普段、電車を利用するときに、他人の行動を見て気になることはありませんか? 実は自分も、周囲の人から顰蹙(ひんしゅく)を買う行動をしてしまっている可能性があるかもしれません。
そこで今回は、電車内のふるまいのなかでも、実は周囲の人たちから白い目で見られがちなことや、迷惑をかけてしまっている可能性があることを、マナー講師でイメージアッププロデュサーの桜美月さんに伺います。改めて、電車内マナーの確認になれば幸いです。
電車内で実は顰蹙を買っているNGな行動8例
■1:降りないのにドア付近から動かない
「ドア付近にいると、ドアが開くたびに出入口の流れをふさぐことになりますので、ラッシュ時には特に迷惑になります。お互いに気持ちよく乗り降りできるように、ドア付近に立つ場合は、ドアが開くたびに一度ホームに出て、降りる方が降り切ってから乗り直すようにするなど、スマートに行動したいですね」(桜さん)
■2:座ったときに脚を開く、脚を組む
「電車に乗るとよく見かけるのが、女性で膝を開いて座っている方です。座るときには、膝をしっかりしめて脚を真っ直ぐそろえると、見た目もエレガントで品よく見えます。
また、脚を組んで座ると、立っている人の脚に当たる場合があり、特に雨の日などは、人の衣服を汚してしまう可能性もあります。電車では足は組まないほうがいいでしょう」(桜さん)
■3:電車内で化粧を直す
「電車は公共の場ですので、お化粧直しやお化粧をするのはマナー違反。たとえ、女性専用車両であっても、化粧直しはお化粧室で行いましょう。ほかの人がしているからといって、自分もする、ということのないようにしたいものです」(桜さん)
■4:イヤホンの音漏れに気付かない
「最近では、電車の中で動画を楽しむ方も増えましたが、車内でのイヤホンやヘッドホンのボリュームは控えめにしましょう。
それと同時に、誰かと一緒に電車に乗った場合は、話し声のボリューム、そして話す内容にも配慮が必要です」(桜さん)
■5:満員電車で無理やり本や新聞を開いたり、スマホをいじったりしている
「混雑時は、じっと動かず、静かにしておくこともマナーのひとつです。スペースにゆとりができたら、いくらでも楽しめます」(桜さん)
■6:携帯電話やスマートフォンの着信音を何度も鳴らす
「電車内では、電話の着信音だけでなく、例えばLINEなどでやりとりをしていて、メッセージを受信したり送信したりするたびに、何度も音を鳴らす人がいます。これは、周囲の人にとって大変な迷惑になります。電車に乗るときは、サイレントやマナーモードにするようにしたいものです」(桜さん)
■7:隣の席に荷物を置いて座り、ふたり分の場所をとる
「ふたり分の場所を取るのは大きなマナー違反。荷物は膝の上に置きましょう。バッグなどは寝かせて膝に置くより、膝の上に立てて置くほうが、見た目も綺麗で幅をとりませんよ」(桜さん)
■8:雨で濡れている傘の紐を留めない
「雨の日に電車に乗る人々は、みんな濡れた傘を持っています。傘の巻いてヒモで留めず、そのまま閉じただけの状態で持っている方もいますが、近くの方の洋服を濡らしてしまう恐れもありますし、しずくが広がり、車内が濡れ、スリップの原因になることも。
乗る前に紐で留めておき、傘が外側に向かないように、手元の柄(え)の部分を持って、まっすぐ下に向けるように持ちましょう」(桜さん)
さらにこれも気をつけたい! 電車内での行動2つ
続いては、マナー違反とまではいかないけれど、気を付けるべき行動を、桜さんに挙げていただきました。
■1:座ったときに無防備に寝る
「寝ると気がゆるみますので、足が開いたり、口が開いたりとすることもあります。その姿を公衆の面前で見せてもいいのかどうかを考えると、無防備に寝るのは避けたいものです。
こっくりこっくりと首が傾いて、隣の人に迷惑をかける場合もあります。寝ているすきに、貴重品がなくなることも考えられますので、身の回りにも気を付けて、もし寝るならうつむき加減で、おしとやかに寝たいものですね」(桜さん)
■2:ひとつだけ空いている座席の前に立つ
席が空いているなら、席を必要とする方が見つけやすく、座りやすいように、その前にはなるべく立たないほうがいいでしょう。ただ混雑時に、左右によけられない場合もありますよね。そういう場合は、いっそ座ってしまったほうがよいときもあります。そのときの周囲の状況に合わせた配慮を心がけたいですね」
最後に、桜さんは次のように話します。
「電車という公共の場で、皆が気持ちよく過ごすには、ひとりひとりが“思いやり”の気持ちを持つことが大切です。思いやりはもちろんのこと、大人の女性として品よく過ごすことも心がけたいですね」
ちょっとしたことですが、意外とやってしまいがちなこともあったかもしれません。ぜひ思いやりと品のよさをもって、電車内でのふるまいもスマートにこなしたいものです。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利
- EDIT :
- 安念美和子、榊原淳