ファッション賢者が、Preciousアーカイブのなかから厳選! 時代を経ても色あせない「不朽の名品」

創刊以来、Precious に登場した多くの「名品」のなかから、永遠に色あせることのない「名品」とは何か、を改めて、ファッションプロのみなさんが厳選。それぞれの「名品」に対する思い入れやエピソードとともに、お届けします。

「名品特集」がスタートしたのは今から16年前の、Precious創刊号から。ファッションプロの方々に推薦していただいた「名品」候補アイテムを、スタッフが実際にお店に出向いてリサーチし、心から納得できたものだけを、「名品」として選定。

商品の歴史やつくり手の思いまでを伝えるこの特集は、当時女性ファッション誌として、画期的なものでした。 試行錯誤の結果、たどり着いたひとつの結論は、「名品」とは、観賞に値する美しさだけでなく、実用性も含めた実力を兼ね備えたアイテム、流行に左右されない不変のアイテム、ということ。

毎シーズンアップデートされ続ける、美しいジャケットの代表。ディオール(DIOR)の『バー』ジャケット

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1947年にムッシュ・ディオールが考案した『バー』ジャケットは、卓越したテーラリング技術による立体的なウエストシェイプシルエットが特徴。目立つ色にも装飾にも頼らずに、エレガンスを表現した女性像は実に革命的で、「ニュールック」のキーアイテムとしても有名。その仕立てへのこだわりは、メゾンのDNAとして、今もジャケットの存在感を支えている。美しいジャケットの代表として、毎シーズンアップデートされている。 Precious2019年5月号掲載 [Precious2020年8月号69ページ]

一生使い続ける、愛し続けることができる存在こそが、時代を超越し、凛と輝き続ける、唯一無二の「名品」といえるのでしょう。

「歴代のアーティスティック・ディレクターによって受け継がれてきたディオールの『バー』ジャケットには、それぞれの時代が表現されています。

創業者のムッシュ・ディオールがつくり出した『バー』ジャケットが、当時、どれほど、アバンギャルドでパーフェクトなものだったか……。 流行を完全に超越した存在感を備えています。

これまで多くのおしゃれを楽しんできましたが、これからは、ストーリーのある"不変的な逸品"を、自分のバランスで楽しんでいきたい。これもサステナビリティの提案のひとつだと思います」(萩原輝美さん/ファッション・ディレクター) 


「不朽の名品」で掲載した商品は、過去のPreciousで掲載した記事からの転載なため、現在は買えないものも含まれています。ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。

WRITING :
河西真紀
EDIT&WRITING :
兼信実加子、喜多容子(Precious)