豊富なキャリアをもつ人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。第39回のテーマは秋冬の注目アイテム。ラグジュアリーな海外のメゾンから東京発のカジュアルブランドまで数多くの展示会を回った犬走さんが「自腹買いしたい!」と惚れ込んだブルネロ クチネリのアイテム4点をご紹介します。
“大人に似合う”を知り尽くすスタイリストに刺さった「ブルネロ クチネリ」の新作アイテム
シーズンの新作が店頭に並ぶ前に、各ブランドの展示会でいち早くアイテムをチェックするスタイリストやファッションエディターたち。ベテランスタイリストの犬走さんも、毎シーズン膨大な数の展示会に足を運んでいます。
今回は、数多く秋冬物の展示会に回った犬走さんが「自腹買いしたい!」と惚れ込んだブルネロ クチネリの新作4点を公開! 気に入ったポイントやレイヤードのテクニックを、ぜひ秋冬のワードローブ計画の参考にしてみてください。
■1:マニッシュな仕立てが美しいカシミア混の「ウールコート」
ジャケットや白シャツ、パンツなどを生かしたマニッシュな着こなしをこよなく愛する犬走さん。カシミア混ウールで仕立てたブルネロ クチネリのダブルブレストコートには「自分らしさが詰まったアウター!」とひと目惚れしたそう。
生地はバージンウール90%とカシミア10%の混紡生地2枚をつなぎ合わせたダブルクロス。細い糸で縫い目がでないように両面全体を縫い合わせ、手作業で最終工程を仕上げています。薄手で軽く、かつ身体を包み込むような柔らかさをもつファブリックです。
「見た瞬間に『自分らしい!』と感じたコートです。メンズライクなシルエットとディテール、リラックス感のあるドロップショルダー、なめらかな肌触り、軽さ、落ち着きのある色と、すべての要素がお気に入り。長く愛用できる予感しかないですね(笑)」(犬走さん)
■2・3:犬走さんが提案する冬のレイヤード「カーディガン×ジャケット 」が新鮮!
次にご紹介するのは、犬走さんが昨年の秋冬から取り入れているというカーディガン×ジャケットのレイヤード。相反する印象をもつ、かっちりしたジャケットとカジュアルなカーディガン。テイストの違う両者をあえて合わせることで程よい「大人のこなれ感」を出した、新鮮な冬の着こなしです。
「カーディガンは『意外に汎用性がない』と思われている方もいるかもしれませんが、こんなふうに別のアウターを重ねれば真冬にも対応できます。コートより動きやすくて、さまざまな気温に対応する便利な着こなしなので、ぜひお試しを。暑くなったらジャケットかカーディガン、どちらかを脱げばOK」(犬走さん)
今季もこのレイヤードを活躍させたいと考えていた犬走さんにぴったりだったのが、カシミアカーディガンとバージンウールジャケットの組み合わせ。共にブルネロ クチネリらしいニュートラルカラーで、カーディガンは上から羽織るのにぴったりのオーバーシルエットとローショルダー。温かみを感じるイングリッシュリブの編地と、スワロフスキー(R)が輝くエンブレムや水牛の角を使ったボタンにも洗練が宿ります。
メンズライクなサルトリアルジャケットは、少しウエストを絞って女性らしいエレガンスをプラスした逸品。どちらも素材や仕立てが上質なアイテムだからこそ、レイヤードが大人っぽく決まります。
■4:緻密な手仕事が光る、大人のための「ウールジャージースカート」
インに何を着てもアウターに隠れてしまったり、黒や紺などダークカラーが多くなってしまったりと、地味な印象になりがちな冬のコーディネート。そんなときにおすすめなのが、柄物や凝ったディテールなど少し遊びをきかせたアイテムを取り入れること。犬走さんが「大人の遊び心を感じた」という秋冬アイテムが、ブルネロ クチネリのウールジャージースカートです。
今季のブルネロ クチネリのキーワードのひとつが、ノルディック(北欧風)。暖かくてリラックス感のあるバージンウールジャージーで仕立てたスカートには、深みのある色を使った刺繍で北欧風のパターンが表現されています。素朴に見えて、ラメやスパンコールで華やかな光沢を取り入れているのも絶妙。
「柄物ですが、落ち着きのある色使いなので無地感覚で合わせることができます。また、実際に手に取ってみると、緻密で美しい刺繍にうっとり。丁寧に手作業されていることがわかります。ライン入りのゴムウエストで、着心地にもテイストにも『抜け感』があるのもポイント。上質で着心地がよくて、遊び心がきいている。そんな、大人のためのスカートですね」(犬走さん)
人気スタイリストの犬走比佐乃さんから、大人の女性に必要なファッションについて指南いただく連載。第39回は、秋冬の注目アイテムを教えていただきました。数多くの展示会を回った犬走さんが「自腹買いしたい!」と唸ったのは、いずれも「自分らしさ」の詰まったアイテム。
大人の女性にふさわしい上質な素材や丁寧な仕立てに加えて、「好き!」という直感に素直になることも、お気に入りのクローゼットをつくる秘訣かもしれません。ぜひ「自分らしさ」を大切に、秋冬のワードローブ計画を練ってみてください。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 黒石あみ(小学館)
- WRITING :
- 門前直子
- EDIT :
- 谷 花生