ロバート・キャパ、木村伊兵衛などカメラに魅了された男たちが切り撮った日常は、単に画像の記録としてではなく、絵画のように印象的に語りかけてくる。何気ないひとコマであっても、ファインダー越しに覗くと世界が一変することを教えてくれる感慨深いものがある。

それはポートレート作品で知られる写真家・堀 清英もそのひとり。ニューヨークで写真を学び、雑誌や広告、ポートレイト撮影など、幅広い分野で活躍する傍ら、自らの作品を作り上げてきた堀は、特に、1950年代にアメリカで巻き起こったビートカルチャーの伝説的詩人アレン・ギンズバーグから強い影響を受けたという。東日本大震災後には、ギンズバーグの代表作『HOWL』に応答すべく「re;HOWL」を発表し、アイロニカルな視線を現代社会に向けた作品は、多くの人に語りかけた。

シャネル・ネクサス・ホールで開催される堀 清英の写真展「RED」

REDメインビジュアル(c)Kiyohide Hori
(c)Kiyohide Hori

そんな堀 清英の写真展が、2022年1月19日よりシャネル・ネクサス・ホールで開催される。2004年12月シャネル銀座ビルディングのオープンとともにその活動をスタートし、過去さまざまなアーティスト・芸術家たちが展示を行い、多くの人たちの関心を惹きつけてやまない、芸術の発信場所として多大な貢献をしてきた場所だ。

本展では「RED」シリーズのほか、1990年代以降に撮りためてきた作品や、創作活動の原点ともいえる手製のフォトブックなどを三部構成で紹介。視線の向ける先を自己の内へと転じ、“自分”とは何者か?という問いへの答えを追求する堀の自己探求の道程を示す展示となる。

堀 清英さん
写真家
愛知県出身。明治大学在学中の80年代、デザイン事務所でのアルバイトを機に写真に興味を持つ。カナダの写真家、故ユサフカーシュに自身のポートレイトを依頼したことをきっかけに、本格的に写真に取り組み始める。1991年よりニューヨークのICP(国際写真センター)にて学び、作品制作を開始。1997年に帰国後、ファッション誌、カルチャー誌で活躍。ミュージシャンのCDジャケットやライブ写真を手がける。現在は自身の作品制作を基盤に、人物写真を中心に活動している。

開催概要

展覧会名/RED 堀 清英 写真展
会期/2022年1月19日(水)~2月20日(日)
開館時間/11:00~19:00(最終入場18:30)
会期中無休・入場無料・予約不要
会場/シャネル・ネクサス・ホール
住所/東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
主催/シャネル合同会社

問い合わせ先

シャネル・ネクサス・ホール事務局

TEL:03-6386-3071

※新型コロナウイルスの影響により一部情報が変更となる可能性があります。最新情報は公式HPなどでご確認ください。 

この記事の執筆者
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