暮らしと向き合う時間を通して気づいたのは、自分らしいスペースを持つことの大切さです。『Precious』2月号では、『これからの「美しい暮らし」』と題し、自分らしい美学と個性でもっと極めていきたいライフスタイルを、ファッション、アート、インテリアなど、さまざまな角度から特集しています。

暮らしのなかで本当に必要なものは何か?日々のおしゃれに上質で美しいものを見極める審美眼を持つプレシャス世代が、ライフスタイルに向き合うとき、やはりファッションと同じレベルで、研ぎ澄まされた美意識を注ぎたいのです。これからの人生をもっと心豊かに過ごすために、美しい暮らしを求めてみませんか。

今回はスタイリストのchizuさんがセレクトした、モノトーンなテーブルセッティングをご紹介します。

 
chizuさん
スタイリスト
九州生まれ。スタイリストとして40年以上のキャリアをもち、パイオニアとして食、インテリア、ジュエリー、コスメと幅広い分野の雑誌、コマーシャルで活躍。店舗開発、商品開発にも携わる。著書に『私をぐっと素敵に見せる大人のおしゃれのひとさじ』(PHP研究所)。

モノトーンのセッティングで昼食を非日常の舞台に

洗練の黒を基調にしたテーブルには、シルバーの光沢やガラスの透明感、陶器の白を添えて、差し色を小さく効かせる。それはいつもの「黒の着こなし」と同じ。

モノトーンを基調としてテーブルセッティング
田村奈穂の黒のポータブルランプ『TURN』¥31,900(アンビエンテック)、吉田直嗣作の白黒の浅鉢 各¥5,000・同 白い皿 各¥7,000(アエル)、グラスを置いた土岐謙次作の黒の乾漆食器¥22,000・矢澤寛彰作の錫(すず)と黒の両面仕様の漆敷板 各¥16,500(サボア・ヴィーブル)、シルバーカトラリー『ピラミッド』/スプーン・フォーク・ナイフ 各¥27,500・シルバーピッチャー¥4,290,000(ジョージ ジェンセン ジャパン)、グラス『エイサ009』各¥4,840・タンブラー『TU606レイシュ』¥2,860(木村硝子店)、倉俣史朗のフラワーベース¥187,000(LICHT)

黒の装いが好きでもインテリアに黒を選ぶ女性は少数派。でもやってみると洗練度は高く、素材や差し色しだいで軽やかに見える。

田村奈穂の黒のポータブルランプ『TURN』

黒のポータブルランプ『TURN』は、N.Y.在住のデザイナー田村奈穂が手掛けたもの。すべてのパーツを金属の塊から削り出した、硬質な手触りが凛として美しい。

シェードの天面に触れるだけで4段階の調光が可能。真っ直ぐに立ち上がるセクシーな軸を握って、テラスから浴室まで好きな場所に連れて行ける。

大好きな場所を照らして優雅な時空間を演出!

間接照明の優しい光は、心地よい空間づくりに欠かせません。特に少し暗めの灯りは心を落ち着かせます。照明は日常をより豊かに彩るツール。灯りを演出することで、部屋はまったく違った表情を見せるのです。chizuさんの演出は…

「1室多灯が理想ですが、ストイックに難しく考えないこと。家のいろんな場所に置いて、自由に照らせばいいのです。1室1灯なら、今回撮影したような立ち姿が美しいフロアライトがおすすめです」

例えば植物をほんのり照らしてシルエットの陰影を楽しんだり、お気に入りのアートや写真を飾ったコーナーだけを照らしてみたり。食事のときも手元を照らす低めのランプが雰囲気を醸し出します。最近はUSB充電式のポータブルタイプの洗練されたデザインのライトが豊富。ひょいと持ち上げて、ライトと共に好きな場所を探すのも楽しいものです。

※掲載した商品は、すべて税込み価格です。

問い合わせ先

PHOTO :
川田有二
STYLIST :
chizu
WRITING :
藤田由美
EDIT&WRITING :
安部 毅、竹市莉子(HATSU)、喜多容子(Precious)