愛するペットと暮らすのに大切なのは、動物も人間も快適に共存できる環境をつくること。
トレンダーズ株式会社に勤務する柴田 藍さんは、3年前に購入したマンションにトイプードルの凛ちゃんと暮らしています。マンションの間取りは広めの1LDK。寝室と、2部屋をリフォームでつないだリビングは、広々として解放感があります。
愛犬と暮らすことで仕事のスタイルも変わった!
会社の成長とともに走り続けた10年間
新卒で、食品小売業の大手企業に入社した柴田さん。もっと自分の可能性を広げたくなり転職を意識し始めました。さまざまなベンチャー企業の交流会などに顔を出すも、当時のベンチャー業界は男性が圧倒的多数。女性が活躍する会社で働きたいと考えていたところに出会ったのが、当時、創業したばかりのトレンダーズでした。
そこから2年たち、2004年。ついに新卒から5年間働いた会社を辞めてトレンダーズに入社した柴田さん。今や90名弱の社員を抱えるトレンダーズですが、当時のスタッフは数名。初めて経験することも多く、仕事が楽しくて仕方なかった柴田さんですが、気がつくと、会社組織の成長とともに10年間走っていたといいます。トレンダーズは2012年、見事に東証マザーズに上場を果たし、柴田さんは、まさに会社を大きくした立役者のひとりとなりました。
働き方の見直しを会社に相談
そんな柴田さんが生活を見直すきっかけになったのが、2年前のこと。健康診断の再検査で腫瘍が見つかり、1週間の入院を経験しました。腫瘍は陰性だったものの、改めて自分の身体と向き合うようになり、身体をつくる基本は「食」であることを実感した柴田さん。食に関する勉強も始め、ストイックになりすぎない程度にバランスの良い生活を心がけるようになりました。
「トレンダーズは社内の風通しがよく、個々のキャリアに合わせて働きやすいんです」と柴田さん。それまで、柴田さんはPRの営業を経て、クリエイティブ部門のマネジメントも経験。大変ではありながらも仕事が面白く、走り続けるように過ごしてきた生活を変えたいと思うようになり、会社へミッション変更とともに働き方を相談しました。
その結果、エグゼクティブエキスパートという役職に就任。マネジメントラインとは別の、個人に課せられたパフォーマンスを求められる専門職ラインです。そして新たにリモート勤務制度を利用することにしました。リモート勤務とは、近ごろ採用する企業が増えている制度で、オフィスに通勤せず自宅や外で仕事をすることができる働き方のこと。これから、外部とも仕事をしたい、会社にいる以外の働き方をしてみたいと考えていた柴田さんにとって、働き方を変えるための大きな転換でした。
「でもやっぱり、一緒に仕事するスタッフとは、直接話したほうが話が早いことも多く、結局ずっと会社にいちゃうんです」と柴田さん。リモート勤務にうまく慣れていくことに役立ったのが、凛ちゃんの存在。
「ずっと自分のためだけに時間を使ってきたので、自分以外のものに時間をつくることをしたいと思って凛を飼い始めました。早く帰らなきゃという気持ちが生まれて、時間の使い方も変わり、今はアポや会議がない限りは、毎週水曜日はなるべく自宅で仕事をする日と決めています」。
凛ちゃんの存在が、優先順位をつける後押しに
当初はマンションの床は絨毯だったが、凛ちゃんが粗相することもあるので、洗ったり変えやすいラグマットに変更。そして噛まれそうな場所は、自分でタイルを貼り付けてプチリフォーム。
柴田さんはもともとインテリアにはそこまでこだわりがなく、白を基調としたシンプルな部屋が好み。この部屋を購入するにあたり、風水を見てもらい、リビングに置いた丸テーブルなど、そのアドバイスに従ったことも多いとか。トイプードルの利点はあまり毛が抜けないことで、家じゅう毛だらけになることもなく、快適に暮らしているそう。
凛ちゃんが家に来てから、自分のやりたいことに優先順位がつけられるようになり、気持ちが楽になった、と柴田さん。もう1匹犬を飼うことも検討中だとか。
仕事にやりがいを感じている人ほど、自分の意思だけで生活を変えるのは難しいもの。これからどういう働き方をしたいのか、どういう仕事がしたいのか、40代以降のキャリア形成について考える余裕のある生活づくりにも、凛ちゃんは欠かせない存在ですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 安念美和子