創刊以来、Preciousには数々のジュエリー名品が登場してきました。雑誌『Precious』6月号で展開中の特集「プレイバック! 至高のジュエリー名品9」では本誌連載でもおなじみのジュエリージャーナリスト、福田詞子さんセレクトの「究極名品」をご紹介。魂に訴える煌きの魅力に、あなたは抗うことができるでしょうか?

今回はその特集のなかからブルガリの『セルペンティ』ウォッチをご紹介します。

華やぎと機能性の両立。ブランドの矜持が生んだ奇跡|ブルガリの『セルペンティ』ウォッチ

「富や繁栄」をもたらす幸運のシンボルとして、古代より、人々の崇拝の対象であった「セルペンティ(=蛇)」。

このモチーフを腕時計に取り入れた1940年代後半から、蛇は「ブルガリ」を象徴するアイコンとなりました。

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『セルペンティ』[PG×DIA×ルビー、ケースサイズ:長径22㎜、クオーツ](ブルガリ ジャパン)Precious 2019年1月号掲載

デザイン性は無論のこと、立体的なフォルムの細部にまで宝石をセッティングする技法、巧みな金細工で表現したウロコの精密さ、ボリュームがありながら手首に違和感なくフィットするブレスレットの感触等々、すみずみに超一流の技術とエレガンスが宿る。

「見た目のボリュームや豪華さに反して、コイルが内蔵されたブレスレットは、驚くほど、しなやか。ワンタッチで装着でき、手首にフィットして落とす心配もありません。宝飾技巧の粋を尽くして生まれた、『華やぎと機能性の両立』 。これこそが、このウォッチの真骨頂なのです。かつてヨーロッパでは、女性が人前で時間を確認するのはマナー違反とされていました。こうした時代背景から、ブレスレットと見紛うジュエリーウォッチが生まれたのです」(福田)。

卓越した技術と美意識が生んだ、気高い佇まい。見る者を圧倒する迫力こそが、名品の証です。

福田 詞子さん
ジュエリージャーナリスト、エディター
(ふくだ のりこ)英国宝石学協会FGA(特別会員)。出版社で女性誌の編集部に20年以上在籍したのち独立。2015年、英国宝石学協会のディプロマを取得。小誌にて『ハイジュエリー真価論』を連載中。

※登場した「名品」は、過去のPreciousで掲載した記事からの転載のため、 現在では購入できないものも含まれています。ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。

※文中の表記はPG=ピンクゴールド、DIA=ダイヤモンドを表します。

PHOTO :
戸田嘉昭(パイルドライバー)、唐澤光也(RED POINT)
WRITING :
河西真紀
EDIT&WRITING :
喜多容子(Precious)