ラグジュアリー・ファッション誌『Precious』で活躍するプロフェッショナルたちが、 ひと目見た瞬間に「手に入れたい!」と心が躍ったアイテムや、 実際に使ってみて「これはすごい!」と感動したアイテムなど、独自のラグジュアリー目線で選んだ「私的名品」をご紹介する『私の最愛名品』。今回は、ファッション・ジャーナリスト西山栄子さんの後編。百貨店に勤めていた際にひと目で気に入ったという、ハンス J.ウェグナーの名作チェアです。
さりげなく置くだけで、部屋を贅沢な空間に変えてくれる名作
曲線を描くシンプルなフォルム、そして後ろ姿までエレガントな佇い…。松屋銀座本店に勤めていたころ、北欧家具コーナーに飾られていたハンス J.ウェグナーの「Yチェア」をひと目で気に入り、いつかは購入しようと決めていました。
30代になりひとり暮らしを始めることをきっかけに、まず5脚購入。結婚後もことあるごとに買い足し、今では自宅に8脚も! ペーパーコード張りのシートは優しい風合いで、座り心地も快適。使い込むほどに木肌の表情が味わい深くなり、シートを2度張り替えていますが、30年も愛用しています。椅子でいて椅子でない、まるで美しいオブジェのような存在なので、廊下や玄関に置いても絵になります。今までも、これからも、生涯使い続ける椅子は「Yチェア」と決めています。
■背柱がY字であることから「Yチェア」と名付けられた椅子は、1949年にデンマークの椅子の巨匠であるハンスJ.ウェグナーによりデザインされた名作。背もたれとアームを兼ねたフレームと程よい弾力のシートが、絶妙な座り心地を実現します。
松屋銀座本店にファッション コーディネーターとして13年間勤務した後、「西山栄子ファッションオフィス」を設立し、 ファッション・ジャーナリストとして活躍中。ファッションブランドのコンサルタントのほか、新聞、雑誌への寄稿や著書も多数。新刊『50代からのおしゃれバイブル』(講談社)が発売中。
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- PHOTO :
- 小池 紀行(パイルドライバー)
- EDIT&WRITING :
- 小林 綾、吉川 純(Precious)
- RECONSTRUCT :
- 難波 寛彦