創刊以来、Preciousには数々のジュエリー名品が登場してきました。雑誌『Precious』6月号で展開中の特集「プレイバック! 至高のジュエリー名品9」では本誌連載でもおなじみのジュエリージャーナリスト、福田詞子さんセレクトの「究極名品」をご紹介。魂に訴える煌きの魅力に、あなたは抗うことができるでしょうか?
今回は、ヴァン クリーフ&アーペルの『フェアリークリップ』をご紹介します。
流麗な輝きをまとって遊ぶ妖精のブローチ|ヴァン クリーフ&アーペルの『フェアリークリップ』
『フェアリークリップ』は1941年、第二次世界大戦下のアメリカで誕生しました。当時、アメリカで流行していた漫画に着想を得た妖精のモチーフは、瞬く間に「ヴァン クリーフ&アーペル」の代表作に。
そして時を経て、妖精たちの帰還は2003年。シェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』をテーマにしたハイジュエリーコレクションで、花や風の精となって姿を現したのです。
妖精の顔を表現するダイヤモンドのローズカットは、ファセット(カット面)が少ないため、透明度の高いダイヤモンドにしか用いることができない。流麗なポーズのモデルはバレリーナなど。立体的なボディの側面や裏側など、正面からは見えない部分にセッティングされた宝石に、メゾンの矜持が。
今や、『フェアリークリップ』には、おとぎ話や神話、植物をモチーフにした多彩なデザインが登場。メゾンの代表作であると同時に、夢と希望のシンボルとして愛されています。
「ひとりひとりの妖精に物語があり、まとった衣装の色や動きにも意味があります。その個性豊かな美しさは唯一無二。細部にわたる妥協なきこだわりも、このメゾンならではのものといえるでしょう」(福田)
※登場した「名品」は、過去のPreciousで掲載した記事からの転載のため、 現在では購入できないものも含まれています。ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
※文中の表記はWG=ホワイトゴールド、DIA=ダイヤモンドを表します。
- PHOTO :
- 戸田嘉昭(パイルドライバー)、唐澤光也(RED POINT)
- WRITING :
- 河西真紀
- EDIT&WRITING :
- 喜多容子(Precious)