ガーリーカルチャーの旗手と言われた映画監督のソフィア・コッポラも、今年50歳に。3年ぶりに監督・脚本を手掛けた新作映画『オン・ザ・ロック』では、成熟した女性を描いて、大人の女性たちの共感を誘っています。

ファッションアイコンとしても輝き続け、「ディオール」 「カルティエ」「シャネル」など、多くのハイブランドのキャンペーン広告を手がけたり、「ルイ・ヴィトン」ではコラボバッグも発表したり、ファッションスナップでも常連!

幼い頃から本物のおしゃれを間近で見て育ち、磨き抜かれたセンスは抜群ですが、着こなしはあくまでベーシックで、控えめ。TPOをわきまえて働く女性としての自覚が感じられるもの。Preciousキャリアのお手本になりそうなリアルコーディネートをご紹介しましょう。

■1:最愛の“シャネル”をニットやデニムでさりげなく!

セレブ_1,大人コーデ_1
ソフィア・コッポラ ©︎ Getty Images

“シャネル”のコレクション会場へ。フロントローを飾る日でさえ気負いなく、ニットやデニムスタイルで臨む「さりげなさ」が素敵!

15歳のころから夏休みになるとパリの“シャネル”でインターンをしていたソフィアにとって、“シャネル”は最愛のブランド。ショーのフロントローでも常連の招待客として注目される存在です。

左はケーブルニットとマリン風パンツに、ニットジャケットをさりげなく肩がけ。ボタンやバッグチェーンのメタリックな輝きをアクセントに、色はベーシックカラーで統一。手元には“シャネル”のバングルをガッツリ重ねて、愛用の“カルティエ”パンテールウォッチも欠かせません。まさに大人のデイリーなおしゃれの見本です。

右はアイコニックなツイードジャケットを、履き慣れたデニムでカジュアルダウン。ふだんジャケット姿はあまり多く見られませんが、“シャネル”のジャケットは別格のよう。しかも自分らしく、心地よく着くずすのがソフィア流です。

頑張りすぎない無造作なヘアスタイルも洗練の決め手。手入れが行き届いているからこそのナチュラルさで、清潔感のある仕上がりに。

派手さを競い合うセレブリティの中で、ソフィアは季節の新作をまといながらも、至ってベーシックに、さりげなく着こなして、洗練に差をつけるのは見事!

ソフィア自身も「快適であること。どんな服も着せられている感じにならないことが大切」と語っています。

■2:スティックパンツですっきり端正に

セレブ_2,大人コーデ_2
ほっそりとした黒のスティックパンツに、抜け感のあるシューズが定番!

撮影以外で公の場に出るとき、ソフィアの定番きれいめボトムといえば、すっきりとしたツヤ黒の「スティックパンツ」×抜け感のある「ストラップシューズ」や「ポインテッドのバレリーナ」。

ここさえ決めて、あとはトップスで変幻自在にコーディネート。そんな賢いコーディネート術は、忙しい大人の女性たちでも、すぐにでも真似できそう!

たとえば左。授賞式や講演会などでは、女らしく上品なブラウスで、清潔感のある知的な仕上がりに。足元には抜け感を誘う華奢なストラップサンダルを多用しています。また、ここでも『パンテール』のブレスレットウォッチが活躍。シンプルでシーンを選ばないので、圧倒的に出番が多いようです。

同じく黒のスティックパンツでも、右のようにコレクション会場では一枚で華やぐトップスで、モードなインパクトを加味して。こなれたフラットパンプスもポインテッドトウを選ぶあたりがエレガントです。

■3:ボーダーはアイコニックに着こなす

セレブ_3,大人コーデ_3
ボーダートップスもお気に入り。状況に応じて象徴的な大人のマリンスタイルに。

ボーダーやドットといった誰にもなじみ深いモチーフは、意識的にコーディネートしないと、野暮ったくなりがち。クラシックをこよなく愛するソフィアは、こうしたアイテムをあえてアイコニックに着こなすことで、その魅力を引き出すのが得意です。

左はコレクション会場で。モードなパリの街で映えるボーダーは、部分的な柄あしらいや五分丈の袖など、デザインにひとワザあるものが理想。パンツもデニム地に端正な側章付きで、一見シンプルながら、最旬のときめきを放って。足元は大好きなストラップパンプス。

右は娘のロミーとともに、友人でもある“マーク・ジェイコブス”のショーへ向かう、普段着そのもののカジュアルなショット。ボーダーニットはPコートに合わせて本格的なマリンスタイルに。そしてロールアップしたデニムからしっかりと覗かせたブーツとバッグで、ボルドーを差し色に。

■4:お仕事ワンピースはシンプルなネイビー

セレブ_4,大人コーデ_4
7月のパリ。ネイビーのシンプルなツイードワンピースをまとい、赤いバッグをポイントに。

ベーシックカラーの着用率が高いソフィですが、このシンプルな“シャネル”のツイードワンピースも清潔感あふれるネイビー。パーティではブラックドレスを愛用していますが、デイリーなワンピースには軽快なネイビーを選択。上質なツイード地なので素材の質感が際立って、ダークカラーでも華やかです。

アクセントカラーに添えた“シャネル”のキルティングバッグも、お気に入りのひとつ。普段はラフにスニーカーに合わせて日常使いしているとか。

きちんと感を備えたネイビーのツイードワンピースは、私たちのお仕事ワンピースとしても最適。ここでもやはり手首には“カルティエ”のパンテールウォッチが!

ソフィア・コッポラが監督・脚本を手がける新作映画『オン・ザ・ロック』は現在、Apple TV+にて配信中!

 自分自身を投影したと言われる主人公ローラのファッションには、ボーターニットからジュエリー、エコバッグに至るまで、ソフィアが日常的に愛用するカジュアルな服や小物がたくさん登場しています。ロケ場所となった洗練されたレストランやバーも彼女お気に入りのスポット。宝探しをするような感覚で、気軽にチェックしてみては?

ソフィア・コッポラ監督の最新作『オン・ザ・ロック』

映画『オン・ザ・ロック』トレーラーはこちらから

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
藤田由美