日本には数多くのイタリアブランドが展開されているが、そのほとんどはアイテム毎のファクトリーブランドによる専業だったりする。異なるブランドを組み合わせてコーディネートを考えるのが洋服選びの醍醐味ではあるが、世界観の統一された、ひとつのブランドでトータルコーディネートをするのもまた楽しみ方のひとつといえる。
専業ブランドの集合体という珍しいスタイルを形成している「スローウエア」
トータルブランドと違い、専業の集まりだからこその魅力というものがある。まずは、パンツ専業の「インコテックス」にはじまり、アウターウエアの「モンテドーロ」、ニットの「ザノーネ」、シャツの「グランシャツ」の4ブランドで構成されている。それぞれが各アイテムの専業ブランドであり、どれもイタリアらしい伝統とエレガンスさがあり、男の洒落心をくすぐる。
世界観が統一されているからこそ「スローウエア」の各アイテムは、そのどれもが完璧に調和する。今回は「モンテドーロ」のワークジャケットを軸にした、大人のカジュアルスタイルを提案する。
「モンテドーロ」のワークジャケット
1956年創業の「モンテドーロ」。伝統的なテーラード技術に裏打ちされた、エレガンスとカジュアルの融合を見事に表現したジャケットは、背裏をなくし、しなやかな風合いと軽快な着心地を楽しめる。基本的にはワークジャケットの作りであるが、袖が開き見せ仕様になっていて、ジャケットの要素も持ち合わせる。麻63%、ウール37%の混紡で、ヘリンボーン折りの生地感がカジュアルながらも品格を感じさせる。シワが入りにくいのも魅力的。
「ザノーネ」の赤ニット
1986年創業したニット専業ブランド「ザノーネ」。天然素材にこだわり、上質なニットを作り続け、ざっくりとした生地感が特徴のウール100%ニットは、程よい厚みがあり、インナーとしてはもちろん、一枚で着てもサマになる。はっきりとした発色が秋冬コーディネートの良いアクセントになる。
「インコテックス」のグレースラックス
1951年創業し、今や「スローウエア」の根幹を成すブランド「インコテックス」。1970年代よりパンツ製造に特化し、その高い技術力は世界中で評価されている。一見シンプルなグレースラックスであるが、ウエスト部分にナイロンを使用し、ドローコード仕様にしてスポーティな雰囲気を感じさせる。裾もあえてタタキ仕上げにして、カジュアルに履きたいスラックスだ。そのシルエットの美しさは言わずもがなである。
「スローウエア」でつくるイタリアエレガンス漂うコーディネート
ブラックのジャケットにグレースラックスを合わせたモノトーンスタイルには、差し色にしたザノーネの赤いニットがよく映える。ワークジャケット、イージースラックスのシンプルな組み合わせであるが、全体的にエレガントな雰囲気でまとまっている。これこそ大人のカジュアルスタイルといえよう。
以上、「スローウエア」のアイテムを使ったコーディネートを紹介した。どのアイテムもイタリアらしいエレガンスまとったアイテムであるから、コーディネートとしてまとめると非常にエレガントな雰囲気になるのがおわかりいただけたことだろう。アイテム選びに迷ったなら「スローウエア」のアイテムたちをおすすめする。
※価格はすべて税込です。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 島本一男(BAARL)
- STYLIST :
- 土屋大樹