マリー・アントワネットが過ごした館がホテルに!「オテル ドゥ クリヨン ローズウッドホテル」の魅力
セレブのヴァカンス先をチェックすると、たびたび目にする「ローズウッドホテル」。世界16か国・28軒を運営すする、ウルトラ・ラグジュアリーなホテルグループです。
彼らの哲学は“センス・オブ・プレイス”。ローズウッドらしさよりも「その土地ならではの歴史や文化に敬意を払ったホテル運営」に主眼を置いています。
そして今、究極のエクスクルーシブな体験「ローズウッド リミテッド エディション」を展開中。一生モノの体験、まずはフランス・パリの「オテル ドゥ クリヨン ローズウッドホテル」からご紹介しましょう。
ウルトラ・ラグジュアリーながら、レジデンシャルな感覚が絶妙
コンコルド広場の真正面、石造りの堅牢なファサードが迎える「オテル ドゥ クリヨン ローズウッドホテル」。
1758年にフランス王ルイ15世の命により建造された、マリー・アントワネットがパリで過ごすための館です。1909年に「オテル・ドゥ・クリヨン」として開業、その後、2013年に一時閉館し、4年以上かけて修復、改装を敢行。2017年にローズウッドホテルの一員として、ふたたび門戸を開きました。
ホテルにチェックインをしたのは夜遅く。
ロビーカウンターではなく、ラウンジで椅子に座って手続きを済ませます。さぁ、お部屋へと立ち上がり振り向くと、バトラーが背後にずらりと並んでいました。驚いていると、ひとりずつ挨拶を、しかも人によっては日本語で迎えてくれました。
担当のバトラーと一緒に部屋へ向かう間の会話でふと、気になることがありました。
バトラーは客室を“アパルトマン”と呼ぶのです。そういう客室カテゴリーなのですかとたずねると、バトラーは「ホテルではなく、レジデンシャルのように感じてほしいからです」と。
ここは、フランスにおいて由緒あるホテルに与える称号“パレス”を、再オープンして約1年で獲得した名門です。敷居が高いに違いないと背筋に力を込めていたのが、ゆるりとくつろいだ瞬間でした。
カール・ラガーフェルドの世界観が凝縮したシグネチャースイート
78の客室はすべてバトラーサービス付き。室内には「パリらしさ」そして「レジンデンシャルらしさ」へのこだわりが細部まで行き届いています。
たとえば、ベッドにさりげなく置かれたカシミアのブランケット、ロゴをあえて入れていない触れ心地のいいタオルは、自室のようにくつろいでほしいから。「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」のボックスに入ったアメニティや、「ルサージュ」のカーテン、「クリストフル」の備品などは、フランスならでは。
カール・ラガーフェルドがデザインした、シグネチャースイートの「グランド・アパートメンツ」は圧巻です。パールのような光沢をたたえた淡いピンクにこだわり、納得いくまで何度も塗り替えさせたのだとか。
バスルームの大理石も見たことのないような文様。バスタブは同じ大理石をくり貫いたものです。彼の世界観、炸裂しています。
生粋のパリジャンに認められるレストラン&バー
パリらしさを追求する上で、重きを置いたのが、レストラン&バー。地元から愛されてこそ、ホテルが目指すコンセプトの“センス・オブ・プレイス”です。そのため、開業わずか7か月でミシュラン1ツ星を獲得した「レクラン」や、「ブラッセリー・ドモン」はホテルの正面玄関とは別に、エントランスが用意されています。
オールデイダイニングの「ブラッセリー・ドモン」では、伝統的なフランス料理にモダンなツイストを利かせたメニュー。切り分けていただく朝食の巨大なクロワッサンが名物です。
冬でも屋外を好むパリジャンのリビングルーム的存在なのが「ジャルダン・ディヴィエール(“冬の庭”の意味)」。天気のいい日は屋外のこちらでランチやデザートを。ちなみに、鳥害を防ぐため、目立たないネットが屋上に張ってあります。
そして夕方ともなると、行列ができるのがバー「レ・ザンバサドール」。見上げるほど高い天井に、無数のチェーンを垂らした建造時のオリジナルのシャンデリアが、どことなくデカダンスな雰囲気。クリスチャン・ディーオールへのオマージュだというスタッフのユニフォームもおしゃれです。
気高きアントワネットの存在を感じる空間
アートを愛したマリー・アントワネットにちなみ、館内にはいたるところに作品が飾られています。ロビーラウンジ近くにはモダンアートが、コンシェルジュのアイランド(デスクではない)近くには今、パリで起きていることがわかる展示がされています。
シャンパンを愛したアントワネット。ゲストに飲ませ続けるためにグラスをテーブルに置けないよう、底のフット部分を取ってしまったものも展示されています。招かれたゲストの困惑した顔を想像すると、くすりと笑ってしまいます。
そしてフランスの歴史的建造物の指定を受けているのが、2階にある「マリー・アントワネットの間」。アントワネットがピアノの練習やドレスの採寸、シャンパンを楽しんだ部屋が、今も残されています。
そこにある2体の像と壁にかけられたタペストリーは、当時のもの。幸せな思いが詰まった部屋だったことでしょう。この部屋はボールルームとして使われていますが、隣接したベッドルームと合わせてシグネチャースイートとして宿泊もできます。
コンコルド広場の真正面にある「マリー・アントワネットの間」の14平方メートルのテラス。昭和天皇やマイケル・ジャクソンもここに立ち、群衆に手を振ったそうです。
「オテル ドゥ クリヨン ローズウッドホテル」の「ローズウッド リミテッド エディション」は、フランス人インテリアデザイナーのトリスタン・アウアーとコラボする「ヴィンテージ ジャガーE タイプ カブリオレ」のカスタマイズ。
完成品は、2021年に開催予定の「コンクール デレガンス シャンティアート&エレガンス」にて発表されます。自分だけのクラシカルなジャガーと、宿泊+プライベートダイニングが29万米ドル~。高いと思うか、ほしいと思うかは、趣向次第です。
問い合わせ先
- オテル ドゥ クリヨン ローズウッドホテル
- 料金/プレミアムスイート2700ユーロ、マリーアントワネットスイート16000ユーロ、ラガーフェルドのグランドアパートメント3ベッドルーム37000ユーロ(1ユーロ=約120円 2020年3月24日現在)
- 日本での問い合わせ先/ローズウッド ホテルズ&リゾーツ TEL:0120-914-266
- TEXT :
- 古関千恵子さん ビーチライター
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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- WRITING :
- 古関千恵子
- EDIT :
- 安念美和子、大西瞳(イクシアネクスト)