トップジュエラーのプライドが薫る圧巻のタイムピース
ジュエリー&時計ジャーナリストの本間恵子さんが、2021年の新作ウォッチからおすすめアイテムをご紹介。今回は、本間さんが「今こそ明るい気持ちになれるこんなウォッチを!」と推薦してくれた、カラフルなデザインの2本をお届けします。
「虹の七色のカラーストーンでなめらかなグラデーションを描くことは、宝石への強いこだわりがないとできません。改めて、名門の実力を感じました」(本間さん)
昨年来、時計のベゼルなどに美しいレインボーカラーを施すメゾンが登場し始めました。今年の新作発表で目を惹いたのは、惚れ惚れとするような虹色グラデーションが配されたシャネルとピアジェです。
「レインボーカラーは多様性や寛容さのシンボル。ランウェイでもたびたび登場しているのを目にしたことがあるはずです。ウォッチシーンでもレインボーカラーはビッグトレンドのひとつになっています。ポイントはいかに鮮やかな七色を描き出せるか、なのです」(本間さん)
虹色に見えますが、シャネルの「J12 エレクトロ ドリーム」はエレクトロカルチャーのグラフィックコードを取り入れた結果、アーティスティックで美しいカラーグラデーションを描く仕上がりになっているそう。世界限定55本です。
ピアジェの「ライムライト ガラ」は、ケースからラグへと続く、流れるようなラインにレインボーカラーの貴石があしらわれています。
■シャネル|すべてサファイアで仕上げた見事なマルチカラー
バケットカットが施されたサファイアを、ベゼルには46個、文字盤には12個使用している「J12 エレクトロ ドリーム」。ベゼルと文字盤をよく見ると、セットされた石は、それぞれやや細長い台形になっているのがわかります。
これほど細やかなカッティングがサファイアに施され、しかも46色ものカラーグラデーションに! この発色がホワイトセラミックにコントラストよく映え、シャネルファンならずとも、心をわしづかみされます。
「サファイアにはブルーだけでなく多彩なカラーバリエがあるのですが、それにしてもここまで色と質を綺麗に揃えて、しかも55本も作るなんて本当にすごい。どれだけたくさんのサファイアのなかからこのコレクション用に選び出したのか、気が遠くなりそうです」(本間さん)
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■ピアジェ|ハイジュエリーの域へ達したタイムピース
「ぱっと目を引くヴィヴィッドな色彩。流れるようなラインが動きを感じさせます」と本間さんが語るように、ケースとラグへ続くレインボーカラーの貴石が、色だけでなくサイズも絶妙なグラデーションを描くデザイン。
ピアジェのジェロモジスト(宝石学のスペシャリスト)が、時計の設計に合うストーンを探し、ジェムセッターが「セルティ・デソンデュ」と呼ばれる技法を使い、カラーとサイズが移り変わるようにセットします。
「時計というよりは、もはやハイジュエリー。サファイアと、ツァボライトと呼ばれるグリーンガーネットとで虹色を表現しています。セルティ・デソンデュ技法を駆使しているので、宝石に光がふんだんに入り、より美しく輝いて見えるのもさすが。職人が手作業で彫金を施したゴールドブレスレットや文字盤もヴィンテージ感満点ですね」(本間さん)
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以上、シャネルとピアジェから「レインボーカラーのタイムピース」をご紹介しました。
「ダイヤモンドをたっぷりあしらったウォッチは魅力的ですが、レインボーカラーのウォッチはそれよりもさらにハイジュエリーに近い存在。目の肥えたジュエリー上級者に似合うスペシャルな時計なのです。どんなシーンでも引けを取らないリュクスな着こなしを完成させてくれるアイテムとして、チェックしてくださいね」(本間さん)
※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生