『ルージュ・エルメス』『ローズ・エルメス』に次ぐ3つ目の美のオブジェとして誕生した『レ・マン・エルメス』。
『Precious』12月号では、職人の手によって支えられてきたメゾンのエスプリが凝縮した『レ・マン・エルメス』にフォーカスした企画を特集しています。
今回はその中から、『レ・マン・エルメス』ネイルカラー2色のシグネチャーカラーとともに、誕生までの背景についてお届け。指先に艶やかな色と輝きを添えた瞬間から、匂いたつエレガンスに魅了される『レ・マン・エルメス』には多くの想いが込められていました。
Signature Colour1:エルメスBOXの縁を彩る深いブラウンをネイルカラーで再現
淡彩画で描かれた深い秋の世界を彷彿させるBOXの縁のブラウン。メゾンの誇りを感じさせる知的でセンシュアルな発色。
端正なガラスのボトルに透明感と光沢が戯れる光のオブジェ
顔の表情以上に、年齢や生活環境、感情や個性を饒舌に物語る『手』。ありのままを映し出してしまう鏡のような存在ですが、職人の手仕事に支えられてきたメゾンにとっては、かけがえのない財産でもあります。
馬術や馬具づくりの伝統とも密接につながる『手』。馬が額を垂直の姿勢で保つことをフランス語で手を置く(mise en main)と呼ぶように、しなやかさを表現する言葉の裏にも『手』は欠かせません。「エルメス」では『手』でものを見ることを学び、心と目、知性をつなぐものなのです。
「『手』はものをつくり、創造し、命を与えるもの(アーティスティック・ディレクター ピエール=アレクシィ・デュマ)」と語られるように、職人を尊ぶメゾンにとって、メチエの第三章がレ・マン(手)のためのものなのは、ごく自然なことだったよう。
Signature Colour2:繊細なグレージュで、指先に究極のエレガンスを
グリとはグレーのこと。朝の光を集めたようなニュアンスグレーはしぐさから麗しく指先に品格を与えてくれる代表色。
ケアとカラーの7アイテムで構成された『レ・マン・エルメス』。エルメス・パルファム&ボーテ CEOのアニエス・ドゥ・ヴィリエは、「洗練されたしぐさやエレガンスな佇まいなど、その人のパーソナリティを決定づけるのが『手』のコンディション。美しくしなやかな指先は、ジュエリーに匹敵するほどですから。
ケアアイテムは自然由来の確かな品質のもので、香水クリエーション・ディレクターのクリスティーヌ・ナジェルによって、レ・マンのためだけの香りも追求。実際にメゾンの革職人たちに使ってもらい、幾度となくフォーミュラにも改良を加えました。そしてカラーは、天然由来成分にこだわったナチュラルな処方でありながらメゾンが得意とするエナメル加工の技術と知識のすべてを注ぎ込んだもの。エナメル職人のカラーパレットからインスパイアされた鮮やかな24色をラインナップしました」
美しくなければいけないという理念から、『ヴェルニ エマイユ』のデザインは、上質なガラスボトルに白とゴールド、そして『ルージュ・エルメス』から受け継がれる伝統のエクスリブリスを刻んで。時を忘れ、ずっと眺めていたくなる名品の風格に溢れているのです。(ビューティ エディター・安倍佐和子)
※掲載した商品は、すべて税込価格です。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 鈴木 宏(人物)、戸田嘉昭(パイルドライバー/静物)
- STYLIST :
- 小倉真希
- HAIR MAKE :
- 尾花ケイコ
- NAIL :
- 中島理恵(uka)
- MODEL :
- 大塚まゆか
- EDIT&WRITING :
- 五十嵐享子(Precious)