一世紀もの間、世界で最も有名な香水であり続ける「シャネル N°5」。

『Precious』5月号では、ビューティ・ディレクター 松澤章子さんが、シャネル専属調香師 オリヴィエ ポルジュ氏、「N°5」の新ミューズである女優 マリオン コティヤールの話から、「シャネル N°5」が世界中で愛され続けている理由と秘密について迫ります。

アイコニックなボトルに宿る、軽やかなエレガンス「シャネル N°5」

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『N°5』はどんな時代においても新しく、きらめくようなオーラを放つ

「だれもがその名を知る香り『N°5』が誕生から101年目を迎えます。ガブリエル シャネルが創った香りはまるで彼女の分身であり、彼女が確立したスタイルそのものでした。

豊かな発想を基に、希少な香料を贅沢に用い、ドレスのように複雑で繊細に仕立てられた『N°5』。

それはまさに『香りのスタイル』。いつの時代にも新鮮でみずみずしい輝きを放ち、何年経っても尽きることのない魅力とサプライズに溢れています。

『ファッションは移り変わるが、スタイルは永遠』とガブリエルが語ったように、『N°5』もまた永遠の命を吹き込まれたのです。あらゆる時代のあらゆる女性が、自由に自分自身を生きるための香り。

今も未来も、私たちがこの香りを愛すべき理由はそこにあります」(松澤章子さん)

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香水『シャネルN°5』7.5ml ¥16,500・15ml ¥26,400・30ml ¥41,800(シャネル)

永遠のモダンと讃えられるフローラル・アルデヒドのノートは、いつの時代にあっても軽やかなエレガンスを感じさせる、ファッションに最も近い存在。

究極にシンプルなボトルにリュクスを添えるのはエッジをカットした八角形のキャップ。完璧なバランスは感動を呼ぶ美しさ。

「シャネル」の専属調香師が語る『N°5』はなぜ永遠の命を得たのか

「『N°5』は女性クチュリエが手掛けた香りの第一号であり、ガブリエル シャネルがファッションを創る感覚でクリエイトした画期的なフレグランスでした。それ以前の香りの常識を覆し、それ以降の香りのつくり方まで変えてしまったという意味でも特別な存在です」

なぜこの香りが時を超えて輝き続けるのか。「シャネル」の専属調香師を務めるオリヴィエ ポルジュ氏がその秘密を語ります。

オリヴィエ ポルジュ
シャネル専属調香師
前任の専属調香師である父ジャック ポルジュ氏からクリエーションを引き継ぐ。「N°5」に新たな解釈を加えた「N°5 ロー」を始めとした数々の香りを生み出し、香りの新時代を牽引。PHOTO:(c)CHANEL

抽象的な香りだから、自由に着こなせる

「初代調香師のエルネスト ボーに、ガブリエルは『女性を感じさせる香りをつくってほしい』と伝えました。しかも『その香りは複雑で緻密に設計されなくてはなりません。特定の花が香り立つような自然を模倣した香りではなく、人の手によって意図的に組み立てられた香りでなければ』と」

ジャスミンやバラ、イランイランなど80種類以上に及ぶ花のエッセンスを使用。そのフローラルを、軽やかに際立たせるために用いられたのが合成香料、アルデヒドでした。

「これを大胆に用いたことで、香りは軽やかで洗練された印象へと昇華しました。それはガブリエルの確立したスタイルそのものであり、『N°5』が『香りのスタイル』として永遠の生命を得た瞬間だったのです」

かくして誕生した香り、その移ろいやすくデリケートなクオリティが100年もの間変わらず保たれていることも奇跡のひとつ。

「『N°5』はシャネルその人自身であり、彼女が創り上げた永遠のスタイル。だれもが自分自身であるために、まとうべき香りです」——シャネル専属調香師 オリヴィエ ポルジュ

「それはシャネルだからこそ可能だったのです。私たちはよく“花からボトルまで”と例えますが、グラースの契約農家で花を栽培することから始まり、ボトルの作成に至るまですべての工程を自社で管理。

そして歴代の調香師たちが香りの完成度を絶えずチェックし、品質を完璧にコントロールし続けていることが『N°5』のみずみずしい生命をつないできたのです」

複雑で抽象的。ガブリエルの独創的なアイディアが盛り込まれた香りは、何年かけても解き明かすことができない暗号のようにミステリアス。

「まさに、それこそが彼女の狙いでした。抽象的で謎めいているから、だれもが自分の感性で自由にこの香りにアプローチできるのです」

1930年代、ガブリエルは自らが広告モデルとなって香りの魅力を世界に拡散しました。そして2020年。「N°5」のCFで夢を現実に変えるパワーをもった女性を演じたマリオン コティヤールも「『N°5』はあらゆる女性にとって唯一無二の香りになる」と語っています。

なぜなら「『N°5』はその人のアイデンティティを表すシグネチャーだから」とオリヴィエさん。

「だれかのために、というのも香りをつける目的のひとつ。しかし他者との関わり方が大きく変わった現在、むしろ自分が心地よくあるために、自分のウェルネスのために香りを使うという方向にシフトしているように感じます。

だれもが自由に開放的に、自分自身を生きるための香りは今、私たちにガブリエルから届いた贈り物に違いありません」

「『N°5』は香水以上のもの。芸術作品です。香りの構成は謎に満ちていて、ボトルはモダニズム絵画のよう。『N°5』は今では香りの正統と見られていますが、その独創性は変わりません」——マリオン コティヤール

マリオン コティヤール
女優
『N°5』の新ミューズ。2008年にアカデミー賞主演女優賞を受賞。世界の誰もが認める実力派であり、今最も輝いているフランス女優、マリオン コティヤール。2020年からシャネルのブランド アンバサダーとして「N°5」の広告に登場している。男性優位な時代に香りで革命を起こしたガブリエルをリスペクト。「N°5」の魅力とは「それをまとう人にとって唯一無二の香りとなる」こと。
PHOTO:(c)CHANEL

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※掲載した商品の価格は、すべて税込です。

問い合わせ先

シャネル(カスタマーケア)

TEL:0120-525-519

PHOTO :
戸田嘉昭(パイルドライバー)
WRITING :
松澤章子(ビューティ・ディレクター)
EDIT&WRITING :
五十嵐享子(Precious)