「レディ ディオール」が、ディオールのアイコンバッグとなった理由
1995年に発表されて以来、ディオールを代表するバッグであり、20年以上も進化を続けている代表的ハンドバッグ「レディ ディオール」。
イギリスの故ダイアナ妃は、当時のフランス、シラク大統領夫人から贈られたこの新作バッグを気に入り、同じシリーズをさまざまなバリエーションで注文。
その後、ダイアナ妃が多くの公式訪問で「レディ ディオール」をお供にしたことから、メディアを通して世界中の女性の注目を集めました。実はこのバッグ、もともとは別の名前がついていましたが、この世界的ブームを受け、ダイアナ妃への敬意を込めて「レディ ディオール」と改名されたのです。
ダイアナ妃以降も世界中のセレブリティに愛され続け、時代に合わせた解釈で進化を続けている「レディ ディオール」は、いつの時代もファッショニスタの話題の的なのです。
限定バッグができるまで…驚きの制作過程を動画でチェック!
最高のバッグを生み出すために、職人とアーティストの力が集結
「レディ ディオール」モデルのデザインはパリにあるクリエイション スタジオで、制作はすべてイタリアのレザーグッズ アトリエで行われています。
今回の限定バッグで最も特徴的な、ボディに描かれたモチーフは、カレン・ヴォージェルとヴィッキ・ノーブル、ふたりのアーティストの共同作品である『Motherpeace』というタロットカードから、「WHEEL OF FORTUNE(運命の輪)」を採用したもの。このモチーフを、イタリア在住のアーティストが、しなやかなスムースカーフスキンにひとつひとつハンドペイントで施した贅沢なバッグです。
レザーをキャンバスに、アーティストは20色以上のカラーを使って、入念に12星座を描き出します。毎回、手作業で描きあげるため、1点につきなんと6時間以上も要します。
絵が描き終わると、正確なサイズでつくられた木型の上でバッグが組み立てられます。この木型は「レディ ディオール」の寸法とレザーの特性に合わせ、事前に模型制作者がつくり上げたもの。
次はハンドルづくり。ふたつのコルク型をレザーで包み、バッグにつなぎ、ヘッドの丸いハンマーを使って全体を軽く叩きます。そして“DIOR”の名を綴ったチャームでバッグを装飾し、完成。
すべての過程において職人が丁寧に制作するため、全体の完璧な美しさが生まれていることがわかります。
ふだんは完成品の美しさに目を奪わる、憧れのバッグ「レディ ディオール」。こうして制作過程を目にすると、バッグに込められた職人やアーティスト、そしてブランドの想いが感じられ、彼らの完璧なものづくりへのプライドとそれを実現するだけの技術力に、敬意を払わずにはいられません。今後も進化し続けるこのバッグから、一層目が離せなくなりそうです。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 安念美和子