雑誌『Precious』12月号では、『心のドレスアップ、「香り」のワードローブ』と題して、大人の女性にふさわしい香りを、パルファンやオードパルファン、ボディフレグランスなどの種類別にピックアップ、香りの特徴やつけ方のコツと一緒にご紹介しています。
今回は、香料濃度が高く、最も長く香りを楽しめる「パルファン」を取り上げます。
自分らしさに回帰し、時には鮮やかに裏切ったりも。見えないからこそ、その印象は深く響く…心のドレスアップ、「香り」のワードローブ
時代の大きな変化によって、自分らしさを見つめ直す多くの時間を得た今。心地よく、美しく、いきいきと、でもひそやかに「個の世界観」を表現してくれる香りは、ますます欠かせない存在に。一日の始まりにまとえば心が明るさに満たされる、それは、素敵な洋服が女性を幸福感で輝かせてくれるように…。心を晴れやかにドレスアップする、香りのワードローブを整えませんか？
目に見えないものが大切な時代、｢香り｣の役割もまた、大きく変化しているといえるでしょう。多くの人に向けて高らかにアピールするものから、ますますプライベートな存在に。例えば、自分らしさを解き放つ心地よさやリラックス感をもたらしたり、ときには今まで自分でも気付かなかった意外な魅力を呼び覚ましてくれたり…。
そのように、近しく深く付き合う｢香り｣は、やがてぶれない軸となって、誠実にいきいきと自分らしく過ごす日々を後押ししてくれるはず。だから今回は、｢香り｣の上質なあり方にもこだわりました。朝から夜まで長く、美しくて楽しい物語を展開するように表情を変えながら香るパルファンやオードパルファン。
そして、飾らない素肌に寄り添いながら心の柔らかな部分に響くボディフレグランス。時間と空間にお気に入りの香りのテリトリーをつくることは、唯一無二の個性をラグジュアリーに表現するドレスアップのようなもの。お気に入りの｢香り｣のワードローブが、そのことを教えてくれるのです。
新しい一日の始まりに、時間と空間に美しい個性（パーソナリティ）を授ける｢香り｣という魔法をかけて
目覚めたときの気分で香りを選ぶ。それは、多彩なエレガンスを身につけた大人の女性だけの贅沢な習慣。
【 Parfum（パルファン）】最も長く、豊かに香りのハーモニーを奏でる
●エルメス『ギャロップ ドゥ エルメス』
メゾンの歴史を物語るレザーとローズが互いを引き立て合って。コクのある甘さと温かな渋さが両立したジェンダーレスでタイムレスな香り。
香りと共に過ごす時間を最も長く楽しめるのが、香料濃度が高いパルファンです。肌につけてから約7時間、さまざまな表情を見せる香りに包まれるのは、パルファンならではの贅沢。その一方で、香り方も強いので、顔に近い箇所や上半身につけると酔ってしまったり、うるさく感じたりすることも。
体の温もりを得て下から上へ、広がるように立ち上がる特性を心得て、ウエストから下の体温が高いところや脈打つところにつけるのが基本ルールです。例えば、足首の内側につければ、全身が柔らかく香る女性に。｢どこから香るのかしら？｣…周囲の人にそう思わせることができたら、成功です。
■ Sensual collection：エレガンスの奥行きを物語る
●フエギア1833『ラ ルナ』
｢コパル｣という若い琥珀が奏でるグリーンノートに、時間の経過と共に樹木の香りが加わって、しっとりとした温かみと深みを感じさせるように変化。深い森の中を歩いていくようなリラックス感とセンシュアルなときめきを誘う。
●セルジュ･ルタンス『クラシューズドゥフラム』
トルコのローズをベースにしつつもロマンティックな甘さはぐっと抑え、ムスクやアンバー、ロシアのレザー、アプリコットがめくるめくように深みを増す。フランス語で｢火を吹く女｣の名のとおり、情熱的で神秘的な香り。
■ ドレスアップルール：香りは、下から上に向かって漂い、佇まいに芳香のベールをかける。リッチなパルファンは、足首の内側に｢点｣でタッチ
美しい靴を履くように足元に香りを。どこからともなく漂うように使いこなすのが、おしゃれ上級者のたしなみ。
※掲載の商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- ザ・ギンザ TEL：0120-500824
- エルメスジャポン TEL：03-3569-3300
- PHOTO ：
- 浅井佳代子、唐澤光也（RED POINT／カットアウト静物）
- STYLIST ：
- 小倉真希
- HAIR MAKE ：
- 尾花ケイコ
- MODEL ：
- 大塚まゆか
- EDIT&WRITING ：
- 岡本治子、五十嵐享子（Precious）
