ダイヤモンドの透徹の輝きとブラックセラミックが、この上なくクールでラグジュアリーなオーラを放つフライングトゥールビヨン!
第1回でお届けした“J12 マドモアゼル”と並ぶ、2022年の「シャネル」新作ウォッチのハイライトです。
まさかの、ダイヤモンド in トゥールビヨン! 透徹な輝きをケージに閉じ込めて
ベゼルを取り囲む34個(約3.5ct)のバゲットカット ダイヤモンドも圧巻の美しさですが、思わず二度見、三度見してしまったのが、トゥールビヨンの中央で燦然と輝くひと粒のダイヤモンド!
ベゼルや文字盤にダイヤモンドをセッティングしたトゥールビヨンは多くのラグジュアリーブランドから出ていますが、トゥールビヨンの中にダイヤモンドを配した時計、私は初めて見ました!
そもそもトゥールビヨンとは、1800年代初頭、「ブレゲ」の創始者であるアブラアン=ルイ・ブレゲ氏が発明した、機械式時計の精度を上げるための複雑機構。
機械式時計が常に、より正確に時を刻み続けていくために、「脱進機」という重要なパーツを、キャリッジ(籠)のなかにすっぽりと収め、キャリッジごと常に回転させることで、重力によって生ずるムーブメントへの悪影響を軽減させるーーざっくりいうとこういう機構なのですが、とにかく非常に精密なもの。
そんな繊細なパーツに宝石をあしらうためには、宝石の重さのさじ加減含め、綿密に設計、製造しなければなりません。
いわゆる時計専業のマニュファクチュールでは、これはきっと思いついたとしても実際につくろうとは思わなかったでしょう。
眩いバゲットカット ダイヤモンドがベゼルを取り巻く、ハイジュエリー&コンプリケーションウォッチ
ベゼル、トゥールビヨンのなかのみならず、リューズ、針! そしてトゥールビヨンのケージにもダイヤモンドがあしらわれ、ブラックのオープンワークダイヤルから、ダイヤモンドが浮かび上がるように輝きます。
マットブラックベゼルだからこそ強調される、トゥールビヨンのダイヤモンド
搭載されているムーブメントは、この美しいコンプリケーションのために新たに開発された「キャリバー 5」。「シャネル」初となる自社製フライング トゥールビヨン ムーブメントです。
ムーブメント デザインは、パリの「シャネル」ウォッチメイキング クリエイション スタジオ ディレクターである、アルノー シャスタン氏が担当し、スイスの時計産業の聖地、ラ・ショー・ド ・フォンの自社工房で、開発と組立てが行われます。
「シャネル」では常に、ウォッチメイキング クリエイション スタジオの構想、デザインに従って、時計技術者が設計、開発にあたります。
「技術的障壁に直面しても、美しさに妥協することは絶対にない」
アルノー シャスタン氏がかつて語っていた言葉通り、2022年も「シャネル」はこうしてそのフィロソフィーを見事に結実させました。
2度にわたりお届けしてきた「シャネル」の新作ウォッチですが、まだまだ魅力的なモデルがたくさん発表されています!
追って次回は、こちらも「シャネル」の真骨頂! 比類なきクラフツマンシップによる、めくるめくメティエダール コレクションの世界をご紹介します。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- TEXT :
- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト