時空を超えて愛され続ける、ミッドセンチュリーの名作チェア
家時間が増え、インテリアへの関心が高まる今。最新『Precious』4月号では、「ピエール・ジャンヌレ、その名作椅子を知っていますか?」と題した特集を展開中です。特集内では、ジャンヌレ作品に加え、さらに今、暮らしに取り入れたい名作椅子を厳選して紹介しています。
本記事では、そのなかでも編集スタッフが改めてその魅力を実感した「イームズシェルサイドチェア」に注目。『Precious』4月号ではやわらかなグリーンが美しいファイバーグラス素材の一脚を紹介していますが、ここでは「イームズシェルサイドチェア」の生まれた背景とその魅力を改めて紐解いてみます。
ミッドセンチュリーの傑作といわれる、「イームズシェルサイドチェア」。モダンで美しいプラスチックの椅子は、70年以上のもの間、世界の多くの空港や美術館、レストラン、そして多くの家庭で使われています。数多くの名作椅子がありますが、これほどまでに時を超え、国を超え、用途を超えて愛され続けている椅子はなかなかないでしょう。
背座一体のすっきりとしたフォルムが美しい椅子は、座ってみると、ますます好きになります。背もたれ部分には適度な柔軟性があり、座面にはくぼみがあって座るとヒップが収まる感じ。シート手前のフロントラインが緩やかに下を向いているのも、体が安定するポイント。想像以上に座り心地がいいのです。
ちなみに身長155㎝の小柄なエディターAがゆったり腰をかけると、踵が少し浮く感じ。大柄な人にもフィットしそうです。
デザイナー、チャールズ&レイ・イームズ夫妻とは?
チャールズ・イームズは、1907年アメリカ・ミズーリ州生まれ。ワシントン大学で建築を学んだ後、建築や家具のデザインを開始。1941年にレイと結婚しました。
イームズ夫妻の家具デザイナーとしての目標は「最大多数の人びとに、最高のものを、最低価格で届けること」。そんな思いを胸に1948年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が主催した「ローコスト家具デザイン国際コンペ」のためにデザインされ、1950年にハーマンミラーによって製品化されたのが、この「イームズシェルサイドチェア」でした。
当時最先端のプラスチック成型技術によって、大量生産が可能となった初めてのプラスチック製の椅子「イームズシェルサイドチェア」。美しく、快適で、移動も手入れも簡単な、まさに現代生活のニーズを満たす椅子は、それ以来ずっと世界で愛され続けています。
ダイニング、リビング、仕事スペース…どこにも映える、美しい椅子
多様性を意識してつくられた椅子だけに、シーンを選ばず、ダイニングにもリビングにも仕事スペースにもフィット。この椅子を置くことで、空間が一気に洗練されそうです。
バリエーション豊富だから、理想の一脚に出合える予感
代表的な脚のデザインは、パリのエッフェル塔を思わせるワイヤーベース、ワイヤー×ウッド、シンプルな4本脚など4タイプ。座面のカラーも豊富。素材は、環境に配慮して、リサイクル可能なポリプロピレンやファイバーグラス(発売当時のものは再資源化できないものだったが、現在は環境に優しく進化)が。
以上、ミッドセンチュリーを代表する「イームズシェルサイドチェア」の魅力を紹介しました。
大好きな椅子を一脚加えるだけで、自宅の居心地は格段によくなります。大好きなものに囲まれて心地よく過ごす暮らしを、名作椅子から始めてみませんか?
※掲載商品はすべて税抜です。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 川村有布子