ヒッチコック映画のヒロインは、みな究極のエレガンス、絶対のお手本。とりわけ『めまい』のキム・ノヴァクを知らないと損をする

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映画『めまい』のキム・ノヴァク

最近は、知らない人も多くなってきたのが、「ヒッチコック映画」という独特の世界。いよいよサスペンス映画のグレートクラシックというカテゴリーに押し込まれそうな気配になってきている。

永遠に観ないままの人がいるのは、あまりにも残念なので、ここでしっかりと取り上げておかなければと思った次第。

なぜならヒッチコック監督は、究極にエレガントな女性を描く天才であったから。女として彼の映画をお手本にしないのは、大袈裟ではなく人生レベルの損失となるくらい、学ぶべきものが凝縮しているからなのだ。

その証拠に、ファッションデザイナーや女性誌の編集者、有名スタイリスト、ヘア&メイクアップアーティストには、「憧れの女性」として、ヒッチコック映画の中のヒロインをあげる人が極めて多いのだ。

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映画『めまい』のキム・ノヴァク

そういう意味でとりわけ熱い支持を集めているのが、『めまい』のキム・ノヴァク。ひとまず一本だけ観るのなら、ぜひこの『めまい』を観てほしい。女性の魅力とは何なのか、改めて考えさせられるはずだから。

何といっても圧倒されるのは、プラチナブロンドのアップヘアと、高貴なまでにクールなコンサバファッション。白の薄いタートルネックにグレーのタイトなテーラードスーツというミニマムなファッションながら、これがなんとも官能的でゴージャスに映るのだ。まさに今見ても、洗練の極みである。

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映画『めまい』のキム・ノヴァク

大昔、初めてこの映画を見たとき、いつの日か、このヒロインをそっくり真似てみたいと思ったほどで、まさにその時、歳を重ねていわゆるグレイヘアになる日が一瞬、待ち遠しかったりした。あのプラチナブロンドの髪に近づくには、それしか方法がなかったから。

でも今、改めて思うのは、グレイヘアが今トレンドであるのも、肌とのワントーンとなる髪色が、品格とあでやかさを併せ持ち、ゴージャスでさえあるからで、『めまい』はグレイヘアの絶対のお手本。

つまりグレイへアに挑むのなら、絶対にこうした隙のないオシャレをするべき。地味に見えたら失敗なのだ。そうした意味でも、この映画は必見なのである。

サスペンス映画の天才を狂気に走らせるほど、プラチナブロンドの女は魅力的だった!

しかしその裏には、ヒッチコック監督の少々偏執的なプラチナブロンド愛があったといわれる。

同じヒッチコックの『鳥』という映画を知っているだろうか? 美しいヒロイン、ティッピ・へドレンがカラスに頭を突かれたりする怖い映画だが、見事なプラチナブロンドであるこの女優に対しての、ヒッチコック監督のセクハラを超えた執着ぶりは「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」というテレビ映画にもなっているほど。

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映画『鳥』のティッピ・へドレン

このテレビ映画では、「マーニー」という映画の中で、関係を迫る監督から逃れるために髪を染める女優に、再びブロンドを強要していて、プラチナブロンドに対しての典型的なフェティシズムであったことが、描かれている。もちろん今の時代なら、この行為はセクハラとして完全にアウトだけれど。

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映画『マーニー』のティッピ・へドレン

しかしながら、サスペンス映画の天才を、狂気に走らせてしまうほど、プラチナブロンドの女は魅力的だったということでもあって、『めまい』のストーリーにもその一端がうかがえる。

主人公の男はキム・ノヴァク演じる女性に一目で魅了されるが、彼女が亡くなって失意の中で見かけた女性が彼女そっくり(キム・ノヴァクの二役)。ところが、髪の色がブルネットだったために、その女性に近づき親密になりながらも、髪色をプラチナブロンドに染めてほしいと懇願、やはり亡くなった彼女が着ていたグレーのタイトなスーツを着せる。

もちろんそこに物語のハイライトがあるのだが、考えてみればこの行為も、偏執的なセクハラにほかならない。シナリオで自分のフェティシズムを擦るほど、ヒッチコック監督はプラチナブロンドの女に執着していたのだ。

黒髪では絶対に表現できない、ノーブルでゴージャスな美しさがあることを、決して見逃さないで

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映画『めまい』のキム・ノヴァク

しかし、『めまい』という映画を観るとそれもやむなしと思うほど、ヒロインは美しい。女の自分も、ブルネットをプラチナブロンドに染めてほしいと願ったほど。それは一体どういうことなのだろう。やはりこの髪色にしか表現できないノーブルでゴージャスな美しさを、ひたすら見ていたいという欲求なのだろうか。

同じブロンドでも、ゴールド系の金髪ではなく、まさしくプラチナ系のブロンド、そこに宿るのは知性と清潔な色気、だから男性にはたまらないのである。

私たちだってそれをグレイヘアで表現できる。現在の草笛光子さんのように、すでに真っ白になった髪を完璧に結い上げたノーブルでゴージャスな美しさは、黒髪では決して表現できないもの。

だから、そうなる日をどこかで心待ちにするという、歳の重ね方もあるはずなのだ。少なくとも私は、白髪になった時、髪をアップにまとめ、白いコートに黒いスカーフを風になびかせてみようと、今からその日を楽しみにしている。

いずれにせよ、天才が異常なまでに愛した美しさ、目に焼き付けておくべきである。

グレイヘアの魅力を引き立てるリップアイテムやベースメイク、スキンケア3選

ヒッチコック映画のヒロインには、こんな口紅がよく映える【ジバンシイ】

動画でルージュ・ジバンシイの魅力をお届け!

プラチナブロンドの髪は、不思議なほどメイクが映える。それも肌色と髪色がワントーンでまとまっているからこそ。同じくワントーンの世界を作るベージュの口紅や淡いピンクはもちろん、レッドやボルドー、ブラウン系までがことごとく映えるのだ。

このルージュ・ジバンシイは、美人の絶対色に加え、レッドカーペットの女優をイメージしたラインナップ、夢幻のきらめきを表現したラインナップと、口紅の多彩さ偉大さをそっくり表現した3つのラインがある。

いずれのラインでも、大人の女に見事に化粧映えする色と質感をそろえてくれた。決してお見逃しなく。

左から/ルージュ・ジバンシイ・ベルベット 37、ルージュ・ジバンシイ 305、ルージュ・ジバンシイ・ノワール 02 各¥4,600
左から/ルージュ・ジバンシイ・ベルベット 37、ルージュ・ジバンシイ 305、ルージュ・ジバンシイ・ノワール 02 各¥4,600

髪も肌も体も、艶で包んでくれる珠玉のトリオ ザ オイル【ITRIM】

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左から/ITRIM エレメンタリー ボディ トリートメントオイル 38mL ¥15,000、同 ヘア トリートメントオイル 18mL ¥12,000、同 フェイス トリートメントオイル 18mL ¥18,000

見て美しい、まとって心地よい、そして仕上がりに、大人の艶やかさを引き出してくれるのがこの3品のオイル。ヘア用、肌用、ボディ用……それぞれに巡りを高めて、美しさのスイッチをオンするような手応えをくれるが、3品を合わせ使いすると、神経系にまで働きかけて、内面から輝きが生まれる。

まるで生まれ変わったように存在がきらめくのを感じるだろう。言わば、最も簡単なオーラの作り方。

プラチナブロンド及びグレイヘアにしたら、肌作りに手を抜いては絶対だめ【イヴ・サンローラン・ボーテ】

アンクル ド ポー オール アワーズ セッティングパウダー ユニヴァーサル ¥6,500
アンクル ド ポー オール アワーズ セッティングパウダー ユニヴァーサル ¥6,500

プラチナブロンドの美しさは、やはりあくまで肌とワントーンであることに宿るわけで、そういう意味では肌の美しさも絶対条件となってくる。グレイヘアも、肌づくりに手抜きをしては絶対だめ。

だからこそ、どんなファンデーションも間違いなく美しく仕上げるセッティングパウダーを。白のパウダーは、透明感を高めながらも高貴な肌を作る上での必需品と言えるだろう。

※掲載した商品の価格はすべて税抜です。 

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この記事の執筆者
女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。好きなもの:マーラー、東方神起、ベルリンフィル、トレンチコート、60年代、『ココ マドモアゼル』の香り、ケイト・ブランシェット、白と黒、映画
PHOTO&MOVIE :
戸田嘉昭、池田 敦(パイルドライバー)、AFLO