ファッション賢者が、Preciousアーカイブのなかから厳選! 時代を経ても色あせない「不朽の名品」|エルメス(Hermes)のケリー

創刊以来、Precious に登場した多くの「名品」のなかから、永遠に色あせることのない「名品」とは何か、を改めて、ファッションプロのみなさんが厳選。それぞれの「名品」に対する思い入れやエピソードとともに、お届けします。

ファッションプロのだれもが認める名品。エルメスのケリー

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馬の鞍を持ち運ぶためのバッグを改良し、1935年に旅行用ハンドバッグとして登場したのが始まり。1956年、モナコ公妃となったグレース・ケリーがパパラッチのカメラを避け、妊娠中の体をこのバッグで隠した写真が『LIFE』誌の表紙を飾ったことから、『ケリー』と呼ばれるように。まだ無名だったカトリーヌ・ドヌーブが、初出演した映画のギャラで購入したのも、このバッグ。Preciousでは創刊号の名品企画から登場している。Precious2004年8月号掲載[Precious2020年8月号68ページ]

「名品特集」がスタートしたのは今から16年前の、Precious創刊号から。ファッションプロの方々に推薦していただいた「名品」候補アイテムを、スタッフが実際にお店に出向いてリサーチし、心から納得できたものだけを、「名品」として選定。

商品の歴史やつくり手の思いまでを伝えるこの特集は、当時女性ファッション誌として、画期的なものでした。 試行錯誤の結果、たどり着いたひとつの結論は、「名品」とは、観賞に値する美しさだけでなく、実用性も含めた実力を兼ね備えたアイテム、流行に左右されない不変のアイテム、ということ。

そしてその代表格、ファッションプロのだれもが認める「名品」が、エルメスの「ケリー」です。

「母から譲り受け、20年以上使っています。意外に収納力があるのでタブレットも入り、かなり酷使していますが型くずれせず、表面の傷はむしろ数々の仕事の修羅場をくぐり抜けてきた証。戦友のような存在です」(長谷川喜美さん/ファッション・ジャーナリスト)

「マイファースト『ケリー』は、25年ほど前に母から譲られたもの。以前はベーシックな着こなしに合わせていましたが、最近は、デニムやスニーカーなどカジュアルなスタイルに効かせるのがお気に入り。時代の気分にフィットした表情が楽しめるうえ、古くさい印象にならないのも魅力。おばあちゃんになってもずっと使いたい、不動の『スタメンバッグ』です」(髙橋リタさん/スタイリスト)

「私の人生の最期まで、残しておきたいただひとつのバッグ。『ケリー』が私の人生を語ってくれたらうれしい」(藤岡篤子さん/ファッション・ジャーナリスト)


「不朽の名品」で掲載した商品は、過去のPreciousで掲載した記事からの転載であるため、現在は購入できないものも含まれています。ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。

WRITING :
河西真紀
EDIT&WRITING :
兼信実加子、喜多容子(Precious)