夏のレジャーを思う存分楽しめなくても、夏っぽい気分は味わいたい。そんなときに、ぴったりなのが、おうちバーベキュー。
まるでアウトドアでバーベキューを楽しんでいるかのような、非日常感を味わえるので、新たに挑戦する人が急増中。おうちバーベキューを本格的に行うなら、ぜひプロの技を参考にしましょう!
今回は、バーベキュー上級インストラクター、お肉検定1級といった資格を持つお肉のスペシャリスト・田中敬二さん(エバラ食品工業 コミュニケーション部)に、メニューや道具、焼き方など、おうちバーベキューを楽しむ方法を教わります。
おうちバーベキューを行う際には、煙やにおい、騒音などが迷惑にならないよう、近隣の方への配慮を忘れないように行いましょう。
一度は挑戦してみたい!「かたまり肉」の焼き方2通り
日本でバーベキューといえば、薄く切った肉や野菜を焼きながら食べるスタイルが一般的ですが、田中さんによれば、バーベキューとは本来、肉や野菜を焼いてからお皿にきれいに盛り付け、シェアしながら食べるのが基本スタイルだそうです。
また、牛や豚などのかたまり肉を、長時間かけて焼いていくのがコツ。かたまり肉は、表面に焼き目をつけてからじっくりと火を通すので、うまみや肉汁が閉じ込められ、肉本来の味わいが楽しめるといいます。
本格的にバーベキューを楽しむなら、ぜひかたまり肉にも挑戦してみたいですよね。もしおうちでバーベキューを行う場合、かたまり肉はどうやって焼くといいのでしょう?
田中さんは2通りの方法を挙げます。
■1:炭を使う場合はレイアウトに注目!
「炭の配置を工夫してください。おすすめの炭のレイアウトは『スプリットツーゾーン・ファイア』。これはグリルの両サイドに炭を置き、中央部分を空けるレイアウト。中央部分にはアルミホイルを敷くことで、油汚れや炎が上がるのを防ぎます。炭火のダイレクトな火力が伝わる両サイド(中火)、遠赤外線でじっくりと中まで火を通すことができる中央部分(弱火)が使い分けられるので便利です。
炭を使う場合は消火用のバケツと水を準備するなど、安全に配慮した道具を必ずご準備ください」
■2:屋内などガスで調理する場合は水を加えるのがコツ
「フライパンに油を熱し、強火で肉の表裏を約1分ずつ、側面を約30秒ずつ、それぞれ焼きます。弱火にして水(50cc程度)を加え、蓋をして約10分蒸し焼きにします。竹串や金串を肉に差して抜き、串を手で触って冷たくなければ、 焼きあがった証拠です。
焼きあがったら蓋をあけ、水分と脂分をキッチンペーパーなどで拭き取り、弱火のまま焼肉のたれを肉の上から加え、転がしながら約1~2分からめ焼きます。全体が香ばしくなったら取り出し、肉表面の粗熱が取れるまで約10分置いてから切り分けます」
かたまり肉を美味しく焼くポイント
1:30分前に室温に戻しておく
「お肉は焼く30分前に冷蔵庫から出して、常温に戻しておきます」
2:強火と弱火を使い分ける
「かたまり肉を焼くときに重要なのは火加減。焦がさず中心までしっかりと熱を伝えるために、強火と弱火を使い分けてください」
3:加熱しすぎない
「やわらかくジューシーに仕上げる焼き方のポイントは、お肉の中心温度が65度を超えないようにすること。加熱しすぎると、大切なうまみである肉汁が出てしまい、硬く縮んでしまうからです」
おうちバーベキューの焼く器具は近ごろはガスも人気
バーベキューに必須なのが肉や野菜を焼く器具です。おうちバーベキューではどんなものがおすすめなのでしょうか?
「バーベキューは炭を燃料としたグリルを使うイメージがあるかもしれませんが、最近では、ガスのバーベキューグリルが人気です。炭をおこす必要がなく、使用した後の片付けも楽であることや、火力調節が容易なことなどが好評の理由です。さらには、カセットコンロ&フライパンの組み合わせでもバーベキューは可能です。鉄製フライパン『スキレット』があれば、写真映えするおしゃれな仕上がりになりますよ」
庭などであれば、ガスのバーベキューグリルは便利そうです。屋内で行うなら何が良いのでしょうか?
「いつものダイニングでは、ホットプレートや普段使いの調理器具が使えますよ」
おうちでは、さらにこんな焼き方もおすすめだそう。
「バーベキューといえば、金串に刺したお肉を炭火で焼くといった光景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この金串のことを“スキュア”と呼びますが、スキュアに刺した料理は豪快な見た目も相まって、非日常感・特別感の演出にも一役買います。ぜひ試してみてださい」
バーベキューにおすすめの野菜とおすすめの焼き方
続いて、バーベキューにおすすめの野菜や焼き方、食べ方を教えていただきました。
「野菜は、その時期の旬の野菜をまるごと焼くことをおすすめしていますが、その中でも代表的な野菜をご紹介します。バーベキューグリルを使用しない場合は、魚焼きグリルやオーブントースターで代用可能です」
トウモロコシ
「グリルで皮付きのトウモロコシを焼き、全体が黒く焦げたら皮をむきます。仕上げに焼肉のたれを塗りながらこんがりと焼いて、できあがりです」
ピーマン
「ポリエチレン袋にピーマンを入れ、オリーブ油を加えて全体になじませます。袋から出して、グリルでピーマンの表面に焼き色がつくまで焼いたらできあがりです。お好みで焼肉のたれにつけてお召しあがりください」
たまねぎ
「皮が付いたまま、アルミホイルで包み、火のついた炭の中に入れます。やわらかくなったらアルミホイルを開き、皮をむいて仕上げに焼肉のたれをかけたらできあがりです」
そら豆
「グリルでそら豆を皮ごと焼き、全体が黒く焦げたら、皮をむいて仕上げに塩をふって、できあがりです」
しいたけ
「しいたけは石づきを切り、笠の内側を上にしてグリルに置きます。笠の内側に塩をふって、水分が出てくるのを待ちます。水分が出てきたらできあがり。焼くのは片面のみ。決して裏返してはいけませんよ」
おうちバーベキューにおすすめのたれは?
ところで、バーベキューといえば、バーベキューソースやたれもこだわりたいもの。田中さんにおすすめのたれを教えていただきました。
■1:豊富なバリエーションで好みの味が選べる『黄金の味』シリーズ
焼肉のたれの定番、エバラの『黄金の味』シリーズは、バーベキューでも大活躍。甘口、中辛、辛口、さわやか檸檬とお好みで選べるのもポイントです。フルーツベースで肉との相性抜群! 迷ったらまず使って間違いはないたれです。
■2:野菜をたっぷり使った「モーリョ(ブラジル風BBQソース)」
「野菜を使ったBBQソースです。シュラスコに添えるモーリョをエバラ流に『浅漬けの素』を使ってアレンジしたものです。肉にも野菜にも合いますよ」
【材料(5~6人分)】
たまねぎ…大1個
トマト…中1個
きゅうり…1本
パプリカ(黄)…1個
にんにく…1かけ
パセリ…1/2束
エバラ『浅漬けの素』…120ml
オリーブ油…60ml
【作り方】
(1)野菜は全てみじん切りにします。
(2)全ての材料をボウルに入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で約10分味をなじませて、できあがりです。
おうちバーベキューにおすすめのレシピ4選
続いては、おうちバーベキューにおすすめのレシピを、エバラの公式レシピから教えていただきました。
■1:「ピック浅漬けの盛り合わせ」
「『浅漬けの素』で作る、ピンチョス・スタイルのパーティーメニュー。お肉が焼けるまでの間に火を使わない1品メニューはいかがでしょうか。作り方は、きゅうり&ミニトマト、アボカド&エビ、大根&ハム、ミニトマト&モッツァレラの4種をそれぞれピックで刺し、『浅漬けの素』に漬けます」
■2:黄金ジャンバラヤ
「アウトドアでもおすすめのフライパンメニュー。やっぱり炭水化物も欲しいという方にいかがでしょうか?」
【材料(4人分)】
米…2合
ウインナー…6~8本
ホールコーン缶…中1缶(約120g)
ミックスビーンズ缶… 小1缶(約100g)
ツナ缶…小1缶(約80g)
ミニトマト…適量
いんげん…適量
エバラ『黄金の味』…100g
水…300ml
【作り方】
(1)米は洗ってザルにあげます。
(2)フライパンに(1)・『黄金の味』・水を入れてひと混ぜし、具材を彩りよく並べます。
(3)アルミホイルなどで蓋をして火にかけ、沸騰したら弱火にし、約15分炊きます。
(4)火を止め、蓋をしたまま約10分蒸らして、できあがりです。
■3:黄金ナチョス
「メキシコ風おつまみナチョスです。炒めてトルティーヤチップスにのせるだけ。お酒におつまみにも合いますよ」
【材料(4人分)】
合挽き肉…100g
トマト…1個
アボカド…1個
トルティーヤチップス…120g
エバラ『黄金の味』…大さじ3
サルサソース(市販)…適量
粉チーズ…適量
サラダ油…適量
【作り方】
(1)トマトとアボカドは2cm角に切ります。
(2)フライパンに油を熱し、挽き肉を炒め、(1)・『黄金の味』・サルサソースを加えて炒め合わせます。
(3)皿にトルティーヤチップスを敷き、(2)を盛り、仕上げに粉チーズをふりかけて、できあがりです。
■4:フルーツ焼き
「デザートに、リンゴやバナナなどフルーツを焼いてみるのもおすすめです」
おうちバーベキューは、ちょっとした工夫で本格的に楽しめそうです。器具や道具がなくても、フライパンさえあれば手軽にできるので、ぜひトライしてみましょう。煙やにおい、騒音などが迷惑にならないよう、近隣の方への配慮をしながら楽しく行いたいですね。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利
- EDIT :
- 安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)