「柿」と「杮」…二つの字の違いをおさらいしましょう!
明日・10月21日は「禅寺丸柿(ぜんじまるがき)の日』という記念日です。
「禅寺丸柿(ぜんじまるがき)」とは、神奈川県の川崎市にある王禅寺(おうぜんじ)付近で「日本最古の甘柿」と言われる、丸く甘い実のなる柿の木のことです。
約800年前の鎌倉時代に発見されたと言われる原木の実のあまりのおいしさに、この地域一帯が株分けして育て始め、「柿生(かきお)」という地名も誕生したそう。
この原木、なんと今でも王禅寺の敷地内で、国の指定登録記念物として保護されています。地域の一大産業が、800年前に発見された1本の柿の木から興り、その木が今も大切に保存されている…自然と人の織り成す歴史のロマンを感じますね。
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「杮落し」ってなんと読む?
「杮落し」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「新築または改築された劇場で、初めて行われる催し」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「杮落とし公演は、その後の劇場のイメージにも関わるのですから、慎重に企画しないと!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 杮落とし(こけらおとし) です。
よくお芝居をご覧になる方は、この言葉、ご存知ですよね。
「柿(こけら)」と「柿(かき)」は、右側の表記が実は違います。比較画像でご確認ください。
…ところで、「杮(こけら)」とはどういう意味なのでしょうか?
【問題2】「杮(こけら)」ってどういう意味?
「杮(こけら)」という日本語の意味として正しいものを以下の選択肢の中から選んでください。
1:柿(かき)に似た虫
2:材木の細片
3:寄生植物の一種
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は…2:材木の細片 です。
昔は、建物の屋根を葺く手法として、「瓦葺(かわらぶき)」以外にも、材木を薄くはいだ板材による「杮葺(こけらぶき)」もよく使用されていました。杮葺(こけらぶき)の劇場の完成時の仕上げに、屋根に残った余分な木片を落としたことから「杮落し(こけらおとし)」という言葉ができたのではないか?…という説が有力なようです。
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本日は、10月21日『禅寺丸柿の日』のトリビアに合わせ、「柿(かき)」とよく似た「杮(こけら)」という字にスポットを当て、
・杮落とし(こけらおとし)
・杮(こけら)
などの日本語についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:川崎・麻生観光協会ウェブサイト/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱