
ブレザー¥63,000・シャツ¥13,000・タイ¥9,500・パンツ¥23,000・ベルト¥13,000(ダイドーフォワード〈ニューヨーカー〉)その他/参考商品 ※ブレザーは既製品を使用。

ビジネスシーンを意識するのであれば、トラディショナルでエレガントな着こなしを楽しみたい。相性の良いグレースラックスに赤を基調としたタイは鉄板コーディネート。シンプルになりすぎないようにネクタイとチーフの色をリンクさせたり、スラックスにチェック柄などを選ぶと、クラシック過ぎずにモダンなブレザーの着こなしをより楽しめる。

カジュアルに着てこそ発揮する『ブレザー』の圧倒的存在感!

ブレザー¥63,000・ベスト¥17,000・シャツ¥13,000・パンツ¥20,000・マフラー¥11,000(ダイドーフォワード〈ニューヨーカー〉)靴/参考商品 ※『ブレザー』は既製品を使用。

『ブレザー』自体がコーディネート全体を引き締めてくれるので、カジュアルには色や柄ものを取り入れても散漫になることはない。フェアアイル柄のニットやストライプ柄のマフラーなどでさりげない遊び心を盛り込むことがポイントだ。

納得のいくデザインを既製品で見つけるのは難しいが、すべてをオーダーでそろえるとなると現実的には難しい。そこで活用したいのが「ニューヨーカー」で提供しているオーダーサービスだ。特にスタイリストという職柄、洋服にはひとよりもうるさいこだわりを持つからこそ、パターンオーダーなどお店のサービスは有効に活用すべきだと考える。

パターンオーダーする際は事前に「こうしたい」というイメージをある程度固めておくのがいいだろう。店頭で慌ててしまい納得のいかない『ブレザー』を作らないよう、事前準備は必要だ。手間をかけたぶん出来上がりに思わず笑みがこぼれるはずだ。

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