名品「ポセション」や極薄時計「アルティプラノ」を生み出した「ピアジェ」とは?

創業者:ジョルジュ=エドワール・ピアジェ
創業地:スイス、ラ・コート・オフェ
創業年:1874年。同年にラ・コート・オフェにムーブメント製造工房を、1959年にジュネーブ郊外のプラン・レ・ワットに宝飾工房を構え、「時計」と「宝飾」のふたつの要素を自社で一貫製造。世界最薄の機械式時計や、オーナメンタルストーン文字盤を備える初の時計を手がけた革新者。

薄型時計製造とジュエリー技巧、ふたつのクラフツマンシップが原点

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創業者ジョルジュ=エドワード・ピアジェ(最前列右から2番目)と妻のエマ(左から2番目)を囲む、ピアジェ一家のポートレート

 ■創業当時のエピソード

1874年、スイス北部の山村ラ・コート・オフェで幕を開けたピアジェの果てなき美への挑戦。若くして時計技術者に弟子入りして腕を磨いたジョルジュ=エドワール・ピアジェは、わずか19歳でピアジェ家がもつ農場に、最初の時計工房を立ち上げます。

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創業地ラ・コート・オフェに、1945年に新たに設立された時計工房。

まずはパーツづくりに始まり、その後はムーブメント製造業に着手したジョルジュ。彼は若き女性時計職人エマと出会い結婚。創業者の時計製造への情熱を喚起したのは、愛する妻エマに贈った自作の懐中時計でした。

上の家族写真でも、エマはその時計をお守りのように大切に握りしめています。創業間もないころから「常に必要以上に良いものを作る」というモットーを掲げていたジョルジュの向上心が、ピアジェをラ・コート・オフェから世界へ羽ばたかせる原動力に。

■ブランドの転機

1911年、ジョルジュの息子ティモテ・ピアジェが経営を引継ぎ、ムーブメント製造業者から高級腕時計の作り手へと会社を変革。やがて1943年になると、ピアジェ家の3世代目が「ピアジェ」をブランド名に定めます。

そして1957年、薄型機械式時計の金字塔というべきマスターピースを発表。時計界に「薄型」という革命を巻き起こしたのは、3世代目を担う兄弟のひとり、ヴァランタイン・ピアジェでした。

厚さわずか2mmの極薄手巻きキャリバー「9P」を搭載したタイムピースは、高性能と同時に優雅さを叶え、機械式時計に複雑さが尊ばれていた当時の潮流に、「薄さ」という新たな美意識を確立しました。

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1957年に誕生した伝説の極薄手巻きキャリバー「9P」(左)と、「9P」を搭載したエポックメイキングな薄型のドレスウォッチ(右)

第二の皮膚のように手首に寄り添う、驚くほど薄く、エレガントなルックス。伝説のキャリバー「9P」に続き、1960年には世界最薄の自動巻きキャリバー「12P」を生み出し、優美な薄型時計製造のノウハウは、メゾンのクラフツマンシップの礎となりました。

極薄ウォッチにこだわる一方で、宝飾技術にも情熱を傾け、1959年に金細工とジェムセッティングに特化したアトリエをジュネーブ郊外のプラン・レ・ワットに設立。ムーブメントの薄さはデザインの自由度を広げ、オーナメンタルストーン文字盤の採用や、ケースにジェムセッティングを施したドレスウォッチも可能に。時計とハイジュエリーというふたつの技術を高次元で融合させた、ほかに類を見ないメゾンの歩みがスタートしました。

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1959年、ジュネーブ郊外のプラン・レ・ワットに設立されたジュエリーアトリエ

今日でも創業の地ラ・コート・オフェでムーブメントを作り、ジュネーブの工房で比類なきジュエリーウォッチに仕立てるというヘリテージを守り続けています。

■ブランドのアイコン・定番アイテム

「ライムライト ガラ」

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1964年に制作されたアーカイブピース(左)と、2020年に復刻し進化を遂げた「ライムライト ガラ プレシャス」新作(右)

自由でグラマラスな時代の空気をまとい、時計とジュエリーをつなぐピアジェのカリスマ性が開花した1960〜70年代。当時のデザインを引用した象徴的なコレクションこそ、「ライムライト ガラ」です。左右非対称の流れるようなラグをもち、そのブレスレットにはメゾンが誇る金細工の妙技「パレス装飾」が施されました。

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精緻を極める「パレス装飾」の作業シーン

数百ものゴールドの鎖環をきつく編み上げ、その後たがねの先端でゴールドに無数の切り込みを入れ、手作業で精緻な筋模様のギョーシェ彫りを完成させる「パレス装飾」。メゾンに継承される最も大切なゴールド技巧は、光を集めると同時に、シルクのような極上の触り心地を実現します。

唯一無二の職人技の結晶である「ライムライト ガラ」は、2020年に復刻モデルの「ライムライト ガラ プレシャス」が登場。その気高きDNAは現代にも受け継がれています。

「ポセション」

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1990年のデビュー当時の「ポセション」の広告ビジュアル(左)と、2019年に発売された「ポセション」リング(右)

ピアジェのジュエラーとしての「顔」を代表するのが、中央のリングが自由に回転する「ポセション」。1990年にイエローゴールド製のリングとしてデビューを飾って以来、今年で30周年のアニバーサリーイヤーを迎えました。遊び心あふれる回転リングからポジティブなエネルギーが生まれ、ジュエリーの粋を超えて女性たちの親密なパートナーであり続けます。

「アルティプラノ」

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究極のエレガンスを体現する「アルティプラノ」コレクション

ピアジェの代名詞というべき極薄時計の真髄「アルティプラノ」。「どのスターも、ピアジェの薄型時計を1本は所有している」──そうささやかれた、1957年に誕生した伝説の機械式ウォッチこそ、「アルティプラノ」のルーツです。シンプリシティを湛えたエレガントな佇まいで、時代を超えて時計愛好家やセレブリティたちを魅了。今日までに200種類以上のモデルが創造されています。

■ブランドを愛用するセレブリティとエピソード

1960年代中頃より、人生を謳歌し喜びを共有するライフスタイルに寄り添ってきたピアジェ。メゾンは、尊敬する人々や、ピアジェを賛美する人々と真摯な友好関係を結んでいき、「ピアジェ ソサエティ」と呼ばれる交流の場を盛んに開催。サルバドール・ダリ、ジャクリーン・ケネディ、アンディ・ウォーホル、ケーリー・グランドなど、錚々たるセレブリティやアーティストたちが「ピアジェ ソサエティ」のパーティを華やかに彩りました。

宝石コレクターとしても名高い銀幕の大女優エリザベス・テイラーもまた、「ピアジェ ソサエティ」に名を連ねた世界的スターのひとり。1971年のある冬の日、ピアジェ家4世代目のイヴ・ピアジェのもとにリズの秘書から連絡が入り、イヴはスイスの高級リゾート地グシュタードへ急行。鋭い審美眼の持ち主であったリズが、いくつものクリエイションの中から即決したのが、翡翠文字盤とゴールドのリングが絡み合うカフウォッチでした。

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エリザベス・テイラー(右)と、彼女がかつて所有した翡翠文字盤のカフウォッチ 写真右: REX/アフロ

大統領夫人の枠を超え、稀代のファッションアイコンとして世界中を熱狂させたジャクリーン・ケネディ。ピアジェのジュエリーウォッチも、レディルックを極めた「ジャッキースタイル」のキーアイテムとして、彼女の人生において格別のオーラを放ちました。

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ジャクリーン・ケネディ(右)と、彼女が生前所有していた、1965年製の通称「ジャッキー・ウォッチ」 写真右:Everett Collection/アフロ

通称「ジャッキー・ウォッチ」。ニュアンスある翡翠文字盤の横オーバルケースに、「パレス装飾」を駆使したブレスレット。おしゃれの天才、ジャッキーが愛した1960年代の傑作は、時を超えて現代に復刻し、今なおアップデートを遂げています。

■現在のCEOとブランドの新たな取り組み

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現 ピアジェ インターナショナル CEOのシャビー・ノウリ

現在のピアジェを率いるのは、2017年にメゾン初の女性インターナショナル CEOに就任したシャビー・ノウリ。ハイエンドなジュエリーとウォッチのふたつの顔をもつユニークなアイデンティティを尊重しながら、ブランドイメージの世界共通化を図っています。

また、現代のスタイルにマッチするメゾンの新しいポジショニングの確立にも取り組み、2020年5月には「現代を生きる女性」に焦点を当てた新キャンペーン、“Extraordinary Women”を実施。

ブランドアンバサダーのジェシカ・チャスティン、オリヴィア・パレルモを含め、世界各国のアーティスト、女優、慈善活動家など10人の才気あふれる女性たちにフォーカス。ピアジェの世界観を体現するミューズたちが「ライムライト ガラ」ウォッチをまとい、現代女性をエンパワーするメッセージを発信しました。

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2020年の新キャンペーン“Extraordinary Piaget”の広告ビジュアル

シャビー・ノウリインターナショナル CEOの指揮のもと、自ら運命を切り開く女性たちをいっそう輝かせる、ピアジェの新時代が幕を開けています。名門メゾン、ピアジェの類い稀な創造性は、いつの時代も意志ある女性たちとともにあります。

PIAGET(ピアジェ)の問い合わせ先

PIAGET(ピアジェ)の公式サイト

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EDIT&WRITING :
愛甲悦子