バルセロナのメインストリートのグラシア通り沿い、20世紀のモダニズム建築の傑作が集まる“ゴールデンスクエア”の中心地に建つマンダリン オリエンタル バルセロナ。
通りを隔てて目の前にはガウディが手掛けた「カサ パドリョ」。カタルーニャのシンボルであるドラゴンを連想させる曲線を描いたカラフルなタウンハウスです。そしてあのサクラダファミリアへも徒歩圏の数ブロック。
バルセロナを闊歩するのに、ベストなロケーションと言えそうです。
1世紀ほどの時を経た、かつて銀行だった建物をエレガントにリノベート。人々や車が行き交うグラシア通りに面した、重厚感あふれる石造りのファサードを抜け、ガラスの渡り廊下がかかるセントラルアトリウムを渡って、ロビーへ。
この数メートルのアプローチが、別世界へと足を踏み入れた気分にさせます。街の喧騒は一気に遠のき、マンダリン オリエンタル(MO)のエレガントな世界観に没入する、ワンステップのようです。
ロビー脇の吹き抜けからは、まるでイスラム美術のモチーフをモダンにアレンジしたような透かし彫り風の壁に囲まれたレストラン「ブラン」が見下ろせます。
ひとつのホテル内で、いろんなシチュエーションがちりばめられ、館内だけでもくつろげるし、街遊びから戻れば“帰ってきた感”が味わえます。
ミシュラン2ツ星のレストランにルーフトップバー、充実の食
マンダリン オリエンタル バルセロナには、この街で話題のレストランやバーが揃っています。
ファインダイニングの「MOメント」(MOはマンダリンオリエンタルの頭文字)は、ミシュラン2ツ星を獲得。カタルーニャ地方の郷土料理にインスパイアされた、ヘルシーな料理を供しています。
手掛けるのは、スペインや東京で計7つの星を手にしている、女性シェフのカルメ・ルスカイェーダと彼女の息子のラウル・バラムです。
ホテルの中央に位置する「ブラン」は、店名どおりに白でまとめられ、ガラスの天井から外光が差し込む、明るい印象のオールデイダイニングです。こちらもカルメ・ルスカイェーダが料理を担当しています。
朝食にはアラカルトもありますが、ビュッフェはがぜんテンションが上がります。
色とりどりのフレッシュフルーツ、地元のオーガニックヨーグルト、焼きたてのクロワッサン、種類豊富な卵料理、アジア風料理のライブクッキングステーション、シーフードコーナー、チーズやシャルキュトリー(ハムやサラミなど)など、お皿を片手に幸せな迷子になりそう。
日曜日のブランチは、ボリュームとお値打ち感が最強。ウェルカム・カバからスタートし、シェフの前菜、3種類のローストした肉のカネロニ、スズキのフィレ、スイーツも数種類。ゆっくり日曜の午前を味わえそうです。
ロビー近くにある「バンカーズ・バー」は、かつてこの建物が銀行だったことをモチーフにしたデザイン。天井は一面、セキュリティボックスで覆われ、バーテンダーは一昔前の銀行家のようなコスチューム。おすすめのカクテルは、「バンカーズ・マティーニ」です。
ルーフトップには、サンセットに訪れたい360度のシティービューが広がる「テラット」。ガウディの「カサ パドリョ」も見下ろせます。春から秋にかけては、気持ちのいい時間が過ごせそう。
「テラット」ではシェフのガストン・アクリオが手掛ける本格ペルー料理が楽しめます。
そして季節限定ですが、中庭の「ミモザ・ガーデン」は夏のバルセロナのパーフェクトスポット。ミモザやラベンダーなどに囲まれた、まるでプライベートオアシスのような庭園に、テーブルが点在しています。こちらでも、カルメ・ルスカイェーダが手掛けるタパスやドリンクがいただけます。
10種類を数える多彩なスイートを含めた全120室
8階建ての建物に客室は120。ゲストルームは中庭のガーデンビューと、グラシア通りを見下ろすシティービューに大きくは分かれ、広さは32平方メートル以上。
デザインはコンテンポラリーなタッチながら、フローリングの床にフレンチラグを敷き、クラシカルな雰囲気もひとふり。一部にはバルコニー付きもあります。
バトラーサービスが付くスイートは10種類。ダイニングもできる広々としたテラス付きや、2ベッドルーム、3ベッドルームも。スイートもビューはガーデンまたはシティーです。
ハイエンドなお部屋は「ペントハウス スイート」。トップフロアにあり、こちらは広さ263平方メートル。独自のリビング付きのマスターベッドルームに、ドレッシングルーム、キッチン、8名まで席につけるリビング&ダイニング、テラスもゆったり。
実は、マンダリン オリエンタル バルセロナに滞在時、郊外のドライブ中に車上荒らしに遭遇。パスポートも盗難に遭い、予定していた帰国便に乗れなかったことがありました。
予定外の一泊に困っていたら、スタッフが「災難でしたね。でも、バルセロナのことをキライにならないでくださいね」と宿泊をプレゼントしてくれました。「大した部屋ではないけれど…」と、通されたのが「テラススイート」。なんと数段飛ばしのアップグレード! 疲れきった心に、じんわりと温かさが伝わる心づかいでした。
ちなみに、2021年4月にマンダリン オリエンタル マドリッドがリニューアルオープン。プリンセス気分が味わえる夢のような館です。こちらもあせて滞在したいところです。
問い合わせ先
料金/デラックスガーデンルーム€425~、マンダリンルーム€725~、テラススイート€2800~、ペントハウススイート€1万2000~ほか
TEL:+34-93-151-8888
住所/Passeig de Gracia, 38-40, 08007 Barcelona, SPAIN
日本での問い合わせ先/マンダリン オリエンタル ホテル グループ TEL0120 663 230
※新型コロナウイルスによる影響下では一部情報が変更となる可能性があります。感染に留意し、渡航状況など最新情報は公式HPなどでご確認ください。
- TEXT :
- 古関千恵子さん ビーチライター
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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