名デザイナーたちのクリエイションが生んだ、アートの領域に達した至福のジュエリーがあれば、朝も昼も夜も、極上の時間を味わえます。
雑誌『Precious』6月号では「見て、味わって。堪能し尽くす『アートなジュエリー』」を展開中。その特集のなかから本記事では「アートなジュエリー」生み出したデザイナーたちをご紹介します。
特集で紹介した美しいジュエリーを生み出したのは、今や各ブランドを代表する存在である名デザイナーたち。類いまれなる美意識と才能をもつ、伝説の4人の横顔に迫ります。
自然の驚くべき美しさを再現した想像力の魔術師|Jean Schlumberger for Tiffany & Co.
フランス・アルザス生まれのシュランバージェは、1956年に「ティファニー」と運命的なパートナーシップを結び、本店の専用工房から数々の名作を生み出しました。自然のスケール感や生命の息吹を見事にとらえ、深海の貝類やエキゾチックな植物、夢のように美しい鳥など、多くの動植物モチーフを構想。躍動感あふれるその独創的な作品は、ブランドの華麗なるレガシーであり、彼の真骨頂でもあるといえます。
シュランバージェのデザインを象徴する『ジャン・シュランバージェ バード オン ア ロック』。稀少なタンザナイトの上に小鳥が一羽。さえずりが聞こえてきそうないきいきとしたデザインのブローチ。
『ジャン・シュランバージェ エナメル ブレスレット』。エナメル技法は、シュランバージェのデザインを象徴するスタイルのひとつ。
「職人」と呼ばれることを好んだジュエリー界の美しき革命児|Elsa Peretti for Tiffany & Co.
フィレンツェで生まれ、人気モデルとして活躍した後、1974年に「ティファニー」のジュエリーデザイナーに。ボーンカフやオープンハートなど、ブランドを代表する名作を次々と発表。科学者のような洞察力と彫刻家のようなビジョンをもち、骨も豆も布も、その手にかかると驚くほどモダンなフォルムに。今春、逝去しましたが、ジュエリーの歴史に燦然とその名を輝かせ続けています。
あらゆる装飾をそぎ落とした極めてシンプルな『エルサ・ペレッティ™ ダイヤモンド バイ ザ ヤード™』。ネックレスやブレスレットなど、アイテムも多彩に。
骨格を研究することで生まれた、オブジェのごとく美しい名品。
グローバルな視点で斬新な作品を発表する最も旬なデザイナー|Francesca Amfitheatrof for Louis Vuitton
東京で生まれ、世界各地で暮らし、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業。1993年、自身初のシルバーウェアコレクションを発表。多くのブランドにデザインを提供し、2018年「ルイ・ヴィトン」のウォッチ&ファインジュエリーのアーティスティック・ディレクターに。グローバルな半生を反映し、伝統を軽やかにブラッシュアップする彼女は、ジュエリーの未来を担う、最も目が離せない存在。
ハイジュエリーコレクションから。1,890粒のダイヤモンドで織り上げたメッシュを背景に19.31ctのサファイアが大きな存在感を放つ逸品。
モノグラムの揺るぎない原点を讃えつつ生まれ変わったアイコニックモチーフ。
自らも「パンテール」と呼ばれた確固たるスタイルをもつ女性|Jeanne Toussaint for Cartier
ベルギーのブリュッセルで生まれ、10代でパリへ。まれに見る美意識と洗練された趣味で社交界のミューズ的存在に。ルイ・カルティエと運命的に出会い、1933年から1970年にかけてクリエイティブディレクターとして活躍。「カルティエ」に、象徴的な動物としてパンテールをもたらしたのも彼女。自由で、独創的だった彼女を、ルイをはじめ周囲は愛情を込めて「ラ パンテール」と呼んでいました。
ウィンザー公爵夫人が購入したパヴェ サファイアとダイヤモンド、イエローダイヤモンドを使ったブローチ。パンテールが152.35ctのサファイアカボションの上に凛と佇む。
そのしなやかな肢体を優雅に表現。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※文中の表記はWG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、YG=イエローゴールド、SIV=シルバー、DIA=ダイヤモンドを表します。
問い合わせ先
- ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク TEL:0120-488-712
- ルイ・ヴィトン クライアントサービス TEL:0120-00-1854
- カルティエ カスタマー サービスセンター TEL:0120-301-757
- PHOTO :
- 赤尾昌則(whiteSTOUT)
- STYLIST :
- 伊藤美佐季
- EDIT&WRITING :
- 大野智子、池永裕子(Precious)