自分のためにあつらえるビスポークランジェリーで、新しい自分に出会ってほしい
ビスポークランジェリーという、世界でも珍しい業態のブランドを手掛ける千代乃・アンさん。アトリエを訪れる顧客層のメインは40代以上のプレシャス世代といいます。
海外で養ったグローバルな感覚と、フレッシュな感性をもち、ランジェリー業界に新風を起こす30代女性のつくり手の視点から、ランジェリー論を語ってもらいました。
どういった経緯でブランドを立ち上げたのか、お聞かせください。
「いくつかの理由があります。私は主にロンドンで育ったのですが、現地ではかなり小柄なほうだったので、幼い頃から自分の体にフィットする服や下着の選択肢が極めて少なく、毎回、サイズの壁にぶつかっては悔しい思いをしていました。特にランジェリーについては、既製品で自分の体に合うこと自体がミラクルなのだと思い知らされて。それが、理由のひとつです。
もうひとつは、18歳まで所属していた英国「ロイヤル・バレエ団」での経験から。ひとりずつ職人がついて、サイズオーダーで衣装を製作するのですが、ぴったりとフィットするものをまとう心地よさと解放感は何物にも代えがたく、そのおかげで舞台では、自分を自由に、自信をもって表現することができました。身をもってフィット感の大切さを経験してきたことが、ビスポークランジェリーという発想につながりました」
今の時代の女性らしさやセクシーさについて、また、ランジェリーのあり方についてどのように考えていますか?
「女性らしさとは、個人的な感情に定義されるべきものだと考えています。セクシーさも同様。セクシー=美しい体、というわけでは決してありません。ランジェリーを身につけているときに、自分がどう感じているか、ベースには、コンフォタブルでいることがとても重要です。リラックスしていないと、自分のセクシーさを意識する余裕も生まれませんし。何事においてもですが、年齢や体型はまったく関係なく、女性らしさもセクシーさも、自分の感情とアティチュードによって表現するべきだと思います。
ファッションと違って、ランジェリーは外から見えないからこそ本当の自由がありますし、遊べます。以前にアトリエにいらした方は、メイクもほとんどしない、装いもボーイッシュな印象の女性だったのですが、選ばれたランジェリーは、ピンクのデリケートなデザイン。ご本人からもすごく楽しんでいる感じが伝わってきて、私はそこに大人の遊び心を感じましたし、すごくセクシーな方だなと思いました。
自分のために身につける、他人の目には触れないランジェリーには、パーソナリティが出ます。また、ライフスタイルにも密接に関わるものですし、朝から夜まで、直接肌に身につけるものだから、メンタリティやマインドに浸透しやすいアイテムでもあります。自分のために心をワクワクさせることが、ランジェリーにはできます。知らなかった自分に出会うような新しい発見もあるでしょう。心と体を世界へ解き放つランジェリーを、より多くの女性に体験してほしいと願っています」
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※掲載商品の価格は、税込みです。
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- PHOTO :
- 本多康司
- STYLIST :
- 小倉真希
- EDIT&WRITING :
- 下村葉月、喜多容子(Precious)