意外性を感じさせるマテリアルと伝統的な職人技術との組み合わせにより、コンテンポラリーな作品を発信するジャパンメイドのジュエリーブランド「SIRI SIRI(シリシリ)」。さり気ないモード感と日本のエッセンスが感じられるクリエイションは、全て国内の伝統技術を持った職人の手で一点一点仕上げられています。
そのSIRI SIRIが、このたび2021年新作コレクション「HOTOLI」を発表。こちらはデザイナーである岡本菜穂さんが暮らす、スイスに流れるアーレ川にインスピレーションを得て生まれました。
夏の光を受けて透明に輝く宝石のような川。その畔でゆっくりと流れる人々の生活や美しい自然の情景、そして季節とともに移り変わる表情がガラスのジュエリーで表現されています。水の色や輝きを湛えたアイテムは、日に日に明るさを増す日差しと相性抜群。春夏のファッションに気品溢れる優しい光を添えてくれます。
「SIRI SIRI」デザイナー、岡本さんがおすすめ!新作アイテム5選
Precious.jpは独自に、新作の発表にあわせ帰国された岡本さんに赤坂直営店でインタビュー。このたびのコレクションについて、岡本さんのおすすめとその特徴をうかがいました。
■1:指元に水面のような透明感を授ける「ホトリ リング オーバル バブル」
これからの季節にぴったりな涼しげなリング。肌あたりもまろやかで、汗ばむ日も心地よく着用できます。また、アルコールに強い素材なので除菌ジェルも大丈夫なのが嬉しいポイント。
「クラシックな形のリングです。泡が入って、有機的な素材感に、シャープなラインをプラスすることでモダンに仕上げています。泡は昇ってきてしまうので、表面を滑らかに仕上げるのが難しいのですが、これば神業のような繊細な技術で実現しているデザイン。気泡の方向で水の流れが感じていただけるかと思います。オールホワイトのスタイリングや、逆に黒のコーディネートにアクセントとしてつけるのがおすすめです」(岡本さん)
■2:初のブルーのガラスを使用!「ホトリ リング オーバル バブル」
流れる様な曲線が指を包み込むようなリング。印象的な大ぶりの楕円形のフォルムが、指をすっきり見せフィット感も与えます。軽やかに着用できるので、逆に秋冬にダークカラーのニットと合わせてコントラストを楽しんでも。
「同系色のブルーの服に合わせるのも素敵ですし、カラフルなお洋服に合わせるのもおすすめ。世間的にもコロナ禍で暗い雰囲気だったこともあり、楽しいものが作りたくて、カラーの作品にしました」(岡本さん)
■3:涼しげな音も楽しめる!「ホトリ ネックレス フレーク」
短く調整してチョーカーや、長めに垂らしてV状にしたり、様々な表情が楽しめるネックレス。ざらりとしたガラスのテクスチャーは川の縁に水しぶきが上がっている様子を表現しています。
「長さが調整可能な紐はブルーグレー。端についたタッセルが後ろ姿のアクセントになります」(岡本さん)
美しいラインを描く、鎖骨にのる長さに調整するのもおすすめ。
■4:シンプルアレンジに洗練を添える「ホトリ ヘアタイ ドーム バブル」
ドーム型のシンプルなフォルムの瑞々しいガラスの表情が、光によって変化するのが特徴のヘアゴム。リュクスなブランドが扱うアイテムとしては意外な印象ですが、実はファンが多いのだそう。
「下の方で一つにまとめたり、上でまとめたお団子ヘアに飾っても。バングルにするのもおすすめ」(岡本さん)
なかなか気に入るものを見つけるのが難しい和装にも、合わせやすいデザインです。
■5:アーレ川の深いブルーをヘアに「ホトリ ヘアタイ ドーム ブルー」
非常に強いガラスのパーツも、万が一割れてしまったら修理可能。深いブルーがアクセントとなり、モノトーンカラーや黒にあわせてるとモードな装いになります。
「同じように髪をまとめても、美しいブルーで異なった雰囲気に。アーレ川の夜の色合いをイメージしたカラーで、マットに加工して深度を感じられるようにしています。ゴムは汚れてしまったら交換も可能なんですよ」(岡本さん)
リングは、職人が一つ一つ手作業で加工しているため、装着した時のサイズ感など、最適なものを正しく選ぶために、実際に店舗で試着するのがおすすめだそうです。
アーレ川はベルンの人々の人生!デザイナー、岡本さんへインタビュー
今年1月にスイス・ベルンの美術大学で修士号を取得したばかりの「SIRI SIRI」デザイナー、岡本菜穂さん。新作コレクションの発表のため帰国した彼女に、インスピレーション源になったアーレ川やベルンでの生活、本作の詳細などについてうかがいました。
「実は2月に帰国しており2週間隔離生活をしました。スイスはロックダウンもありましたし、レストランや美術館はずっと閉まっていました。しかし土地が広いし、テラス席がもともと人気なので、密になるようなことはなく、東京に帰ってきて、人との距離の近さにちょっと驚いています」
「2年半です。今回のテーマになったアーレ川はベルンの一つの象徴であり、水質のいいスイスの川の中でも特に綺麗。地元の人は日本の温泉のような感覚で、気温が上がると川で水浴びをするんですよ。ランチタイムや仕事帰り、パッと服を脱いで川に入る…、といった感じ。飲めるくらいの水質で、海水と違ってベトベトしないので、夏はサッと汗を流す、みたいな感覚です」
「脱いだ服を入れたバッグを浮き輪がわりにして、泳いでいる人も多いです。私はそれだけだと心配なので(笑)ライフジャケットのようなものも着けます。そんな生活に密着している川からインスピレーションを得た作品なので、新作タイトルの『HOTOLI』も川の『畔』からつけました」
「ベルンを初めて訪れたときに魅了され、表現せずにはいられない美しさを持っています。川の水自体もそうですし、川を中心とした生活も美しい。スイスの人は働き者ですが、夏場になると川で偶然会った友達と、川の周りでアペロ(ディナーの前にワインやコーヒーを楽しむ)したり。ゆったりと優雅な生活をしています。そんな川を中心に流れる時間も表現したくて。
アーレ川を最初にみたのは春でしたが、本当に美しくて夢中になりました。大学院のこともありますが、この川もベルンに住んでいる大きな理由の一つです」
「6月ですね。ベルンは熊という意味で、実際に大きな公園で熊を2匹飼っています。この公園に渡る橋があるのですが、そこから川を眺めたときに、エメラルドグリーンに見えて。その印象が強いです」
「私は西洋的な家庭で育ち、実は和の要素と距離があったんです。それなので外国人のような目線で客観的に和文化を捉えており、積極的に和を取り入れている、という感覚はないのですが、作品は日本の職人さんの手で仕上げられているので、日本らしさがあるのかもしれません。
唯一日本的な点といえば、スタイルを決めつけずあらゆるシーンやどんな人にもあう汎用性を持った、隙間を持たせたデザインであるということです。最終的に身につけた人が作品のエレメントになるように、その人と調和するように創り上げています。
それから、例えば気泡の入った指輪なんですが、これには高い技術力が必要です。複数の職人さんにサンプルを作成していただき、一番得意だな、と思う人に制作を依頼しています。そんなこだわりも日本的かもしれません」
「実は雅子さまについては、ご愛用されていることをあとから知り、残念ながら直接のエピソードはないんです。ただ、キャロライン・ケネディ元駐日大使には、イベントに出展した際に気に入っていただき、その後も数回ご来店いただきました」
「印象的だったのは、オバマ元大統領が来日され、お寿司屋さんへ行かれた際に、同行されたケネディ元大使がチェーンのネックレスを着用されていたこと。その他、政治家の奥様たちや、要人の方たちにもご愛用していただいているようですよ」
以上、SIRI SIRIの新作と、デザイナー・岡本さんのインタビューをご紹介しました。
スイスで得たインスピレーションと日本の意匠の見事な融合。必ず「それどこの?」と聞かれる、さりげなく個性的なカンバーセーションピースは自分へのご褒美のほか、外国の人へ、スペシャルなジャパンメイドのギフトとしてもおすすめです。
※掲載された商品はすべて税抜です。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 神田朝子