暮らしと向き合う時間を通して気づいたのは、自分らしいスペースを持つことの大切さです。『Precious』2月号では、『これからの「美しい暮らし」』と題し、自分らしい美学と個性でもっと極めていきたいライフスタイルを、ファッション、アート、インテリアなど、さまざまな角度から特集しています。

暮らしのなかで本当に必要なものは何か?日々のおしゃれに上質で美しいものを見極める審美眼を持つプレシャス世代が、ライフスタイルに向き合うとき、やはりファッションと同じレベルで、研ぎ澄まされた美意識を注ぎたいのです。

これからの人生をもっと心豊かに過ごすために、美しい暮らしを求めてみませんか。

美意識とセンスでつくりたい、これからの「美しい暮らし」

ebureのフード付きコートを纏った女性
フード付きコート¥121,000(ebure GINZA SIX店)、ニット¥47,000(ピセア)、パンツ¥66,000(ブラミンク)、イヤリング¥715,000[予価](TASAKI)、バッグ¥107,800(ピエール アルディ 東京)、靴¥139,700(JIMMY CHOO)、その他/私物

リモートワークが増えて、自分らしい空間と暮らし方が見つめ直されるようになりました。かつての日本がそうであったように、職住接近の暮らしには、通勤に奪われた時間を取り戻し、個人が本来もつべき豊かさを享受できるというメリットがあります。

もちろん働き方が変えられる人ばかりではありませんが、少なくとも「心地よく暮らす」ことに意識が向けられたのは事実です。ただ、これまで忙しく働いてきた私たちは、家や暮らしについての知識には漠たる不安もあります。

歴史的建造物に暮らすことが決して特別ではない欧米では、家や建築の知識は教養の一部。インテリアや庭を整えることも同様です。日本でも「普請(ふしん)道楽」という言葉があるように、戦前には財界人などに家屋や庭園造りを好む人がいて、美しく家を営むことは美学であり、教養でした。装うことについては十分に経験を積んできた私たちですが、美しく暮らすことを極めるべき時が来たのです。

パンデミック以前から、インテリアの世界では、溢れるものの中で暮らすより、本当に必要なものは何か、10年後、20年後も愛され、使い続けられるか…が問われてきました。インテリアはファッションより流行のスパンが長いぶん、より本質を見極める目が必要です。ならば、おしゃれの名品を求める視点を、もうひと息深く、暮らしに向けてみてはどうでしょう。

まずは自分の暮らしにどうしても必要なものを見極めて、知的に取捨選択していくこと。すっきりと整った空間には、洗練されたインテリアや植物、アートを楽しむ余白が生まれます。

そして自分の感覚を信じて”好き”なものを選ぶこと。研ぎ澄まされた”好き”の集積ならば、スタイルは極まり、居心地もよくなります。

インテリアに迷ったら、ファッションで積み重ねた経験を駆使すればいい。長く愛せる上質な名品探しは、私たちの十八番(おはこ)です。そして最愛のベーシックカラーでまとめて、口紅やチークを選ぶように差し色を添える。バングルで細い手首を強調するように、美しいコーナーをライトで照らしてみたり…。演出の技法は同じです。

ラグジュアリーでぶれのないスタイルに矜恃があれば、家にも高い美意識を注ぐことができるはず。美しい暮らしはオーラとなって、大人の女性をより美しく見せてくれるでしょう。

※掲載した商品は、すべて税込み価格です。

問い合わせ先

PHOTO :
川田有二
STYLIST :
大西真理子(服)、chizu(インテリア)
HAIR MAKE :
三澤公幸(Perle) 
MODEL :
立野リカ(Precious専属) 
WRITING :
藤田由美
EDIT&WRITING :
安部 毅、竹市莉子(HATSU)、喜多容子(Precious)