「旅」はいつだって、私たちの心に栄養を与えてくれる揺るぎない存在です。

雑誌『Precious』6月号では特集「旅の再開は極上・日本のホテルから」と題して、社会環境の変化でライフスタイルが大きく変わろうとしている今、滞在することをいちばんの目的に考えたおすすめの一軒を、旅のエキスパートのみなさんに教えてもらいました。いつか行く日のためにオンリストを!

今回は、フォトグラファー・山口規子さんがおすすめする「桃源郷 祖谷(いや)の山里」をご紹介します。

山口 規子さん
フォトグラファー
(やまぐち のりこ)文藝春秋写真部を経て独立。透明感のある独特な画面構成に定評がある。近著に『トルタビ〜旅して、撮って、恋をして〜』(日本写真企画刊)、『柳行李』(日本カメラ社)など。

※特集内の宿の料金は、基本的に税・サービス料込表記、4月16日現在のものです。料金は時期により変動する場合があります。地域によっては、別途、宿泊税が課税されます。

「文明社会から離脱し、知恵をしぼって暮らす楽しさ。きっと、新たな発見があるはずです」

「桃源郷祖谷の山里」は、古民家改修の第一人者として知られるアレックス・カーのもと、祖谷に残る空き家を利用したステイ事業プロジェクト。失われゆく日本の山里の美しさや伝統を、時代に合ったかたち、持続可能なものとして、残していこうという思いが込められています。

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「桃源郷祖谷の里」の宿泊棟は全8棟。祖谷川を見下ろす南向きの切り立った崖地に、貼り付くように点在する。

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高低差は実に約390m。2005年には集落全体が重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されました。

宿泊は、茅葺き屋根の民家一棟を、貸し切りにするスタイル。建物は古(いにしえ)の趣ながら、バスルーム、空調設備、リネン、床暖房など、最新の設備を備え、ゆったりとした時間を過ごせます。基本は食材持ち込みの自炊ですが、食事の提供をお願いすることも可能です。

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茅葺き民家のひとつ、「天一方」。ダイニングキッチン、リビング、ナカノマ、寝室、洗面室、ふたつのトイレを備え、定員は6名。キッチンには調理器具一式、基本調味料が完備。

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囲炉裏を大胆にリメイクしたリビングなど、それぞれ特徴ある趣。


「海外に出られない今だからこそ、どっぷりと日本につかる古民家ステイに惹かれます。それが『祖谷の山里』ならば、好きな本をたくさん持参して、雲海を見ながら引きこもりたいです。祖谷の山間部に入ったら、近くには食料品を買うお店もないので、必要なものは用意していかなければなりません。しかしながら、便利になりすぎた文明社会から離脱し、知恵をしぼりながら暮らす楽しさがあります。ふだん使ってない脳を使う感じ。お金では手に入らないものを、たくさん発見できる場所ですよ」(山口さん)

問い合わせ先

  • 桃源郷 祖谷の山里
  • TEL:0883-88-2540
  • 1名料金(1泊2名1棟利用時)¥15,950~(税込・サービス料なし)
  • 住所/徳島県三好市東祖谷落合403
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    ※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
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EDIT&WRITING :
兼信実加子、河西真紀、喜多容子(Precious)