銀座・梅林のヒレカツサンド
「明日世界が滅亡するとしたら、何を食べる?」って質問、昔よくしました。バブルのころに流行ってて(笑)。僕の場合、必ず「『梅林』のヒレカツサンド」と答えていました。その答えは今もまったく変わりません。だから人に渡すときは、「滅亡する前の日なら必ず食べるカツサンドです」と言って渡します。
「梅林」は小学生のころから、銀座のお出かけで連れて行かれた店です。当時から、親のおみやも「梅林」のカツサンド。そんな縁もあって、とても思い入れがあるんです。
ちなみに…ちゃんと銀座にある本店に行って、つくってもらったほうが美味しいんです。これは僕の個人的感想ですが、やっぱり人に贈るときは汗をかかなくっちゃね。お店に行って注文して、お茶をもらって10分くらい待つ。店の様子を眺めながら。これがまた楽しいのです。
もちろん温かいうちに食べるのもいいけれど、一晩置いて、翌朝ソースがパンに染みこんだものも、また美味しい。くれぐれも冷蔵庫には入れないように。
ソースがしみこんだ翌日も美味しく食べられるよう、パンにもこだわりが。「実はこのカツサンド用に、パンのエイジングをしているんです」(店長・小森恒夫さん)
この店は包装紙もかわいいんですよ。豚の娘さんが三味線を弾いているイラストなのですが、“珍豚美人”がキャッチフレーズ。これで“ちんとんしゃん”と読ませます。三味線の音色でもあり、美人を江戸弁で“しゃん”と言いますからね。
問い合わせ先
- 銀座梅林本店 TEL:03-3571-0350
- 住所/東京都中央区銀座7-8-1
営業時間/11:30~20:45(L.0.) 無休
- TEXT :
- 西田善太さん BRUTUS編集長
- クレジット :
- 撮影/横田紋子(小学館写真室) 構成/渋谷香菜子