世界経済が段階的に再開を進め、「ニューノーマル=新しい生活様式」を取り入れ始めています。
米国・ニューヨークで広まっている「マスクを着用し、靴を脱ぐ」という習慣もそのひとつ。日本では当たり前の習慣も、彼らにとっては真新しいもの。特にマスク着用については、州をあげて着用を促すキャンペーンが実施されています。
その一環で実施されていたのが、#WearAMask NY PSAコンテスト。「なぜマスクを着用することが重要か?」について説明した30秒の動画を募集したところ、600以上のビデオ作品の応募があり,その中のファイナリスト5本のビデオに、計18万6,117票の投票があったそうです!
マスク動画コンテスト、優勝作品は「We ❤ NY - Bunny Lake Films」
5月26日(米・東部時間)に決定した優勝作品は「We ❤ NY - Bunny Lake Films」。
Tシャツやマグカップできっと見かけたことのある、ニューヨークの定番お土産グッズのロゴ「I ❤︎ NY」に新しい解釈を加えたようなタイトルのこちらと、第2位の「You Can Still Smile」の投票数の合計は9万6,332票で,その差はたった502票。
予想外にも投票は州を超え,全米だけでなく世界からの投票があったことを総合的に勘案して,両方の作品を、州の広告として放映することが決定されました。
短期間で開催されたにも関わらず、途方もない投票率で関心度の高さを示したコンテスト。ニューノーマル、マスク着用について、関心の高さが窺い知れます。
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クオモ知事いわく、マスクは「クールなファッション」!アメリカの最新マスク事情3選
ここ数か月で急変したニューヨーク、そしてアメリカのマスク事情。政治からトレンドまで、気になる最近の「マスク」ニュースをいくつかピックアップしてみました。
■1:マスク着用で一歩リード!ジョー・バイデンさんのシックな夫婦コーデ
No masking it: Biden in stark contrast with Trump over virushttps://t.co/pnx5YHG1lO pic.twitter.com/UJ9JkYKBsA— AFP news agency (@AFP) May 27, 2020
米大統領選の民主党候補指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領は、メモリアルデー(5月最終月曜日のアメリカの祝日)に出席した戦没者追悼の式典にて、ジル夫人とおそろいの黒マスクでシックな夫婦コーデをみせました。
マスク着用に消極的で未承認薬を服用したり、マスク着用のバイデンさんをからかうツイートをしたりーー、迷走中のドナルド・トランプ大統領との差が浮き彫りになるような、TPOをわきまえた黒のマスク姿。
ちなみにバイデンさんのツイッターのアイコンも、マスクを着用した顔のアップに。この「マスク着用」の選択が、大統領選を左右するかも?!
■2:今夏のトレンド?!「トライキニ(Trikini)」なるビキニとマスクのマッチングスタイルが話題
メモリアルデーを過ぎれば、夏の始まり! 近郊のビーチへ繰り出すのがニューヨーカーのお約束ですが、コロナ対策はどうする? ということで、いま注目を浴びているのが、イタリアのスイムウェアデザイナーが提案するトップ、ボトム、そしてウォータープルーフのマスクの3点がセットになった、トライキニ(Trikini)。
NBCのモーニングショー『トゥデイ(TODAY)』によると、早くも多くのオーダーが入っているというこの「パンデミック・セーフ」のスイムウェア。マッチングスタイルが好きな人は要チェックです!
■3:マスクの次は、フェイスシールド?
Face shield worn during a one-hour walk in 13mph sustained winds with 35mph gusts. No problem - actually no watery eyes, which was nice. Ball cap did blow off once #faceshields pic.twitter.com/zScHp0Kvom— 𝙀𝙡𝙞 𝙋𝙚𝙧𝙚𝙣𝙘𝙚𝙫𝙞𝙘𝙝 🤚 🧼 (@eliowa) April 19, 2020
浸透しつつあるマスクに慣れたら、次のステップへ?! ニューヨーク・タイムズによると、着用、消毒、再利用が容易だとして、フェイスシールドにも注目が集まっているのだとか。
マスクと異なり、顔全体をカバーするので目も保護することができ、さらに耳の不自由な人にとっても唇の動きが読めるので、マスクより重宝されるシーンがありそう。新しいもの好き、やると決まったらとことんやるという、ニューヨーカー気質が感じられる動きです。
The front page of The New York Times for May 24, 2020 pic.twitter.com/d14JhFp4CP— The New York Times (@nytimes) May 24, 2020
ニューヨーク・タイムズは、24日付日曜版の一面を新型コロナウイルスによる死者の名前や年齢などで埋め、「米国の死者数10万人に近づく、計り知れない喪失」と報じました。
犠牲者数が突出したニューヨークでは、2020年5月26日時点で、死者数が急増し始めた3月下旬以来,最低水準となったようですが、それでもあまりの数の多さに言葉を失います。
今後の被害を抑えるためにも「マスクの着用は今や文化、コミュニケーションでありカッコ良い(Cool)こと。NY州のファッションの一部であるべき!」と、クオモ州知事は会見で訴えています。
とはいえ、この数か月の状況の変化を顧みると、マスクは着実にニューヨーカーの「ニューノーマル」として浸透しつつあり、今後も感染拡大防止の一助となっていきそうです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 神田朝子
- TOP画像 :
- Getty Images