宝塚歌劇団のレジェンド、大地真央と花總まりのハイレベルな演技バトルは必見!

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舞台『おかしな二人』

ブロードウェイの喜劇王、ニール・サイモンの『おかしな二人』は、1965年に初演された、彼の最高傑作のうちのひとつ。その後、映画化、ドラマ化もされるなど、長年にわたって愛され続けており、日本でもたびたび舞台上演されている作品ゆえ、タイトルを耳にされた方も多いのでは?

「超」大雑把人間と「超」神経質人間、対照的なふたりの男性が、それぞれの結婚生活の破綻をきっかけに同居を開始。でもでも、性格上、たびたび衝突を繰り返す様を、ウィットに富んだやりとりで描く抱腹絶倒コメディーなのです。

初演から40周年となる2005年には、ネイサン・レインとマシュー・ブロデリックを主演コンビに据えたブロードウェイ公演が大きな話題に。レインとブロデリックは大ヒットしたミュージカル『プロデューサーズ』でも主演コンビを務めており、ふたりの名コンビぶりが再び実現することとなりました。

また、1985年には主役のふたりを女性に設定し直したバージョンも発表されており、こちらも話題に。その女性版が、宝塚歌劇団出身のレジェンド的な存在である、大地真央&花總まりの初共演で上演されます。

月組トップスターとして大人気を博し、退団後も女優として活躍、絶妙かつ実に品のよいコメディ・センスで名高い大地が演じるのは、超大雑把な無精者オリーブ。

そんな彼女の家に転がり込んでくる超神経質で几帳面なフローレンスに扮する花總は、宝塚在団中、娘役トップとして、ミュージカル『エリザベート』の日本初演で死を夢見る神経質な皇后エリザベートを演じて大当たりをとり、退団後も同役で観客を魅了し続けています。

対照的な女性を演じて、ふたりがいったいどんな演技バトルを見せるのか、目が離せません。

今回、潤色・演出を担当するのは、宝塚歌劇団の座付き作家として活躍するかたわら、大地真央主演の明治座公演『ふるあめりかに袖はぬらさじ』や東京二期会オペラ『椿姫』なども手がける原田 諒。大地の信任も厚い彼が、宝塚出身のふたりからどんな魅力を引き出すのか、注目です。

そして、楽しみなのが、超絶スタイルのふたりが劇中で着こなすファッション。衣裳を担当するのは、所属する宝塚のみならず外部作品やサンリオピューロランドのハローキティのレビュー作品なども手がける有村 淳。

ポスターヴィジュアルからして、カラフルポップにドット&サイケ、’70年代のムードが濃厚にただよう装いのふたりはまるでファッション・ドールのよう! 期待は高まるばかりです。

Information

  • 『おかしな二人』
  • ニール・サイモンによるコメディの傑作の女性版で、ブロードウェイの初演は8か月を超えるロングランを記録。その名作を大地真央と花總まりの初共演で舞台化。若手演出家として注目される原田諒が演出を手がけることでも話題。出演はシルビア・グラブ、宮地雅子、平田敦子、山崎静代、芋洗坂係長、渡辺大輔ほか。2020年10月8日〜25日 シアタークリエ
この記事の執筆者
TEXT :
Precious編集部 
BY :
『Precious10月号』小学館、2020年
美しいものこそ贅沢。新しい時代のラグジュアリー・ファッションマガジン『Precious』の編集部アカウントです。雑誌制作の過程で見つけた美しいもの、楽しいことをご紹介します。
WRITING :
藤本真由(舞台評論家)
EDIT :
宮田典子(HATSU)、喜多容子(Precious)