今年発表された新作から、プレシャス世代にふさわしい名品をカテゴリーごとに選び出す「Precious WATCH AWARD」。今回も高い審美眼と知識をもつ審査員の方々が吟味を重ねて、珠玉の一本を厳選。恒例となったラグジュアリーウォッチの誌上祭典を、ここに開催します!
雑誌『Precious』1月号で発表された第4回「Precious WATCH AWARD」。つねに「真の名品」とその価値を探求し続ける『Precious』が、2021年に発表された時計の中から「至高の真名品」を選び抜きました。
今回は、『ハイコンプリケーションウォッチ賞』に輝いたピアジェの『アルティプラノ トゥールビヨン』とヴァン クリーフ&アーペルの『レディ フェアリー ウォッチ』をご紹介します。
「Precious WATCH AWARD」2021 審査員
【ハイコンプリケーションウォッチ賞】ピアジェ『アルティプラノ トゥールビヨン』|ヴァン クリーフ&アーペル『レディ フェアリー ウォッチ』
2本の時計が同票で肩を並べたこの部門。時刻を表示するだけではなく、複雑機構を搭載した高度な機械式時計を「ハイコンプリケーション」と呼び、女性のための優美なモデルは年々増えています。
夢時間を刻み、幸福感をもたらす唯一無二の「ポエティックコンプリケーション」ヴァン クリーフ&アーペル『レディ フェアリー ウォッチ』
金属の下地がなく、金属枠のみによってエナメルを支える高度な技法「プリカジュール」。この半透明なエナメルとダイヤモンドで彩られた妖精の羽が、ギョウシェ彫りを施したマザー・オブ・パールで描いた星空と優美に響き合い、妖精の杖の動きをよりドラマティックに演出。
2020年に続き、2年連続でこの部門のトップに輝いた「ヴァン クリーフ&アーペル」。それはこのメゾンが、「ポエティックコンプリケーション」という独自の分野を確立し、リスペクトを集めている証です。2021年は、サファイアとダイヤモンドのドレスをまとった妖精が主役。このフェアリーが、針が反復運動をする「レトログラード」機構による魔法の杖を使って分を表し、時はマザー・オブ・パールの雲の間から顔を出した月に表示されます。
「男性的で質実剛健な時計になりがちな複雑機構を、こんなに夢のある時計に仕上げたセンスは、さすがのひと言!」(本間さん)
「コンプリケーションがこんなにエモーショナルになるなんて! このメゾンにしかできない時計だと思います」(守屋)
ふくよかなケースのサイドにも、惜しみなくダイヤモンドをセッティング。その輝きとなめらかな感触からも、メゾンの洗練と「時を告げるジュエリー」の美学が漂う。
神秘的なアヴェンチュリン文字盤に、ダイヤモンドの輝きが際立つ美貌のトゥールビヨン|ピアジェ『アルティプラノ トゥールビヨン』
ハイコンプリケーションウォッチであると同時に、2種の異なるバゲットカットとラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを、合計60個(計約2.16カラット)と贅沢にあしらったハイジュエリーウォッチでもある、ノーブルなトゥールビヨン。時計製造、宝飾、共に屈指の技術力を誇る名門マニュファクチュールの矜恃が、静謐な迫力を醸し出して。
この「ピアジェ」のトゥールビヨンは、夜空を思わせるアヴェンチュリンガラスの文字盤と、ベゼル&ラグの大粒のダイヤモンドが美しく響き合い、気品溢れる仕上がりに。
「薄型ムーブメントはピアジェのお家芸。このモデルはトゥールビヨン搭載ながらケース厚はたったの7.35mmで、横顔まで優美です。まるで小宇宙を手にしているような、夢が見られる一本」(岡村さん)
「見事に浮遊しているように見えるフライング・トゥールビヨンと、時分表示のバランスにメゾンのエレガンスを感じる」(関口さん)
細部まで美しい仕上げが施された完全自社製ムーブメント。トゥールビヨンはケースバック側からのみ固定されているため、フェイス上での美しい浮遊感が実現。
※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。
※文中の表記は、WG=ホワイトゴールドを表します。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー)
- STYLIST :
- 関口真美
- EDIT&WRITING :
- 岡村佳代、安部 毅、安村 徹・佐藤友貴絵(Precious)