京都にしっとり溶け込むように楽しむ、大人かわいい「街歩きカジュアル」
今や、世界中の旅行者が雅な美しさを求め殺到する京都。しっとりと落ち着いた「本来の京都」を味わいたいならば、「冬」という季節を選ぶのが正解です。重厚な雰囲気に、思わず襟を正してしまいたくなるほどの歴史ある古都ですが、自由気ままな「街歩き」も旅慣れた大人の女性ならではの楽しみのひとつ。そんなときは、クラシカルな街の雰囲気を意識した、きちんと感の漂う端正なカジュアルがおすすめです。
ベースになるのはシンプルに徹した上質素材のアウターやニット。「地味」と思うくらいのシックな色調に、きれいな色や小物でひと匙の甘さを加えるのが「街歩きカジュアル」の基本。そして、足元は軽やかなフラットシューズを。身も心もワクワク弾むおしゃれをして、いざ冬の京都へ!
■1:ミンクコート×フラットシューズで、軽やかに暖かく街歩きを楽しむ
グレージュからオフホワイトへ…気品が漂う淡い色調のグラデーションが、しなやかな存在感を発揮。ダークトーンの京都の街並みに優しく映えます。カシミヤとミンクファーを組み合わせたリッチなコートは、細身のシルエットと軽さが旅先のアウターとしても秀逸。防寒も兼ねたラグジュアリーなアウターは、フラットシューズと組み合わせることで、寒さの厳しい京都の街歩きも軽やかに楽しめます。
■2:定番のトレンチには黒小物を組み合わせ、辛口配色で都会的なスタイルに
トレンチコートにタートルニット、 ダブルモンクストラップの男靴…。 メンズライクな着こなしも、ウエストをきゅっとマークした、タイトなシルエットに全体をまとめているから、モード感あふれる大人の女を印象づけてくれます。さらに、歩きやすさを考慮した靴選びも、京都の街では重要なポイントに。かっちりとした黒のフラットシューズで、颯爽と石畳を闊歩しましょう。
■3:いつもより少し「攻め」の気分で。ワントーンの着こなしに鮮やかな赤が映える!
旅先では、ほんの少しだけ攻めの気分で臨みたいもの。そこで、ダブルフェースのチェスター×濃いめのデニムという定番のネイビースタイルには、鮮やかな赤のバッグを投入してみましょう。ウインドーに映った自分の姿に、「わっ、かわいい!」と思わず口にしてしまいそうです。
■4:ラグジュアリーなファーケープは、シックにまとめて女性らしく知的な印象に
ベージュやグレーなど、ベーシックな淡色だけでまとめたコーディネートは、品のよさを狙う「きれいめカジュアル」の理想形です。主役となるのは、襟元にたっぷりとチンチラファ-をあしらった、ベビーカシミヤ100%のケープ。ともすれば老けて見えがちなファー付きアウターですが、合わせるものをタートルや細身テーパードなど、トラッドを意識したアイテムに限定すれば、難なく回避することができます。ラグジュアリーなファーに辛口のかっこよさが加わり、知的な印象の着こなしが完成します。
■5:シャープな薄軽ムートンコートは、ひんやりと寒い朝の散策にもぴったり
ボリューミーなシルエットで、ラグジュアリーな印象を与えてくれるムートンコート。膨張して見えないよう、シェアリング(毛刈り)が施されているもの、チェスターなどのシャープなデザインを選ぶのが正解です。薄くて軽いムートンコートは、ひんやりとした寒い朝の散策にもぴったり。
■6:体を包み込む上質なカシミヤマントは、寒さが厳しい街での強い味方に
スコットランドを代表するカシミアブランド、ジョンストンズ。地厚で大判のマントは、上質なカシミヤ100%だから、寒さが厳しい冬の京都でも強い味方となります。体をすっぽりと包み込むボリュームシルエットには、細身のパンツを合わせ、すっきりとまとめることがポイントです。
■7:お座敷には断然スカート!端正な着こなしで和食を堪能
京都を訪れる楽しみのひとつは、本格的な和食を堪能できること。たとえば、格式ある料亭に出かけるときは、靴を脱ぐことを想定して、パンツより断然スカートがおすすめです。深みのあるベリーカラーのスカートには、黒のフェミニンなニットを合わせ、きれい色を引き立てましょう。
■8:冬こそきれい色が映える!ドライピンクのコートを主役に、甘さを抑えかっこよく
地味になりがちな冬旅スタイルを新鮮に着映えさせるのは、きれい色=ドライピンクのコート。形は辛口に徹したチェスタータイプを選び、ほかはモノトーンにすることで、ほんのりかわいく、そしてかっこいい都会派スタイルが完成します。合わせる小物には、クリーミーな色調のワンハンドルバッグや、斬新なデザインと清潔感が融合したパールアクセサリーをチョイス。優しい色使いが、ピンクの鮮やかさをさらに引き立てます。
■9:オールブラックの着こなしもラグジュアリーに。女性らしく知的なトラッドスタイル
ブラックデニム×厚手メルトンのピーコート…という、洒落男好みの本格トラッドも、リッチなファーバッグをプラスすることで、女らしさがさりげなく加わった鮮度の高いカジュアルスタイルに! そこに1点だけ投入したキャメルのニットが、オールブラックの装いに抜け感を与えてくれます。インナー以外は徹底的に黒で統一した知性あふれる着こなしは、旅先のアートスポット巡りにもふさわしいスタイルです。
古都・京都のクラシカルな街並みにもしっくりとなじむ、上品なカジュアルスタイル。きちんと感のある端正な着こなしは、京都以外の観光地での散策にもぴったり。旅先での街歩きを、より一層楽しむことができそうです。
- PHOTO :
- 熊澤 透(人物)、佐藤 彩(静物)
- STYLIST :
- 髙橋リタ
- HAIR MAKE :
- 川原文洋(UM)
- MODEL :
- 生方ななえ
- COOPERATION :
- 真宗大谷派 大谷祖庿、大本山 東福寺、芬陀院
- EDIT&WRITING :
- 矢野絵梨佳(HATSU)、喜多容子(Precious)
- RECONSTRUCT :
- 難波寛彦